15:マルチな妖精
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魔法を文字通り炸裂させた少女は、振り返る事無くふら付き始め、倒れる寸前で谷山に支えられた。
「おいおい、大丈夫か?」
「どうやら魔力欠乏症のようですね。魔力が著しく体内から失われると、気分が悪くなり、最悪気を失うのです」
「無茶してくれちゃって。防災センターに連れて帰ろうか」
「それが良いかと」
よいしょと少女を背負い、おんぶした状態でテクテクと帰路に着く。少女の体が軽いせいか、体力の無い谷山でも悠々運ぶ事ができた。
「担架で運ぶ救急救命講習もやって、使う機会なんて無いだろうと思ってたんだが、この世界では大いにありそうだな」
視差呼称して現場確認! 魔法の打ち合いでドンパチやりながら、矛を地面と水平にして、突撃を仕掛けている状況で、胸骨圧迫……
「出来ない!」
「いきなりどうしましたか? マスター」
谷山は首を振りながら。先ほどの魔法の威力を、迫力を、風圧を感じてしまった為に、魔法に対する危機感が谷山を襲う。
「人命救助は兎も角、人間だって魔法を使える者が何人も居る筈。いくら訓練したゴブリンが束になっても一撃で崩壊じゃないか……」
「魔法対策も必須ですね。今できる事といえば、砦を作り、弓で応戦しつつ相手の魔力切れを狙う戦術しかありませんね」
「戦術としては有りだが、戦略としては今一だな……増援も考えられる。そもそも砦ごと吹っ飛ばす魔法を使われたらこ戦術は破綻する。抜本的に行くなら魔法の無力化だな。魔力を奪うか、魔法無効の防具を作るか」
「魔力を奪う方ではダンジョンの罠で可能です。装備の方では、無効となりますと、世界樹の材木はあらゆる魔力耐性があるといわれているため、有効だと思われます。ですが、その分加工が難しいので、魔法の効きにくいモンスターの皮や、そのモンスターを育てるというやり方が現実的かと。ただ、魔法に強いモンスターも上位クラスな為、下級しか召喚できない現状難しいですね」
「うーむ。魔法対策が出来るまで外とは繋げられんな。そもそも召喚リストには、原始的な罠しかなかったし、ましてや魔力を吸い取る罠なんて無かったよ。魔物もリスト見たら下級ばかりだし」
「それはマスターのダンジョンLvが低いからなのです。ダンジョンのLvは謎が多く、多くの条件があると言われています。ダンジョンの階層、フロアの面積、モンスターの数、モンスターの最大レベル、取得マナの最大値など、ですが、過去の様々なデータを見比べても千差万別であり、余計な固定観念が生まれてはマスターのご迷惑となるという理由が、LvUpの説明を省いた経緯になります」
「なるほど。自分のダンジョンを……か。ダンジョンマスターって職業は、色んな職種を兼ねるねぇ。こりゃ、優秀でマルチなコンサルタントがいないとむりだね~」
谷山のボヤキにすかさず胸を張るマリであった。




