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地味な読書少女と、世界を綴る本 ~静かに始まる小さな奇跡  作者: 秋月心文


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13/20

妹が撃たれた

 とても慌ただしい夜になった。


 グリモアが、非常事態が起こる事を、知らせていたからだ。


「めぐみ、今夜は、ちょっと私に付き合って頂戴」


「いいけど、何?」

 めぐみといっても、中身は「明和ともかず」だが……。


「今夜、あなたの本体が、殺されそうなの」


「え?」

 明和ともかずは、状況を理解出来ずに困惑している。

 殺される?、それ以前に、なぜ、それを事前にわかるの?


「一緒に来てもらうわよ!。でないと、後悔するから……」


「何が、起こるのですか? お姉さん」


 晶は、大雑把に説明した。

 

・橘明和が、特別顧問をしてる会社に、

 隣国の麗羅(この世界の朝鮮)の

 国家機密が、含まれる製品が納品された。


・その会社の社員が、よりにもよって、

 橘明和(中身はめぐみ)がいる時に、

 機密部分を見ようと、分解を試みた。


・国家機密が含まれているので、

 その現場にいた人間の抹殺の為、

 隣国の工作員が動いた。


……という事らしい。


「だ、大丈夫なんですか? お姉さん」


「えぇ、めぐみは、私が、絶対に守る!」

 そこには、強い意志が感じられた。


 「めぐみは…」と限定した事が、少し気になったが……。



 家の前には、足の速い軽装甲車が数台止まっていた。

 普通の女子高生の家の前に、止まっているようなものじゃない。


 明和ともかずは、混乱していた。

(このお姉さんは、一体何者なの?)


「連中のヘリも向かったらしい」

 晶に、金髪の男性が、そういう不穏な情報を耳打ちする。


 それは、明和ともかずにも、聞こえていた。

(え?、ヘリ?)


「うん、知ってる」

 晶は、その情報を、サラリと流した。


「行きましょう」

 晶が、先導する。


 こうして、明和ともかずも、装甲車に乗り込んだ。

 

 全員の搭乗を確認すると、水瀬は、かなりの速度で走りだした。

 装甲車に赤色灯をのせ、パトカーのような音を出して走っていく。


(むちゃくちゃだ)


(この道は……!)

 明和ともかずも知っている場所に向かっていた。


 明和(本人)が特別顧問をしている

 医療機器メーカーへ向かっている。


 人工子宮が納品される予定だった。


 会社に近づくにつれ、銃撃音が聞こえてきた。


 窓の外で、数人が撃たれたのを見た。

 めぐみ(中身は明和)にとって、見知った顔。

 撃たれていたのは、橘財閥のボディガードだ。


「っ……」


 だが、この装甲車は、止まらない。

 

 あくまでも、目指す場所に向かうまでは……。


 途中で、橘財閥の車が、ボコボコになっているのを見た。

 防弾仕様のあの車が、どうして、ここまで……。


 装甲車は、その車を通り過ぎ、公園の林の中へ進む。

 

 上の方から、銃撃、いや、砲撃音が聞こえてくる。

(武装ヘリ?)



 そんな中、晶は、装甲車を飛び降りた。

 金髪の男性も、続いて、飛び降りる。


 目の前には、2人の人影があった。


 1人は、明和(中身はめぐみ)

 もう1人は、橘財閥のボディガード:加地さんだ。



 晶は、大声で呼ぶ!


「めぐみ!!」


 あたりでは、銃撃音が…、いや、銃弾が飛び交っている。

 銃撃の音が大きすぎて、晶の声は、届いていなかった。


 あちこちから、銃弾が、飛んで来る中、

 加地さんは、明和(中身はめぐみ)を、かばいながら逃げている。


 加地さんは、既に、あちこち、被弾している。



 晶は、もう1度、大声で呼ぶ!


「めぐみ!!」


 明和(中身はめぐみ)は、こちらに気づいたようだ。



 その時、オフロードバイクに乗った敵の増援が、

 逃走中の2人の前に現れた。


 奴らが、サブマシンガンで、銃弾をばらまいてきた。


 ボディガードの加地さんは、

 明和(中身はめぐみ)をかばい、その銃弾を受けてしまった。

 

 その時、明和(中身はめぐみ)の体にも、1発の弾丸が当たった。


 その瞬間、ふと「世界」が、

 まるっと変わってしまうような感覚を覚えた。


 そして……


――急にあたりが静かになった――

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