王都襲撃
SIDE--???
屋内のテーブルを囲んで僕と弟子達は立ったままで作戦を前に今作戦会議が終わろうとしている。
「され、皆其々が担当する区画についてはもう問題ないよね?」
僕は万全を期し、最後にもう一度弟子達に聞いた。
「はい、わいはそこのそいつと...」
弟子の一人クァドがもう一人の弟子トレーを指した。
「はい、自分と彼はルーアス商会本店を担当します。」
そいつと言われでも平気に受け流したトレーはクァドが言い終わってない言葉を続けた。
「私とデゥエは南の関所です。」
弟子の一人さっき最初に来たユノは隣に立っている女性であるが同じ弟子であるデゥエの方を見て、お互い一瞬でアイコンタクトを取り、揃って僕の方に向き、ユノの方が言葉にした。
「そしてわたしはそのセイさんとい、一緒に北の城門にある関所を担当する事になります。」
もう一人の女弟子クィンタは刀を取りに一緒に帰って来た弟子セイの方に一度振り向き、クィンタが振り向いたのを直ぐに気付いたセイはにやりといけ好かない笑みを見せた。その笑みを見て少し引いたクィンタは危く舌を噛みそうになった。
「はい、そして僕は此処でお留守番っと以上です、師範!」
まだ技など教えていないから弟子とは言えないその少年、さっきお出迎いに来たその少年サットはきちんと己の力量を理解し、着いて行くとか駄々を捏ねずに留守番である事を受け入れ、いよいよ始まると思って年相応にワクワクしたようだ。
「よし、皆きちんと憶えているのだな。じゃ、始めよ、仕事だ!」
皆が皆其々の役割分担を理解してる事を再確認した僕は仕事の始まる合図を出した。
「「「「「「「はい、レイ師範!」」」」」」」
弟子達とサットは見事に声を重なり、僕に返事した。
SIDEーーリオン
レクスとクリスの鍛練が始まったざっと二時間が経った、此処一ヶ月完全に体作りに費やしだけの成果があったようで二人共全く息が上がっていなかった。
しかしながら今回彼等がやってる素振りは以前のものと比べ、想像以上に神経を使うものだ。だからそろそろ休憩の時間に入るべきじゃないかとオレは考えた。
...誰かに教えのは中々難しいものだ。
とオレは思いながら考えを纏めた。
「はい、そこまでだ、二人共。此処で一旦休憩に入る。」
二時間絶えずに素振りを続けた二人にオレは止めに入った。
「うん?もうなのか?まだそんなに時間が経っていない感じなんだが。」
オレの声でようやく素振りを止め、少しだけ集中力を素振りする以外にも回し始めた。
「いつものような疲れる感覚もないからいつもより時間的に少し早いと思うけど。」
同じように、ようやくその手を止めたクリスは此処一ヶ月で完全に慣れでるようで、もう既に素振りしてから感じる疲れの程度から時間の経過を推算出来る程にまで慣れた。
「あぁ、確かにクリスの言うとおりいつもと比べたら約一時間から一時間半くらいに早かったけど、何分今回のこれは肉体以上に精神的な疲れが溜まるんだ。例え今はまだはっきりとして疲れを感じていなくても実際はかなり疲れている筈だ。」
オレは説明する。
「そういうものなのか?確かにあんまり疲れていない感じなんだが...」
オレの説明を受けてレクスはようやく構えを解き、己自身の体を隅々に意識を向き始めた。
「そうね、やはり余り疲れている感じがしないわ...」
クリスも構えを解いた。
「精神的に疲れている筈だ、がそれはあくまでもオレが君達を動きから見取れたもので君達自身が必ずしも知覚した程のものではないのだ。」
オレは追加説明をする。そう付け加えると二人共揃ってオレの方を見た。
「...やはり違和感を感じないが...そもそもどうしてリオンは俺達自身すら感じてないのに疲れている事が判ったんだ?」
もう一度自分の体の先端まで意識を向けて、それでも疲れを感じないと言い出したレクスはオレに聞いた。
「それは...クリスに対してもそうだが、傍から見れば判る としか言いようが無いな。」
どう説明するのかオレは悩み、上手く口で説明出来るように言葉を考えながら、オレにとって一番理解し易いように言葉を口にした。
「えっ、わたしも!?動きがズレてないと思うけど、そもそもそれが生じる程の疲れでもないと思うけど...」
クリスは突如自分の名前が出て来た事にビックリして、オレの言葉が信じられないように素振りじゃなく頭の中で何かを思い描きながらただ手の中にある水陰刀ルンで少しだけ動かした。
「動きにズレは無い、これは二人に対してはっきりと言えるものだ。」
不信には至らない程だが少し不安がってる二人にオレは肯定な言葉を掛けた。
「それなら、どうやってみるだけで?」
益々理解出来ないような顔をして、レクスは追求して来た。
「うん...なんていえばいいかな。これはオレ自身の経験則だが、うん...どう説明するかな...君達が刀に込めている‘気’を見たんだ、それで だ。」
今までに説明した事が無く、どうやって説明をすればいいか悩んだオレは良い説明方が見付からず、思ってるがままに説明する事にした。
「「気?」」
レクスとクリスも二人して判らないと書いたような顔のまま首を傾けた。
「そうだ、本来ならもっと先に進んでから教えるつもりだったが。そうだな、こうすれば少しは理解しやすいか。」
オレは説明して、二人により判り易くなるようにと右手の人差し指だけを突っ立てて、そのまま右手を前に突き出すように伸ばしそれと同時に二人に向けて殺気を放った。
「これは!?殺気!」
実戦経験者であるレクスは直ぐにオレが殺気を放っている事に気付き(判るように態と判り易い程強くしたから)身構えた。
「うそ!?手が、刀に見えてくる。指が刃にそれにこんなにはっきりと!」
実戦を余り経験してないクリスはオレの殺気を浴びたが、殺気だと判るレクスとは違う事に驚いた。
「まぁ、これはあくまで極端の例だ。レクスが感じたようにさっきオレは殺気を二人に飛ばした、その殺気もオレが言う‘気’の一種だ。」
そっと、オレは殺気を抑えて、突き出した右手を引いて、突っ立てた指を直し、軽く拳を握って手を下ろした。
「それも 気 なのか?」
レクスはいまいち理解してない様な顔をしてオレの方を見た。
「あぁ、名の通りに殺伐する時に昂ぶる気の事だ。当然それだけが気とは言わない、そもそも気とは人の体の中を駆け巡るもので、人の内に秘めた力の事だ。うん……説明し難いから詳しくはまた今度にして、話を戻すが君達の疲れ具合とその気がどう関係してかについてだな。」
やはり一気に説明する事が出来ないとオレは思い、今回の件についてだけ説明する事にした。
「そうだったわね、やはり関係があるの?」
レクスじゃなくクリスが続けた。
「魔法を扱う君達に分かりやすく説明するとマナに近しいものと今はそう認識しで良い。さっきオレが教えた様に刀を常に意識を向け始めた時に君達は無意識の内刀にマナを混ざりながら気を纏わせた。未だ未だ雑だがきちんと刀全体に行き渡っている。」
オレは二人に説明を始める。
「おいおい、マジかよ。」
「そ、それは本当なの、リオン?」
レクスとクリスは 信じられない の様な顔を見せた。二人共自覚してないから信じられない気持ちがあるのは理解出来る、しかしその口調から少し 信じたくない と言う気持ちがオレにも伝わって来た。
「うん?本当も何も、そうだったからそう見えたし、それが少しずつに乱れて行き、さっきは刀全体に行き渡れ無くなっているからオレは二人が疲れていると判断し、止めに入ったのだ。」
何故 信じたくない と言う気持ちが伝わって来るのか分からず一瞬疑問を感じたが、直ぐにオレは説明を続けた。
「それでか……全く、情け無いぜ!」
レクスは顔を伏せ、何か悔しいそうに呟いた。
「………」
クリスもレクスに連れられて口を開かないまま顔を伏せた。
「情け無い?レクスそれとクリス、君達は何か勘違いをしてないか?オレは、うん?これは……」
勘違いして顔を伏せているレクスとクリスに更に説明しようとした時、オレは町から乱れている気配を感じ、そっちに気を取られてしまった。
「……どうしたんだ、リオン?」
静かになったオレに気付き、レクスは顔を上げオレの方を見た。
ドン‼︎!
「うわぉ⁉︎」「ギャ⁉︎」
町の方からドデカイ音が轟いて、二人はその音にビックリした。




