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その頃、王都にて(5)

アン殿下は、大爆笑している。その顔は、年相応であった。

確かアン殿下は、まだ今年で20歳になったばかり。つまり、俺よりも3つ年上だ。

そう聞くと、俺よりも大人に感じるけど、笑い方や笑顔は、鏡で見る自分とそこまで大差ない気がする。そんな事、決して口に出せないけど。

いつの間にか俺の目の前に紅茶が入っていたカップが置かれ、いつの間にか俺は2杯目に突入していた。

そんなに飲まないつもりだったけど、やっぱり美味しかった事もあって、手が伸びてしまうのだ。

出された紅茶の質がいいのは、カップの中を覗くだけでも分かる。

食堂で出される紅茶は、濁っていう上に茶葉があちこちに浮かんでいる。

でも今俺の前にある紅茶の澄み具合は、まさに晴天の空を染める、夕暮れの光の様に輝いていた。こんなに綺麗な紅茶、初めて見た。

何処を見ても茶葉なんて一つも浮かんでない上に、濃すぎず薄すぎず、丁度良い味わい。成程、一流は見た目から違うんだな・・・

こんな物を俺が飲んでもいいのか、飲んだ後に気になってしまったけど、今更そんな事言い出せるわけもない。

さっきからアン殿下の質問も止まない状況だ、俺の故郷であるフシミの里がそんなに珍しいのかと思ったけど、そうでもなさそうだ。

アン殿下が質問するのは、里の内情ではなく、俺の家族に関しての質問ばかり。兵士長の影響だろうか・・・?

でも、俺の家族の事を色々と聞き出そうとする人なんて今までにいなかったから、ちょっとびっくりしているのも本心。

俺の家庭は、人間の家庭とそんなに大差はない筈。

ただ単に人獣の家庭・・・というだけで、こんなに珍しい目で見られてしまうものなのだろうか。そう思うと、ちょっとショックだ。

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