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「ここは今までと違って、あんまりモンスターいなくね? 一旦あちこち壊して、満足したら他に移動して行ったんかな」
「それにしては残ってる奴もいるのが妙だが。或いは、連中のボスに当たる奴がここを拠点にしようと考えたのかも知れん。で、自分と多少の部下以外を他のエリアへ送り込んだ……とすれば、ここに残っているそいつは逆に、今までの連中より手強いって可能性が高いぞ。注意が必要だろうな」
サウス・エリアに突入してから小一時間後。
今までと同様、ティリアより預かった小型機械による敵影探査・「プロービング・システム」によりエリア内を隈なく捜索して回ったが、スバノンが言う様に思った程にはモンスターの姿は見受けられなかった。けれど、ティリアによればこのエリアは他と比べ重要施設が多い所だと言う。であれば、ブルーが推理する様に、その重要性を察知したボス格モンスターがここを拠点として居座っている可能性も高い。
「だったら、早いとこ退治してこねぇとこの町乗っ取られちまうぞ? ま、他のモンスターも見逃す訳にゃいかねーけど。後どれ位いそうなんだ? 敵」
「仮にも“中央制御室”と呼ばれる施設が無事なんだ、完全乗っ取りはされずに済むとは思うんだが……装置の縮尺を変更してエリア全体を見直してみるか」
言いつつも既に手元の機械をいじっているブルーが、暫しその画面を見据えた後。
「この先に、何だか大きな部屋があるらしい。そこに反応が出てるが、それ以外はもうモンスターも居なそうだな」
「おー、じゃ後ひと息じゃんっ。さっさと終わらせて元の部屋に帰ろうぜ」
「ああ、そして俺達の世界と繋がる筈のターミナルを直してもらわないとな」
終結が見えてきたからか、スバノンの元気が急激に回復したようだ。基本が後ろ向きのブルーもまた明るめの顔になりつつ、歩を進めて行く。
だが ―― 問題の部屋に辿り着いた時、彼らの表情が一気に困惑に彩られる事となる。
「よし、ここだなっ。出てきやがれモンスター! ……って??」
「ようこそ……招かれざる客人達」
「―――― エルフィンちゃん?」
目を瞬かせる2人の前に立つのは、確かに彼らの仲間のひとり。精霊達に『当代の勇者候補』と呼ばれている少女、その人の姿であった。
但し、彼女が好んで身に付ける服とは意匠も色も異なり、森の精を思わせる緑ではなくシンプルな白衣姿。ついでに言えば、浮かべる表情もスバノン達が知る彼女のものとは大分、趣が違う。
「私が寝ている間に、どうやってか『電子妖精』を手懐けた様だけど……勝手にこの都市のシステムを乱用するのもそこまでよ。ここは中央制御室に準ずる機能を備えた、非常時用の“制御分室”……シュティグの平穏を乱す闖入者。この場で即刻、処分します」




