次なる段階と再来
SIDEーーリオン
スミスさんとクリスの鎧について互いに意見を出し合って、ようやく意見が纏まった所でオレは受け取った二振りの刀を持ってそのままスミスさんの店を後にした。
クリスの鎧についての打ち合わせは盛り上がり過ぎた所為でスミスさんの店から出て、既に昼過ぎになった。
昼食を撮っていない所為で空っぽになった腹を満たす為にオレは兵舎へ向かう道中で大通りにある数多くの露店の中、歩きながら食べられる事を基準にし、とある露店で売っているおにぎり三つを買って、歩きながらそれで腹を満たした。
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スミスさんの店から出て十分くらいの時間が経過し、オレは兵舎に着いた。
「二人共、順調にやってるか?」
兵舎の中に入って練武場に向かい、そこに未だオレが教え込んだ素振りをしてるクリスとレクスにオレは声を掛けた。
「おぉ、遅かったじゃないか、リオン。クリスからはスミスさんの所にものを取りに行ったって聞いたんだが。」
オレの声が聞こえたレクスは手を止め、オレの方を見て返事をした。
「まぁ、ちょっとした用事があったから遅くなってしまった。それよりも、どうだクリス?以前の時と比べて大分疲れが感じ無くなっているだろう?」
後で二人を驚かす為オレはあやふやな言葉で誤魔化し、視線を一転して手を止めず未だ素振りをしているクリスの方を見た。
「…ふぅ〜かなり良くなっているわ。最初の頃と比べて信じられない程体が軽い、それに立っているだけで地面から力が伝わって来るのが分かるわ。」
オレが話し掛けてようやくクリスは手を止めた。今や深呼吸を要らず、ただ少し長く息を吐き出すだけで息を整え、オレの問いに答えてくれた。
「それは君の体が剣を振る事に適した体になりずつあるからだ。こうも何度も何度も素振りだけをして来た君達なら分かるど思うが、素振りは何も上肢だけでするものじゃない、他の部分の力も必要だが、それ以上に下肢それから上下を繋ぐ腰の力が大事だ。」
オレは説明する。
「へぇ、素振りって単純でそれて言って酷く疲れる動きだと思ったんだがな、俺は。」
オレの説明を受けレクスは少し感心した。
「まぁ、動くだけが鍛練じゃない、最初に構えた時から鍛練は始まるんだ。あの構えに慣れればクリスの言ってた様に地面から力が伝わって来るように感じるんだ。」
オレは追加説明をする。
「嘘⁉︎ただリオンの動きを真似ただけでそうだと思ってもみなかったわ。」
説明した事にクリスは驚いた。
「そう言う誤った認識をするのは仕方ない事だ。もちろんレクスもだが、さっき君があんな事を言えるという事はそれだけ体作りを正確に実行してるって事なんだ。」
オレはクリスが落ち込まない様更に説明を付け加えた。
「そ、そうなんだ。はぁ〜安心したわ。」
クリスはそっと胸を撫で下ろした。
「クリス、お前は気にし過ぎなんだ。間違った時、リオンが正してくれるって。」
レクスはクリスにそう言った。
「完全正しいとは言わないが、レクスの言う事も一理あるなのは確かだ、クリス。」
オレはそう付け加える。
「わ、わかったわ。」
クリスはプイッとそっぽを向いた。
「あぁ、それでだ、オレはそろそろ次の段階に入っても良いと思っている。」
オレは朝から思っていた事を口にした。
「嘘⁉︎本当に?わたし達が鍛練を始めて未だ一ヶ月しか経っていない筈よ、早過ぎないかしら?」
自分には未だ早いと思ってるクリスはオレに質問した。
「早くないさ、クリス!未だ じゃなくて もう 一ヶ月が経っているんだ!なぁ、リオン、早速始めような、あの次の段階とやらを。くわぁ〜ようやく緒方一刀流の技を!」
オレが返事する前にレクスがクリスに返事をして、その途中からオレの方に向いた。
「技の習得は確かに未だ早いが、最初から次の段階の鍛練を始めるつもりでスミスさんの所にこの…二振りを取りに行ったんだ。」
オレは両手を後ろに隠し、そこから 次元宝庫 に繋ぎ、予め仕舞っていたあの二振りの刀を片手一振りずつに取り出し、良く見せる様に腕を広げた。
「これは⁉︎」
レクスの視線は直ぐ様オレの手にある刀に惹きつけられた。
「かたな?」
クリスも刀の方に視線を集中し、囁いた。少し発音がズレだがな。
「次なる段階の鍛練にレクスはオレの右手にあるこの火陽刀 ソウル でクリスはこっちの左手にある水陰刀 ルン を使って、今までの様に素振りを続けて貰う。二人共受け取ってくれ。」
オレは右手にある刀をレクスに見せ、左手にある刀をクリスに見せ、それぞれ合った刀を渡した。
「……ねぇ、リオン。本当にこんな貴重なものを貰って良いの?」
オレから刀を受け取リ、クリスはジィと刀を見詰めながらオレに聞いた。
「そうだぜ、リオン。刀剣や武具の類ではド素人な俺でもこの刀の凄さが分かる、本当ただでくれるのか?」
クリスの言葉を肯定し、レクスも同じ質問をした。
「あぁ、始めから渡すつもりでスミスさんから受け取ったものだし、そもそも最初からこの二振りの刀は君達に使わせる為にスミスさんに頼んで、新しく打ってくれたものだ……まぁ、金とか取るつもりは無いが、本当にただと言う訳にも行かないな。」
安心しない二人にオレは説明つけた。
「「えぇ⁉︎」」
クリスとレクスはオレの言葉に驚いた。
「そうさ、これから君達にはこの二振りに相応しい剣士になって貰うんだ。それがこの刀達を自分にして良い事に対する唯一の条件だ。」
オレはそう付け加える。
「……これに……」
オレの言葉を聞いてレクスは自分の手にある刀を見詰めた。
「このかたなに……相応しい…剣士…」
クリスも自分の刀を見詰め、小さい声で囁いた。
「あぁ、それさえこなせば他の代償は要らない。ただ…クリス。」
オレはクリスを呼んだ。
「えぇ⁉︎何?わ、わたし⁉︎」
いきなりオレに呼ばれたクリスは混乱して慌て出した。
「改めて置くが かたな じゃなく 刀 だからな。これから君達を正式的緒方一刀流の一門下生として扱う事になる、だから 刀 について正しい発音をして貰う。」
オレは慌てているクリスを含め、側にいるレクスにもそう告げた。
「うっ、か、かた……刀、これでいいでしょう!」
混乱していたクリスはオレの言葉を聞き少し落ち着きを取り戻し、刀 の正確の発音をする為にゆっくりと一音ずつ正確に言えた。
「あぁ、もちろんだ、ちゃんと言えてるよ。じゃ、早速次なる段階の...やれやれ、今日は何と言う日なんだ。鍛練は少し後になるな、クリス、レクス。」
鍛練を始めたい所にオレはオレが入って来た方に一つ知ってる気配ともう一つ知らない気配を感じ、来るであろう人物が判っているから当分鍛練が出来ないと思い、二人にそう告げ、オレは後ろへ振り向いた。
「どうした、リオン?...うん?誰か来るのか?」
レクスはいきなり後ろの方に振り向いたオレに聞きながら、途中で何となく誰か来るだろうと察してくれた。
「来ると言うか、もう既に...」
「やぁ、レクス、それにクリスもそしてリオンだったかな、元気にしていたのがね?」
オレの言葉の途中で一人の男 レオナルド王がもう一人の男を連れてこっちに向かって来た。
「「「陛下!」」」
オレと同じ方向を見ているレクスとクリスは向かってくるものが レオナルド王 だと気付き、持ってる刀を持ったまま慌てて片膝を地に着き頭を下げ、オレもそれを真似て同じようにした。
「面を上げたまえ、公式な場なら致し方ないとして、こう言う非公式の場ではそう言う堅苦しいものは無しにしたいのだ。」
オレ達の所に着いた途端レオナルド王はそう 面を上げよ て意味を込めたように手を差し伸べた。
「陛下此度こちらにいらしたのは、何か御用があったのでしょうか?」
レオナルド王の言葉に従いオレ達は面を上げた。さっき少し後ろに立っていたレクスがオレとクリスの前に立ち、レオナルド王の来意を尋ねた。
「御用で程の事ではないさ、此処に来たのは此処に来ればそこに居る リオン と会えると思ったからだ。」
レオナルド王はこっちを見た。
「お、自分にですか?」
オレは疑問を感じ、人差し指でオレ自身を指して、確認をした。
「そうさ、君にだよ、リオン。」
何の躊躇いもなくレオナルド王は肯定した。




