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地味な読書少女と、世界を綴る本 ~静かに始まる小さな奇跡  作者: 秋月心文


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妹の中身が入れ替わっていた

 最近、妹がキレイになった。


 いや、もともと、私の妹はキレイなんだけど……。

 背も高く、モデルのような体型をしている。


 けれど本人は目立つのが嫌いなのか、

 ニキビも気にせず、髪も整えず、

 わざと野暮ったい眼鏡をかけていた。


 そして、性格的にも、消極的に振る舞っている。


 その辺りは、個性というものも、あるのだろうけど……。


 本当はアイドルやモデルに憧れていることを、私は知っていた。

 だからこそ、いつももったいないと思っていた。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 でも、最近は、突然、真逆になった。

 何事にも、積極的に動くようになった。


 一番、ビックリしてたのは、

 あの面倒な性格のお母さんを誘導し、お父さんとヨリを戻させた事だ。


 お父さん大好きな子なので、

 お父さんが家にいるのを望んでたのはわかるんだけど……。


 あのお母さんまで、御するとは、予想外だった。



 その上、話し方も変わった。

 今までは、うつむき気味に、下向いて話す感じだったのだけど、

 相手の目をしっかり見つめて話すようになった。



 地味に着飾るのをスッパリ辞めていた。

 ニキビもなくし、髪もツヤツヤ、太いメガネをやめてコンタクトに……。


 今では、読者モデルというのも、始めた。



 ここまでの心境の変化は、ちょっと……、極端すぎる。

 よく、男が出来ると、女は変わるというけど、なんか違う感じ。



 何より、なんか、よそよそしい。


 あまりにも、予想外すぎて、なかなか納得出来なかった。

 妹の中身が、入れ替わってるなんて……。



 ちょっと、意を決して聞いてみた。


「ところで、あなたは、誰なの?」


「え?、何言ってるの?。お姉ちゃん」


「うん、聞きなおすね。たちばな 明和ともかずさん」

 あらかじめ、グリモアに教えてもらっていた名前でたずねる。


「え?。見破られたのは、初めてです」


「妹は、特別なの」


「なるほど」


 観念したのか、息を吸うと、話しはじめた。 


「改めまして、お姉さん。ボクは橘 明和です」


「ボクは変な体質でして……

 人生に絶望した人と、瞳があうと入れ替わるんです」


「めぐみが?」

 めぐみは、私の、カワイイ妹だ。


「はい、何か絶望してたようで……」


「それは、気づかなかったわ。

 いつも、一緒にいたのに。お姉ちゃん失格ね」


「いや、お姉さんが、図書館にこもって、

 構ってくれないって、なげいてたみたいです」


「あら!?」


「だから、妹さんも……

 お姉さんの事が大好きだと思います」


「そうなのね。ちょっと安心したわ。

 確かに、一緒の時間が取れてなかったわ」


「ところで、これ、戻れるんでしょうね?」


「妹さんが、望まれたら、すぐにでも戻れますよ」


「でも……」


「今は、ボクの代わりを演じるのが、楽しいみたい」


「ふふ……。何、それ!」


「あ、ボクは、今生では、男ですけど……

 前生で、女だったので、

 女性が嫌がる事はしないと誓います」


「へぇ、前生の記憶も持ってるんだ」


「はい、だから、久しぶりの女の子が楽しくて……」


「読者モデルは、あなたの願望?」


「いえ、この子の記憶に、

 そういうのに成りたいってあったから……」


「うん、知ってる」


「元の体に戻った時に、

 夢が叶ってるとうれしいかな……なんて?」


「優しいのね」


「ボクを知ってる人たちからは、

 お人よしって、言われてますけどね……」


「でも、ありがとう。めぐみに変わってお礼言っとく」


「いえ、どういたしまして」



 ……こうして、妹の中の人が、

 妹を大切にしてくれている人だと分かって安心した。

 まぁ、グリモアから、事前に教えてもらってたけどね。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 最近、グリモアが、不思議なものを見せてくる。


「英国魔法協会」とかいうところが、グリモアを狙って、日本に来るらしい。

 転校生の、野木香織さんか……。そういえば、席は、私の隣だったな。

 お読みいただき、ありがとうございます!


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