26、初めての
金網まで戻ると、そわそわと待ち続ける少女が見えた。向こうも二人に気づき、大きく手を振る。
「リル、ヘラ! おーい、こっちよこっち!」
人目をはばからずに喜ぶ彼女に頬をほころばせながら、二人も速度を上げる。
「そんなに言わなくても大丈夫だよ、ランナちゃん。」
金網を抜けるころには、彼女は涙をぽろぽろこぼして泣き笑いだった。
「だって……だって……このままお別れしたらどうしようって、不安で……」
リルは涙を拭きながらリルに言った。
「ごめんね、あたし、怖かったの。友達になっても、いつか、居なくなっちゃうんじゃないかって。辛いだけなんじゃないかって。」
「やだなぁ、私はいなくなったりしないよ。ちゃんと、帰ってきたよ。」
「うん、分かってる。あたしが弱いから、信じられなかったから。あなたにも辛い思いをさせちゃった。本当に、ごめんなさい。」
ランナは鼻水をすすりながら、頭を下げた。
「いいのよ、ランナちゃん。私知ってたもん。ランナちゃんがホントは、とっても優しい良い子だって。」
リルはそういってほほ笑んだ。
「……じゃあ、あたしとお友達になってくれる? あたしと、ずっと一緒にいてくれる?」
「もう、いまさら何言ってるのよ。私たち、ずっと友達だよ。」
ランナは泣きそうになりながら、ポケットからドーラのビームソードを出して、リルに渡した。
「これ、ドーラちゃんから、あたしたちにって。仲直りの印。」
「わぁ、かわいい……ありがとう。」
「それから……」
ランナは、リルの髪にピンク色のリボンを結んだ。巻き癖のついたリボンの遊びがくるりとカールして、まるでツインテールから4本に増えたようだ。
「あたし、あなたに何にもつけてあげたことないから。だから、ね。」
リルは、その不器用な結び目をそっと撫でた
「ありがとう、ランナちゃん。とっても嬉しいよ。初めてつけてもらった贈り物……大切にするね。」
ランナは感極まって、リルを抱き込むように倒れ込んで泣いた。
リルは急な動きに驚いたが、すぐに持ち直してランナの頭をよしよしと撫でる。
そんな二人を、ヘラは羨ましそうに見つめていた。
涙が収まって、顔を上げたランナがヘラを見て言う。
「ヘラ、本当にありがとう。おかげで、ちゃんと言えた。」
「うん、迎えに来てくれなかったら、私、家がどっちかもわからなかったもん。ありがとう、ヘラ。」
ヘラは照れ臭そうに笑った。
「そっか……お役に立てたなら、良かったです。」
そして、照れを隠すように言った。
「そうだ、皆さんを呼びませんと。みんな、リルちゃんを探してますよね。」




