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その頃、王都にて(3)

兵士長は俺に、「とりあえず正装になってくれる?」と言った。俺は訳も分からないまま、とりあえず兵士就任式で着た服を、再び身につける。

まさかこんなに早く兵士としての地位を授けてもらえると思わなかった事もあって、就任式での服装は、他の兵士からのお下がりを頂いた。

まだちゃんとした給料ももらっていない生活で、きっちりした正装を買えるお金の余裕もなかったから、だいぶ古い年代物ではあったけれど、有り難く頂いた。

布を千切らないように注意しながら髪を整え、部屋から出ると、既に多くの兵士達が大騒ぎしていた。

俺は、未だにどうしてこんな状況になっているのかも全く分からないまま、兵士長に連れられて、王宮まで足を運ぶ事に。

というか、兵舎よりも王宮の方が荒れている。動揺しすぎて仕事が手につかないメイドもいれば、俺を凝視する兵士もいる。

俺・・・なんかやらかしたのか??

そんな記憶、俺には一切無い筈なんだけど・・・。

・・・え?? この騒動に俺が関係してない方がおかしいよな・・・??

もしかして、何か重大の任務を任されるのか・・・?

いや、もしかしたら重大な任務に同行するのかもしれない。・・・いやいや、そうだとしてもこの状況は、やっぱり変だ。

そんな話なんて一言も聞いてない上に、こんな時間に突然宣告されるのか??

頭がパニック状態のまま、俺はいつの間にか、2階にある応接の間に連れて来られていた。

え?? 

俺に客人・・・でもなさそうだ。大体、応接の間は貴族や王族が使う、客人をもてなす部屋。

俺なんかに貴族や王族の知り合いなんていない上に、関係を持った事すらない。

・・・だとしたら、ますます分からない。部屋の向こうで、誰が待っているんだ?

俺の家族や妹・・・とも考えにくい。それなら兵舎で直接話し合う筈。


でも、部屋で待っている人物の正体は、先に兵士長が名前を呼んでくれたおかげで判明した。

ただその人物が、あまりにも予想外すぎて、さっきまで混乱状態だった俺の頭が、火山の噴火の如く吹っ飛んでしまった。

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