世界最強なのに恋は苦手
◇ ◇ それから、数日…… ◇ ◇
めぐみが、我が家に戻っていた。
めぐみの体には、明和が、
散々体に覚え込ませたルーティンが刻み込まれていた。
めぐみが、
ぼんやりした意識のままテキパキと動いてるのに、
驚きと、戸惑いを感じて、おたおたしている姿に……
晶は、つい、笑ってしまった。
「本当に、戻ったんだね。改めて、おかえり、めぐみ」
「あ…、お姉ちゃん、ただいま」
「でも、数日だけみたい……。
なんというか、そういう記憶が……」
「ふぅん……」
「……で、どう?。
一応、あんたの記憶をみて、
やりたい事を叶えてくれてるはずだけど……」
「うん、いろいろビックリだよ」
そう言いながら、制服に腕を通す。
かわいいと評判の高校の制服だ。
「偏差値が高くて、絶対無理なはずだった……」
憧れていたけど、絶対無理だと決めつけていた。
「数日通って、
中身が私になったら、大変かと思ってんだけど……。
勉強するルーティンまで、体に染みついていて、
全然苦にならなかった」
そう言って、めぐみは、苦笑した。
「そぅ……」
「ところ、お姉ちゃん、最近バタバタしてたけど……」
「そうそう、あのうっかり国家機密を分解した人だけど……」
「うん?」
「国外追放になったわ」
「え?」
「まぁ、生きてるから大丈夫」
「はぁ……」
こんな無茶な話を聞かされても、めぐみは、なぜか納得していた。
めぐみにとって、晶(お姉ちゃん)は、子供の頃から、何でも出来る頼れる存在だったからだ。
晶は、机の上に置かれていた、週刊まんが雑誌を手に取る。
「表紙を飾れるほど、有名になっちゃって……。
夢が叶って良かったね」
「うん。ちょっと予想外だったけどね」
それでも、めぐみにとっては……
晶(お姉ちゃん)の方が、自分なんかより、かわいいと思っている。
小柄で、愛らしい風貌は、誰もが、振り向かずにいられない。
本人は、自覚がないようだが……。
「仕事は楽しい?」
「そ……」
「そういえば、あの金髪の人は、誰なの?」
「あぁ、私のボディガード……。
そういえば、紹介してなかったわね」
晶は、部屋のドアに向かって声をかけた。
「圭佑、ちょっと入って来て」
「失礼する」
……とノックした後、ドアが開く。
現れたのは、あの金髪の男性だった。
めぐみは、その彼の顔をマジマジと眺めた。
そして、察してしまった。
(この人の見た目、お姉ちゃんのタイプじゃん……)
「鷹村 圭佑 (たかむら けいすけ)だ、よろしく」
「あ、明石めぐみです。めぐみで、いいです」
既に名前が知られてる気もしたけど、一応名乗った。
それにしても、お姉ちゃん。
こういう事に関しては、奥手だと思ってたんだけど……。
ボディガードって言ってたけど……
めぐみは、昨日、見ていた。
晶(お姉ちゃん)たちに、
注がれた銃弾が、全部消えていく様を……。
あれが、このお兄さんの力なのかな?
「そ、それでね、け、圭佑、今日は……」
ん~、やっぱり、お姉ちゃんだった。
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