20:ご褒美?
「そうですね……訓練生も増えてきたので、訓練用の武器が足りなくなってきましたね」
「私の所は、魔法の練習が出来る訓練場を新設していただけると助かります。僅かですが、魔法を使えるゴブリンも増えましたので」
ボーナスの件で思い立った谷山は、何か欲しい物はあるかとベルとエリカに尋ねたら、事務的な返答が帰ってきた。聞き方を間違えたかなと思った谷山は質問を変える。
「ゴブリン達が喜びそうな物ってって何かな? ベルとエリカってもらって嬉しいものある?」
「食べ物でしょうか?」
「それぐらいしか思いつきませんね」
盲点だった。ゴブリン達は、食事以外の娯楽がない事にこの一言で気付くことになる。だが……
娯楽が食事しかないなら、不満が出ないうちは、たまに豪勢にして様子を見るか。
快楽とは、一度味わってしまうと歯止めが利かなくなる劇薬。段階を踏んで味合わせなければ、歯止めが効かなくなってしまうのではないか? だが、豪勢といっても、常に新鮮な牛肉や豚肉を食べれる環境にいる彼らにとって、どの食材が豪勢なのか、彼らの物差しがわからない。
「よし、取り合えず武器と練習場を作ろう」
「「有難うございます」」
まぁ、こまめに二人をヒヤリングして、欲しがるものを聞いていけばいいか。かの幸せ指数世界No1の国ブータンは、最近まで、諸外国との情報を遮断して、完全自給自足の暮らしで国民が幸せと感じ取っていたのだ。最近ではインターネットの普及で、若者達が他国の豊かさを見て、不満を抱いているようだが、要は、実現出来ないのであれば、知らせない方が幸せということだな。今のダンジョンで娯楽施設の様なものが……あぁ、あった!
谷山は電流が流れたかのように体がビクっと動き、DPのリストが載っている電子パットを指でスクロールしながらお目当ての物を見つけた。
「訓練には興味あるから、明日俺も見にいってもいいかな?」
「「喜んで!!」」
二人は花が咲いたように明るい表情で返答し、持ち場へ帰っていった。
「さて、訓練用の武器か……木刀とかかな~」
木刀……10P
竹刀……20P
鉄の剣……100P
棍棒……10P
竹の槍……10P
革の胸当て……50P
革の膝当て……50P
革の肘当て……50P
革の盾 ……50P
鉄の胸当て……300P
う~む。思ったより防具のポイントが高いな。皮なら大量に出るし、なめして自作してみるか。生産系のスキルが生まれるかもしれないし。初期メンバーの装備だけこちらで用意して、それをモデルにゴブリンに作ってもらうか。
後は、魔法の練習場か……火気使用するんだもんな~
大型施設や、ビルにおいての火気の使用はデリケートだ。工事で使うサンダー(電動カッター)なども、火花が出る為火気扱いとなる。使用場所、使用時間を作業届けと一緒に貼付してもらい、使用後は火の粉が燻っている可能性がある為、消防法に基づき、2時間現場監視を行わなければならない。
許可制にするとして、警察や自衛隊の射撃場をイメージしたドーム型の構造物が作れればなぁ〜
1フロア丸々使うか。考えるのが面倒だし、土木技術者もいないし。維持費がかかる訳でもないし、増やしちまおう。後は例の奴や!




