王都へ
オレ達三人が微笑むマリアさんを見て、やり過ごすことに決めた。
「コホン、それで だ、俺は明日の朝に王都へ行くつもりなんだが。どうだ、リオン、君も来るか?」
ジュリオさんはわざとらしい咳払いをして、話を切り出した。
「王都へ、ですか?」
オレは聞き返す。
「あぁ、魔法王国 マルキアス の王都 レギオン だ。そこに俺の息子レクスがいてな、良い機会だからお前にも会わせてやりたいが。どうだ、行くか?」
「はい、行きます。」
オレはジュリオさんに返事した。
「待って、お父様。」
クリスが会話に割り入ってきた。
「なんだ?」
「明日の朝と言いましたよね?」
「そうだが、どうしたんだ?」
クリスの真意がわからないようで、ジュリオさんは聞き返す。
「朝にはわたしとの稽古があります、リオンが行ったらその稽古はどうするんですか?」
「あぁ、大丈夫だ、クリス。」
オレはジュリオさんに代わって返事をする。
「リオン?」
クリスは何か大丈夫だ て目をして、オレを睨む。
「本当に大丈夫だ。今朝も言ったが、最初は先ず体作りだ と。だからオレが居なくでも、今朝のように素振りをするだけで良いんだ。あっ、もちろん木刀は後で渡す。」
オレはクリスに説明した。
しかし、何故かクリスは納得の行かない顔をしている。
「それならクリスも一緒に付いて行けばいいじゃない?」
マリアさんが言い出す。
そんなの何の解決にもならないでし、て えぇ!
クリスの顔が元に戻った。
「なんだ?クリスも一緒に行きたいか?」
ジュリオさんが続く。
「行く!」
クリスは即答した。
「それじゃ、三人で行くでいいな。マリア、君は行かないのか?」
ジュリオさんはマリアさんに聞く。
「えぇ、未だ片付けが残ってるの。」
貴族でありながら、家庭的な返答をするマリアさん。
「あの、片付け てオレが開けた穴の事ですか?」
オレは気まずそうにマリアさんに聞く。
「えぇ、玄関口の穴だけど、あれは貴方が開いたの?」
「はい、そうです!すみません!」
オレは頭を下げて謝った。
しかし暫くの間があって誰も返事をしないから、オレはこっそり頭を上げ様子を見た。
二人ともポカンとしている、マリアさんだけはいつも笑顔のままだ。
「はい、許します。あれのお陰で助かったのよ、悪いなんて思って無いから安心してね。」
マリアさんはそう言いながら、席から立って 未だ片付けがあるから と食堂から出て行った。
「じゃ、そう言う事だから、俺も失礼する。」
ジュリオさんはそう言って、マリアさんの後に食堂から出た。
最後にクリスはオレに軽く挨拶して、食堂から出て行った。
三人が出た後オレも、明日の準備をする為に部屋へ戻った。




