その頃、王都にて(5)
・・・いや、そうゆうわけでもなさそうだ。
確かにアン殿下は俺の家庭について色々聞いてくるけど、その質問が徐々に、妹であるコンに関する事ばかりになっている。
それに気づき始めたのは、アン殿下と話を始めてから、1時間くらい経った後。
気付くのが若干遅いのかもしれないけど、アン殿下の表情も、徐々に変わっている様な気が・・・
「・・・というわけで、まだ私がこの王都に来る前は、妹が毎日私の特訓に付き合ってくれました。
妹は泣き言一つ言わず、どんな状況でも勇猛果敢です。その勢いに、時々男の私が怖気付く事も多々あ
りまして・・・」
「・・・まぁ、女の隠された実力というのは、モンスターをも凌駕するからな。
むしろ女性の強さがあってこそ、この世界の歴史が築かれたと言っても過言ではない。」
「そうですね、今の私が此処に居るのも、妹あってこそです。妹には、本当に感謝しています。
王都へ旅立つ前日には、妹はこのテーブルよりも大きなイノブタ、通称ホグジラを一撃で仕留めまし
た。」
俺のこの発言に、疑問符を浮かべる家臣やメイド達。確かに、王都で生まれ育った人間は、『イノブタ』なんて単語が通じなくても仕方ない。
でも、アン殿下は知っていた様子。俺の発言に、すんなり驚いてくれた。
アン殿下は時々山へ狩りに行くのが趣味らしい、その成果は応接の間にも飾られていた。
俺はつい声を上げて驚いてしまった、てっきりこの部屋に飾られていた毛皮や角は、商人や貴族から贈呈された物だと思い込んでいたから。
そう、『本題』は
もうすぐそこまで来ている
ギンはそれを知らずに、淡々と身の上話を語るのであった




