第十九章 突然の来客
いつも通り、3人でのどかな昼食を取ろうとした直後
家の戸がノックされるのであった・・・
「コンー、そろそろお昼にしましょうよ。」
「そうだね、丁度手もさっき洗ってきたから。」
一通りの仕事を終え、家に戻ると、父が腕を回しながら肩をバキバキ鳴らせていた。恐らく、釣竿作りに熱中していた反動だろう。
でも、まだ釣りに慣れていない子供達は釣竿をしょっちゅう壊してしまうので、予備を何本か作っておいた方が後々楽なのだ。
ちなみに父は子供の頃、一年で最高10本釣り竿を壊したんだとか。最初その話を聞いた時は、呆れを通り越して大爆笑した。
私は父の為に、一度家から出て、近くの川へ冷たい水を汲みに行った。
薬を使う程ではないと思うから、布に冷水を染み込ませて、傷んでいる体の箇所に当てるだけで大丈夫だろう。
それに、父はこんな事で体を壊すような人・・・人獣ではない。
「イデデデデデ・・・
肩ぁ・・・うぅ・・・」
「もうお父さんも歳だなぁ。」
「そのセリフは・・・後十年後くらいに聞きたかったぞぉ・・・」
「ただ単に無理をしすぎたけよ。」
椅子の背もたれに全身を預ける父に、冷静なツッコミを入れる母。そんな二人を苦笑いで見つめる私。
あの事件から三週間が経過して、ようやく日常が戻ってきた感覚がする。あっという間に感じるけど、季節はもう『夏』真っ盛りだ。
そろそろ私も、山に復帰しようかと思っている。真夏の山って、かなり暑いと思われるけど、実は吹き抜ける風が意外と涼しい。
特に朝方と夕方頃になると、寒いくらいの風が押し寄せる。でも日が長いから、いつも以上に山を堪能できるのだ。
ただ、脱水症状にはならないようにしないと、この前助けた彼の二の舞になる。一応人獣も生き物だから、脱水症状や熱中症になる。
・・・そういえば、前世の世界でも、ペットが熱中症になる話を聞いた気がする。やっぱり生きている以上、こうゆう気遣いからは逃れられないのね。
あの事件以降、山に対する危機意識や見方をしっかり学び直した。だからこまめに水分を補給する事だけでもしっかり頭に入れておこう。
夏の山は今年で14回目だけど、今年もいつも通り、夏に採れる山菜や果物を探しながら、川の方にも足を運んで、それから・・・




