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最強の剣の継承者〜その剣、俺が超えてやる  作者: 元始名
第一章 最強へと踏み出した第一歩
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達人同士の対決

SIDE--ヘリウス


レイ、かの緒方一刀流の四代目師範として世にその名を知られた男がまだ話している内に私は既に弓を引き絞り、光の矢がその輝きを見せているのだ。


彼はゆっくりと構えを解き自然と刀の切っ先を垂らし、全身から力を抜いた。そこをつけいれ私は彼の胴体を狙って矢を放つ、しかし向こうは何処に矢が飛んでくるのか判ってるように刀で切り上げて私が放った光の矢を切り裂いた。


かの緒方一刀流の師範を名乗れる程の達人ならば出来るだろうと私は思い、予めにそう言う事態を予想した。


だから矢が放たれた後に直ぐまた弓を引き絞り、満ちるのを待たずに光の矢を放つ。


一発目の矢が斬り裂かれると同時に次の矢は直ぐそこまで迫っている、しかしそれすら予測したようにレイは素早く右へ一歩踏み出してそれを回避し、また左足が地に着くのを待たずに右足で地を蹴る無理矢理体を前に押し出した。


二発目までかわされた事は一瞬ショックを感じたが、状況はそれを許さない。


直ぐに動き出すやつに照準を合わし、私はもう一度弓を引き絞る。やつの速度はさっきより少し遅いお陰で直ぐに狙いを定める事が出来、照準があったその一瞬で私は矢を放った。


前の二回の教訓からやつが今目の前にある矢の対処で生まれる筈の隙を突こうとまた弓を引き絞る。


放たれた矢は正に光となってやつの胴体を狙って真っ直ぐに飛んで行き、もう目と鼻の先まで近付いた。やつは足を止めずにまた刀を横薙ぎして矢を切り裂く...筈だった。


やつはそうしなかった。


刀で切る事も避ける事もせず私が放った矢がやつの胴体を貫いた、が一瞬やつの姿はあやふやの幻影のように薄れで行き、矢が通り過ぎた所で透明になった。


矢は何ものにも()()()()()()()通りの果てにある建物の壁に刺さり、光る塵となって消散した。


一瞬の戸惑いで私はさっきまでやつがいる場所に視線が釘付けされ、何処だ と思った矢先にさっきの場所から離れているやつが居る事に気付き、その足を止めずに同じ速度で私に近ついで来る。


驚きを無理矢理押し殺して私は直ぐに弦を引き絞る手の力を抜き、もう一度矢を放つ。


今までのように確かにやつの姿を捉えた、その動きと速度から矢が届く瞬間のやつの位置も完璧の状態から放たれた矢は何かに導かれたようにやつの頭に吸い込まれて行った、けどまた私の矢がやつに刺した瞬間にやつの姿が消え、間も置けずに横から再び姿を現した。


流石に二度目になると衝撃が浅く、直ぐに対策を思いついてまた弓を引き絞る。


今まで弦に当てた指を人差し指と中指の二本から薬指を一本加えて三本の指で弦を引き絞り、今までように光の矢が満ちると同時にその輝きを見せ、今までと違ってその輝きは一瞬の内に大きくなり前より一回り大きい光の矢になった。


その矢に私は更に少しだけ自ら魔力を注ぎ、やつの今の動きと速度から矢が届く瞬間のやつの位置を想定し、さっきのような事があった時に備えてやつが姿を消してまた現るであろう場所も計算に入れ、矢を放った。


予め私が込めた魔力が作用し、私の意志に従って一回り太くなった矢は弓から放れた瞬間に左と右の二つに分かれ、私の誘導に従って想定している二つの場所に一本ずつ飛ばした。


視野を広げて二つの場所を同時に意識してる故に私は見えた。


私の矢が弓から放たれた瞬間やつの姿にブレ、分身でもした様に二人になった。


‘一秒’それすら満た無い瞬間、二つの分身の内、一つは前進し来て、もう一つは右へ方向転換して高速で二歩を進んで私が予め予想した場所についたらまた方向転換しようとした。


だがそれと同時に私が放った矢が前進して来る方のやつを貫き、貫かれたやつの姿はまた幻影の様に消え、矢もまた通りの果てで光の粒子になった。


もう片方の矢は方向転換しようとしたやつが反応する前にその左肩を貫く、筈だったがやつは無理に体を回してそれさえも回避した。


ここまでやつの動きを読み取れたのに確実なダメージを与えられない、精々さっきの一撃でやつの左肩を掠っただけだ。


だがそれだけでもやつの足は止まった。


左肩の具合を確かめる事も無くやつは好戦的な笑みを浮かべ、殺意を隠さない瞳でこっちを見た。


『立ち止まっているなら!』


心の中で囁きながら私は動く。


三本の指で弦を引き絞り、その上で更に小指を引っ掛けて魔力を弓に流す。


いつもより一回り太い矢は更に一回り太くなり、やつが動く前に放った。


最初からこれを待っていたようにやつは人の腕よりも太い矢が私の弓から放たれた瞬間に真っ直ぐこっちに向かって突っ込んで来た。


明らかにさっきまでの速度を大きく上回った速さで矢を避ける事無く直線で向かい、一瞬の内に交錯した。


位置を入れ替わって黄金なる輝きを放つ矢はその場に留まり中心に一筋の赤い線が走り、矢を真っ二つに分け、瞬く間にその‘線’から無数の亀裂が生じ、矢を光る粒子となって消散した、しかしやつは何事もなかったように足を緩めずに、まだ私から十メートル程離れている場所で一歩前へ踏み込み、踏み込んだ足へ更に力を込めて地面を蹴った。


「はぁ!」

地を蹴ってやつは一気に加速して間合いを潰し、その間に振り上げた刀を勢いに乗せて力強い声と共に斬りおとす。上から縦に一を書くような斬撃だ。


キン!


私はなんとかやつの接近とほぼ同時に反応出来、左足を後ろ半歩程下らせ、それと同時に上半身を時計回りと逆な方向に体を回転させるように回しながらその勢いに乗って弓を横薙ぎして、半円な軌道を描いてやつの刀を打ち落す。


完全に刀の軌道が逸らされたところをやつは即座に腕の力を抜きその勢いを流してそのまま振り上げて行く。


腰より少し上の所に一瞬刀を止めてほんの僅かの溜めを入れるだけで直ぐに刀で横薙ぎに切り込む。


キン


その動きにいち早く私は気付き右足を左足より半歩後ろへ下ると同時それに沿って体を回しながら弓を切り上げ、やつの刀の軌道をズラした。


真上にズラされた事を良い事にやつは手首を回して大上段の構えを見せ、不敵な笑みを浮かべながらさっきのような溜めを入れずに天と地を繋ぐ直線を刻むがの如く気合で斬りおとした。


私は長年の経験を元にやつの小さな動作から何とかその意図を読み取れて直ぐに体の回転を加えてまた弓でその斬撃を打ち落とす...つもりだったが、私の弓がやつの刀を打ち落とす寸前やつの刀は視界から消え、弓が空ぶった。


長く感じる瞬きの中、私は持ってる感覚をフルに使ってやつの刀を探し、その姿を捉える前に右頬に微かだが寒気を感じ、長年掛けて磨いた勘が危険を訴えだ。


私はその勘に従って直ぐ様頭と共に上半身を左へ傾けた。


「くっ!」


左へ傾けた次の瞬間に鋼の光が右頬に過ぎり、また方向転換されないようにとやつの刀が止まった瞬間で私は腕から手首へと目一杯力を入れて弓で横薙ぎしてやつの刀を打ち払う。


キン!


打ち払う事に成功したがやつは逆に私の力を利用し、ただ流すじゃなくその力に乗って一回転し、斬撃にその回転の力を加えた。


だがその動きが大きい分かなり判り易い、故に私はこれからやつの刀が描こうとする軌道が頭の中にはっきりと()()()


だからその斬撃を防ごうと私は弓を左前に突き出し、やつの刀の軌道上に置いた。


しかし私の弓に邪魔される前にやつは右腕を少し後ろに引き、上手く弓をかわしだ。


減速もせずに一瞬で私の目の前を通りそのまま刀で小さく円を描き、また大上段の構えを見せた、がさっきと違って溜めを入れた。


やつは私に反応する間を与える事を厭わずに()()()溜めに使い、その体から凄まじい殺気と魔力が漏れ出した。


今まで以上な力が篭った一撃だと私は理解した。


私は素早く腰につけてる剣をも抜き、その一撃に備えようと弓を後ろに剣を前にとクロスさせた。


溜めに使った一秒が過ぎた瞬間にやつは私の弓と剣(防御)をなんとも思ってないように踏み込み、それに連動して体で力を伝導し、目の前にあるものを全て切り裂くような勢いで刀を斬りおとす。


「はぁ!」


がァン!


「くっ!」


金属がぶつかり合う音を取り越して爆音が地面を揺らす、その強すぎる一撃はあっさりと私の剣を両断し、やつの刀はレプリカとは言え神器で私の獲物の弓の、その弓身の深くまで食い込んだ。


キィ キィ キィ


弓まで両断出来なかった事が一瞬やつの顔を曇らせたが直ぐにそれが吹っ切れ、力でグイグイ押してきた。


「くっ!やられて溜まるかよ!」

歯を食いしばって必死に私は耐えた。


急場凌ぎの為に持ってきた剣が既に使い物にならない、この場をなんとかしようと私は剣を手放し、半分しか残ってない剣の落下を見向きもせずに空いた右手で弦を引っ掛けた。


ガラっと私の足元の道路に敷く石が割れ、圧力で周りの石も亀裂が生じた。それを構っていられずに私はより一層足に力を入れ、やつに力で対応しながら弓を引き絞った。


光の矢が構築されたのを見てやつは押しに躊躇する所が逆に押しを強めた。だけど一気に押し切る事が出来ずに私は耐えながら弓に魔力を注ぎ、光の矢を大きくした。


その瞬間だった、私は背後から寒気を感じ、誰かが攻撃するであろうと直ぐに理解出来、回避しようとした。


「ガァ!」


だがやつとの押し合いで直ぐに身動きが取れず体が少しズラした所で何かが私を貫けた。

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