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地味な読書少女と、世界を綴る本 ~静かに始まる小さな奇跡  作者: 秋月心文


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15/20

世界最強なのに恋は苦手

 ◇ ◇ それから、数日…… ◇ ◇


 めぐみが、我が家に戻っていた。


 めぐみの体には、明和が、

 散々体に覚え込ませたルーティンが刻み込まれていた。


 めぐみが、

 ぼんやりした意識のままテキパキと動いてるのに、

 驚きと、戸惑いを感じて、おたおたしている姿に……


 晶は、つい、笑ってしまった。


「本当に、戻ったんだね。改めて、おかえり、めぐみ」


「あ…、お姉ちゃん、ただいま」


「でも、数日だけみたい……。

 なんというか、そういう記憶が……」


「ふぅん……」


「……で、どう?。

 一応、あんたの記憶をみて、

 やりたい事を叶えてくれてるはずだけど……」


「うん、いろいろビックリだよ」

 そう言いながら、制服に腕を通す。

 かわいいと評判の高校の制服だ。


「偏差値が高くて、絶対無理なはずだった……」

 憧れていたけど、絶対無理だと決めつけていた。


「数日通って、

 中身が私になったら、大変かと思ってんだけど……。

 勉強するルーティンまで、体に染みついていて、

 全然苦にならなかった」


 そう言って、めぐみは、苦笑した。


「そぅ……」


「ところ、お姉ちゃん、最近バタバタしてたけど……」


「そうそう、あのうっかり国家機密を分解した人だけど……」


「うん?」


「国外追放になったわ」


「え?」


「まぁ、生きてるから大丈夫」


「はぁ……」

 こんな無茶な話を聞かされても、めぐみは、なぜか納得していた。

 めぐみにとって、晶(お姉ちゃん)は、子供の頃から、何でも出来る頼れる存在だったからだ。


 晶は、机の上に置かれていた、週刊まんが雑誌を手に取る。


「表紙を飾れるほど、有名になっちゃって……。

 夢が叶って良かったね」


「うん。ちょっと予想外だったけどね」


 それでも、めぐみにとっては……

 晶(お姉ちゃん)の方が、自分なんかより、かわいいと思っている。

 小柄で、愛らしい風貌は、誰もが、振り向かずにいられない。

 本人は、自覚がないようだが……。


「仕事は楽しい?」


「そ……」


「そういえば、あの金髪の人は、誰なの?」


「あぁ、私のボディガード……。

 そういえば、紹介してなかったわね」


 晶は、部屋のドアに向かって声をかけた。


「圭佑、ちょっと入って来て」


「失礼する」


 ……とノックした後、ドアが開く。


 現れたのは、あの金髪の男性だった。


 めぐみは、その彼の顔をマジマジと眺めた。

 そして、察してしまった。

(この人の見た目、お姉ちゃんのタイプじゃん……)


「鷹村 圭佑 (たかむら けいすけ)だ、よろしく」


「あ、明石めぐみです。めぐみで、いいです」

 既に名前が知られてる気もしたけど、一応名乗った。


 それにしても、お姉ちゃん。

 こういう事に関しては、奥手だと思ってたんだけど……。


 ボディガードって言ってたけど……


 めぐみは、昨日、見ていた。

 晶(お姉ちゃん)たちに、

 注がれた銃弾が、全部消えていく様を……。


 あれが、このお兄さんの力なのかな?


「そ、それでね、け、圭佑、今日は……」


 ん~、やっぱり、お姉ちゃんだった。

 お読みいただき、ありがとうございます!


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