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その頃、王都にて(5)

兵舎の食堂では皆が夕飯を食べている最中

応接の間では、アン殿下とギンによる談話が尽きる事はなかった

兵士長が、俺の為だけではなく、『人獣』という種族の為に色々と動いてくれているのは、俺も知っていた。

きっかけは、今年の夏。妹であるコンが、兵士長を里で手厚くもてなした。

それは、兄である俺も知っている。というか、兵士長が多くの人に言って回っていたから。

そこで兵士長は、これまでずっと停滞状態だった、『種族間の蟠り』を解消する為、色々な場所で様々な活動をしていた。

俺自身も、正直びっくりしている。兵士長が妹であるコンを気に入った事は分かる。でも、その熱量は、まるで・・・


・・・いや、いいんだよ。兄である俺としても、妹の幸せを願うのが、兄としての役目でもあるしな。

兵士長と結ばれたら、将来は絶対安泰だ。地位もある上に性格も良い、女性からすれば、こんな理想的な相手はそうそういない。

だからこそ、貴族や王族の娘達も、兵士長に釘付けなのだ。その本人はだいぶ嫌がっているらしいけど。

貴族や王族が、一般庶民の人間に求婚するなんて、まさに夢物語だ。

俺は恋愛に関しての知識が皆無だけど、互いに幸せなら、誰も文句なんて言えないと思う。コンもきっと、兵士長と結ばれたら、幸せな筈。


・・・でも、ちょっと・・・


「・・・成程な、兵士長の話は事実だったみたいだ。将来この国を治める存在として、君達人獣の存在を

 知らなかったのは、不覚だったな・・・」


「いや、知らなくても当然ですよ。俺・・・私の住んでいた里は、全く外界と接触しませんから。

 むしろ知っていた方が驚きますよ。」


「あっははは!! それもそうだな!!」

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