表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の剣の継承者〜その剣、俺が超えてやる  作者: 元始名
第一章 最強へと踏み出した第一歩
59/69

暗躍と修業

SIDE--???


さっき合流した弟子は僕の後ろからついて来て、僕等はすらすらと前へ進んで行った。


王都レギオンの大通りから路地に入り、迷路のように目立つ目印もない所を急に左へ曲り、そして数歩も歩いていない所で右へと曲る。


何度も左に曲り、右に曲って、複雑を極めて道程を僕は自分の家に帰るように何の迷いも無く進み、無事にこの王都に置ける隠れ家に辿り着いた。


「お帰りなさい、師範。」

一人の少年が出迎いに来た。


「あぁ、ただいま。後ろにいる彼と一緒に、直ぐにみんなを此処の裏庭に集まってくれ。これから事を起こす と全員に伝えてくれ。」

僕は師範と呼んでくれる少年と後ろにいる弟子に命令した。


「はい、判りました!ほら、急ぐよ、おじさん」

少年はきちんと僕の言った事を理解し、元気良く僕に返事をして、僕の後ろにいる弟子を引っ張り、中へ入って行った。


「ちょっ、そう焦るなって。」

引っ張られる弟子も自ら歩き出し、依然として引っ張られているがきちんと少年の後から付いて行った。


「相変わらず元気だな...じゃ、僕はみんなが集まるまでこいつを手懐けるとしよう。」

僕は去って行く二人の後ろ姿を見ながら囁き、二人が視界から居なくなって、僕は腰に差してる デオ・ガルト を鞘から引き抜き、その刀身を見詰めた。


そして僕はみんなが到着するより先に裏庭に辿り着き、みんなが来るまで デオ・ガルト で 型 の一つ一つ念入りにこなし、久々に真剣を使った鍛練を開始した。


■□■□■


「おぉ、師匠、精が出ますね。あれが新しく手に入れた刀ですか?」

大よそ二時間くらいの時間が過ぎて、丁度僕が鍛練を終えた時にようやく一人の男が近付いてきた。


僕が数年も前に取った弟子の一人だ。ただの外見から見れば二十代後半で、細身より少し肉付きが良く、此処数年の鍛練ですっかり刀を振るのに適した体になった。その身に我等の流派の由緒正しい鍛練用の衣装 袴 を着けている。


その顔に汗が出て、首にかけている毛布で拭いている。これら二つは彼も来る前までずっと鍛練に励んでいる証拠だ。


「君も鍛練に励んでいるようだね、きちんと僕の言い付けを守ってるようだね。」

近付いてくる弟子の顔を見てきちんと僕の言い付け通りに鍛練を怠っていない事が判り、人の師として少し嬉しく思い、思わず笑みを浮かべた。


「それはもちろんですよ。命の恩人である師匠の言い付けを守らない訳が無いのです。」

弟子は当たり前だと言って、僕の元に辿り着いた。数年の間に僕より高くなってる体の所為で少し上から僕を見下ろした。


「ただの言い付けだと思って、ただ鍛練を任務のようにこなすだけなんて事しないようにな。」

僕は弟子に忠告した。


「はい。」

僕の忠告を聞いて彼は短く返事した。


「それで他のみんなは?」

僕は弟子に聞いた。


「彼等ならもうそろそろ...ほら、もう...」

弟子は後ろに振り向き、丁度向こうから複数の人が近付いてきた。その先頭にさっきの少年とその彼に引っ張られ、一緒にみんなを集めに行った弟子が居る。


「やぁ、みんな、良く集まってきてくれたね。」

僕も向かってくる彼等の事を気付き、みんなに声を掛けた。


「「「「「「師範!」」」」」」

みんなが僕の元に辿り着くと同時に返事をした。


「さぁ、打ち合わせをしようか。」

僕はそう切り出した。


SIDE--リオン


レオナルド陛下から スミスさんが今の緒方一刀流について知ってる と言うあくまでも可能性の話を知らされて、だけど十分にありえる話だとオレは思った。


しかしただ考えるだけではとてもじゃないが答えを得られる訳が無く、オレは明朝にでも会いに行って確かめる事を決めて、今は次なる段階の鍛練を二人に説明した。


本来帰ろうとした陛下はその一言で足を止めた。しかし重要な予定が入っている様で仕方なくレオナルド陛下は王城へ帰る事となった。


念の為オレはレオナルド陛下を玄関にいるヘリウスさんの元に送り届けた。


二人に別れの挨拶をしたがレオナルド陛下だけがこちらに挨拶を返してくれて、ヘリウスさんは黙ったままで何の言葉も返さず、陛下と王城へ帰って行った。


陛下とヘリウスさんの離れていく後ろ姿を見てオレは中にいるレクスとクリスの元へ戻る事にした。


「これからこれからの鍛練について説明する。次なる段階とは君達がこの木刀をさっき君達に渡した刀に持ち替えてこれまでやって来た素振りを続ける事 とオレはさっき言ったが、もちろんただそれだけではないのだ。」

戻ってきたオレは二人への説明を始めた。


「それだけじゃない?」

レクスは疑問に思った。


「まだ何かあるの?」

同じように疑問に思ってるクリスはオレに聞いた。


「あぁ、今までは君達に自身の体の扱い方を直接体で覚えられるように全身に力を入れて素振りをさせてきた、しかしこれからは手に握る刀を己の手足にする為に素振りを続けてもらう。」

オレは追加説明をする。


「なぁ、リオン。それどうやってやるんだ?己の手足にするとだけ言われでも良くわからないんだが。」

どうも説明不十分の様でレクスは依然として疑問に思ってる。


「そうだなただ言葉だけでは分かり難いし、二人共刀を抜いて構えてくれ。」

オレはレクスにそして隣で黙ってオレの説明を聞いているクリスに指示を出した。


シィン シィン


二人は指示に従い、文句言わずにゆっくりと刀を抜き、距離を取って、今まで通りに構えた。すんと突っ立ち、刀を中段に構えるだけで二人共直ぐに疑問や迷いを排し集中を高めた。


「上出来だ。じゃ、二人共視線を刀の切っ先が向けている所に固定し、動かさずに横目で刀をしっかりとその形を目に焼き付け、頭の中に自分自身がその刀を握っている姿を想像するんだ。」

オレは二人の構えを見ながら次の指示を出した。


「「………」」

集中しきっている二人は何も言わぬままオレの指示に従い、二人の目を見るだけで判る、二人はきちんと視線を固定したのだ。


「……流石に君達の頭の中を覗き見が出来ないから、二人共直ぐじゃなくていい、はっきりと刀を握っている自身の姿を想像出来てからだ。その想像が出来てから、前にやった素振りと同じ刀をゆっくり上げていき、それと同時に頭の隅で常に刀を意識しながら想像の中の自分も同じ様に動かせるんだ。」

二人に想像する時間を与え、少し間を置いて次なる指示を口にした。


オレの言葉をしっかりと聞いた様に二人は直ぐに刀を振り上げたりはしなかった。


二人はただじっとして、ゆっくりと息を少し長く吸い、短く吐き、それを繰り返す事で更に集中力を高め、そしてようやくクリスは動き出し、刀を振り上げた。


クリスの後を追う様にレクスも動き、刀を握り締めたまま手を挙げた。


「レクス、クリス、判ると思うが続く動きも今までやって素振りと同じだ、ただ今君達に要求したようにその度に頭の隅で常に刀の存在を意識し、想像の中の自分をも同じように動かせるんだ。」

動き始める二人にオレはそう告げた。


集中を切らさずにきちんとオレの言葉を拾い、昨日までにやって来た素振りよりも遥かに遅いペースで二人はまた動き出し、ゆっくりでありながらも滑るような足捌きで踏み込みきちんと体全体の力を入れ刀を振り落とした。


いつもなら立て直して直ぐに次の動作に入るが、今回はやや間を空いて構えを戻し、また間を置いてから刀を振り上げ、また少しの間を空き、後ろへ下りながら刀をゆっくりと振り落とし、最後にまた間を置いて二人共構えを解いた。


「どうだ、少しはさっきオレが言った 刀を己の手足にする の意味を理解出来たか?」

不思議な気分だ と言わんばかりの顔をしてるレクスとクリスにオレは聞いた。


「あぁ。」

あの一度の素振りで感じたものから中々抜け出せなくて今も手に持つソウルを見詰めているレクスは短く返事をした。


「えぇ、本当に不思議な感じだったわ。一瞬視野が広くなったように感じて握り締めている刀もきちんと手足のようにわたしの思うがままに出来るそんな気がしたわ。」

レクスと違いクリスはきちんとオレの問に答えた。


「そうか、元々数回繰り返しさないと駄目だと思っていたが、どうやら君達はこの道に置いてもかなりな才を持ってるようだ。それじゃまだその感覚を忘れない内に数をこなすとしよ、早速鍛練を始めるぞ、レクス、クリス!」

良い意味でオレの予想を裏切り、善は急げ と思うオレは少し声を大きくした。


「おぉ!」「はい!」

レクスとクリスは力強くオレに返事した。


それから一時間半くらいの時間に二人はさっきのように今までよりずっと遅いペースで素振りをして、オレはその隣で二人を監督しながら時々二人にアドバイスをした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ