ごちそうさま、の後で
冒頭ぶりの登場でございます、簗瀬でございます。
ここまでの長編をご覧頂き、加えて最後のあとがきにまでこうしてお目通し頂いている読者の方には、改めて厚く御礼申し上げる次第でございます。
この度は何かの縁で拙作をお召し上がり頂き(?)、誠にありがとうございました。
味のほどは、ご満足頂けるものだったでしょうか。
二十六万字を越える長編となり、作者自身がその長さに一番驚いておりますが、拙作『僕らの口福ごはん』はご堪能頂けましたでしょうか。
専門的な話も出し、あまり知られていない料理であろうと構うことなく出してしまいましたから、間違いなく万人皆様に等しくご堪能頂ける仕上がりにはなっていないことかと思います。
恐らく本文をご覧になって、皆様が「よし作ってみよう!」と思われる料理の方が少なかったかもしれません。
私自身も、執筆を進めながら献立の独自性と親しみやすさの間で、かなり苦慮いたしました。あまりご興味を惹く料理がなかったようでしたら、それは偏に作者である私の落ち度によるものです。この場にて改めてお詫び申し上げます。
そして、こんな拙い作品でありながらも、連載当初より様々なお方から温かいお言葉を賜り、それに幾度となく支えられて完結まで走り抜けることができました。
連載当初より百品書くと決めてはおりましたが、正直本当に書き切れるかは常に不安でございました。それでもどうにかがむしゃらに突き進み、こうして書き切った今、御百度参りでも成しえたような、何やら不思議な達成感を一人噛み締めている次第です。
実際この作品を通して、私自身大きな成長をさせて頂けました。
料理の作り手として、これほど料理と向き合ったのは初めての経験でした。
連載に当たって実際に献立を組んだり試作をしたりと、様々な経験を重ねながら、作り手として更に技量を高めることができたのではないかと思っております。自分の力でここまでの物が創り出せたことは驚きであり、大きな自信となりました。
料理に関してはの知識量と発想力を求められる場面も多く、とにかく様々な文献を読み漁りました。その余録が、各章の末に配した小噺達でございます。
その中で感じたのは、案外和食として認知されている料理や食材の歴史が浅いこと。
奥が深く、まだまだ勉強不足であることを痛感させられてばかりでございます。
そして、それら料理や調理工程をいかに魅せるか、という点においても、作家として様々な試行錯誤をさせて頂きました。
文字という限られた手段だけで、料理の色鮮やかさや美味しさ、味を具体的に分かりやすく伝わる文章を書く、というのは全く異次元の試みであり、手探りで連載をしながらどうにか納得いく形を見つけていった次第です。
その試行錯誤の片鱗を感じ取って頂けたようでしたら、書き手として嬉しき限りでございます。
初めてといえば、一話読み切りスタイルというのも初挑戦のことでございました。
読み易さを重視し、だいたい一品区切りで、概ね一回でご覧頂けるぐらいの文量を一話分としたテンポのよさも、ご好評頂いた要因なのではないかと思っております。
BLと料理。
この二つを私なりに融合させたのがこの物語の始点でした。
その過程で江戸期の「百珍物」に知恵を借り、私の中で陽平と和樹というキャラクターが誕生しました。この二人の掛け合いに対しても結構お褒めの言葉を賜る機会が多く、作家冥利に尽きる思いでございます。
生みの親として、この二人が末永く皆様に愛されていくことに勝る喜ぶはございません。
この物語はここで終わりにはいたしません。
次はもっと大きな舞台で、陽平と和樹の姿を皆様のお目にかけます。
そのために、今はあれこれと知恵を絞っているところでございます。
その時はまた、ご愛顧賜れましたら幸いでございます。
それでは、また皆様にお目にかかれる時がくるまで。
拙作をご覧になられた皆様に、あまねく口福が訪れることを願いつつ。
長らく連載にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
拙作をご覧頂いた全ての皆様に、厚く御礼申し上げます。




