明日の風は、まだ誰も知らない
『恵の物語』
第66話 明日の風は、まだ誰も知らない
女子ラージヒル決勝、二日目。
前日の一回目で、上川恵は百四十三メートル。
ヒルサイズを三メートル越える大ジャンプを決め、首位に立った。
二位はノルウェーのイングリッド・ラーセン。
三位はフィンランドのエリナ・ラウタヴァーラ。
高田空は五位。
早川美澄は七位。
三枝莉央は十位。
恵は金メダルへ最も近い位置にいた。
だが、まだ優勝したわけではない。
残っているのは、最後の一本。
一回目の百四十三メートルが、今日の風を保証してくれるわけではなかった。
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一晩を越えて
朝。
恵が目を覚ますと、最初に膝の状態を確認した。
布団の中でゆっくり曲げる。
伸ばす。
足首を回す。
昨夜は、一回目の着地で受けた衝撃を抜くため、寄子の指示で念入りに冷却とケアを行った。
百四十三メートル。
ラージヒルで遠くへ飛ぶほど、着地時に受ける力は大きくなる。
飛べたことだけを喜び、体からの小さな警告を無視すれば、次の一本で動けなくなる。
恵は立ち上がり、室内を数歩歩いた。
強い痛みはない。
少し重さは残っている。
だが、競技に支障が出るほどではなかった。
「大丈夫だべ」
自分へ言い聞かせるように呟く。
机の上には、一回目の結果表。
一位、上川恵。
飛距離、百四十三メートル。
恵は紙を裏返した。
昨日の数字を見続けても、今日のジャンプはよくならない。
むしろ、意識しすぎれば体が硬くなる。
一回目より遠くへ。
百四十三メートル以上を。
そんな考えに縛られれば、風を見る余裕が消える。
恵は窓を開けた。
冷たい空気が室内へ流れ込む。
遠くの山に雲がかかり、木々が不規則に揺れている。
昨日より風は強い。
しかも、一定ではない。
「明日の風は誰にも分からない、か」
今日はもう、その“明日”だった。
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海外勢に生まれた焦り
競技会場。
公式練習を終えた海外選手たちは、前日の恵の百四十三メートルを強く意識していた。
イングリッド・ラーセン。
エリナ・ラウタヴァーラ。
エミリー・マクレガー。
ハンナ・グルーバー。
誰もが逆転を狙っている。
そのためには、少なくとも百四十メートル前後まで飛ばなくてはならない。
そう考えていた。
ラーセンはコーチから言われる。
「恵の距離を見るな。今日の風を見ろ」
「分かっているわ」
そう答えながらも、頭から百四十三という数字が消えない。
練習では百三十七メートル。
悪くない。
だが、恵には届かない。
ラウタヴァーラも同じだった。
「昨日より遠くへ飛ばなければ」
その意識が、助走姿勢をわずかに硬くする。
踏切りで早く力を出そうとしてしまう。
遠くへ行きたい。
高く飛びたい。
恵との差を、一気に縮めたい。
だが、ジャンプでは「飛ばなくては」と思った瞬間ほど、踏切りが乱れる。
力は上へ逃げる。
空中姿勢への移行が遅れる。
百四十三メートルという距離が、知らず知らずのうちに海外勢の体へ重くのしかかっていた。
一方、恵は昨日の自分の距離さえ見ていなかった。
見るのは、今日の風。
今日の踏切り台。
今日の体。
それだけだった。
⸻
スタンドの家族
観客席には、この日も日本の応援団がそろっていた。
雪。
光希の両親。
両家の祖父母。
旭川東高校の卒業生たち。
そして胸ポケットには、層一の写真。
雪は風に揺れる旗を見ながら、少し不安そうに言った。
「昨日より荒れてるね」
隣にいた光希が頷く。
「上と下で向きが違うべ」
「めぐ、大丈夫かな」
「こういう時ほど、恵は見るべ」
光希自身も金メダリストとなった。
前日、フェリックス・アドラーとの激戦を制し、ノルディック複合個人ノーマルヒルで優勝した。
だが今日は、自分の金メダルの余韻を横へ置き、恵の最後の一本を見守っている。
「一回目より飛ばないと負けるの?」
雪が尋ねた。
光希は首を振る。
「一回目の得点差がある。飛距離だけで決まるわけでないべ。風の補正も、飛型点もある」
「じゃあ、安全に飛べばいいの?」
「それも違うべ」
光希はスタートゲートを見上げた。
「守ろうとしたら、恵の飛びじゃなくなる。たぶん、恵は今日の風でできる一番いい飛びをするべ」
雪は胸ポケットの写真へ触れた。
「そうちゃん。最後の一本だよ」
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日本勢の二回目
二回目が始まった。
三枝莉央。
一回目十位。
風は弱い追い風。
飛距離を出しにくい条件だった。
だが莉央は、無理に距離を求めなかった。
空中姿勢を崩さず、百二十八・五メートル。
飛型点をまとめ、最終順位は九位。
入賞には一歩届かなかったが、二本とも安定したジャンプをそろえた。
続いて早川美澄。
一回目七位。
スタート時は向かい風。
ところが、助走中に中腹の旗が横へ流れ始める。
美澄は踏切り後、その変化を素早く捉えた。
右腕を少し閉じる。
腰の位置を保つ。
横風に押されながらも、百三十四メートル。
高得点を獲得し、暫定二位へ上がった。
実況
「早川美澄、風の変化に対応しました!素晴らしい修正です!」
解説
「以前の早川選手なら、最初に想定した風にこだわっていたかもしれません。しかし今は、空中で答えを変えられます」
そして、高田空。
一回目五位。
表彰台までは、わずかな点差だった。
空はスタートゲートへ座る。
一回目の百三十四メートルは、決して悪くなかった。
だが、メダルを取るには、もう一段上のジャンプが必要だった。
コスキネンが無線で伝える。
「空。恵の百四十三は忘れるべ」
空は小さく頷く。
「はい」
「表彰台も忘れる」
「はい」
「自分の踏切りだけ」
空は息を吐いた。
恵に追いつこうと、恵と同じ飛び方を真似していた頃。
何度飛んでも距離が伸びなかった。
自分には自分の体がある。
柔らかい足首。
しなやかな股関節。
踏切りの力を一気に爆発させるのではなく、空中へ滑らかにつなげる飛び。
それが空の武器だった。
海斗とは別の日本代表コーチから、スタートの合図が出る。
空がバーを離れた。
助走。
力みのない姿勢。
踏切り台へ近づく。
空は、飛ばそうとしなかった。
ただ、板が返る瞬間に体を合わせた。
踏切り。
ふわりと空中へ浮かぶ。
実況
「高田空、いい踏切りです!」
一気に姿勢を深くせず、風が体へ入るのを待つ。
上部の向かい風。
中腹では正面からやや強い風。
空の体が、ゆっくりと持ち上がる。
百三十メートル。
まだ高い。
百三十五メートル。
落ちない。
観客席がざわつく。
実況
「伸びている!高田空、まだ落ちません!」
百四十メートル。
ヒルサイズ。
それでも空は、まだ着地姿勢へ入らない。
風を強く受けすぎず、しなやかに前へ進む。
百四十二メートル。
百四十三メートル。
そして――
百四十三・五メートル。
テレマーク。
着地。
一瞬、体が沈む。
だが、空は両腕を広げたまま耐えた。
会場が大歓声に包まれる。
実況
「百四十三・五メートル!高田空、バッケンレコード更新です!」
解説
「前日の上川恵の百四十三メートルを、五十センチ上回りました!これは会心のジャンプです!」
空は得点表示を見る前に、両手で顔を覆った。
「飛べた……」
着地地点で待つ美澄と莉央が駆け寄る。
「空!」
「すごい!」
恵も待機エリアのモニターを見ながら立ち上がった。
「やったべ、空!」
コスキネンは拳を強く握った。
「これが空の飛びだべ!」
高得点。
空は暫定首位へ立った。
メダル圏内へ大きく前進する。
⸻
焦りに飲まれた海外勢
高田空が百四十三・五メートル。
バッケンレコード。
その数字が、後に続く海外選手へさらに圧力をかけた。
カナダのマクレガー。
一回目四位。
逆転には、百四十メートル近いジャンプが必要になる。
そう考えた瞬間、踏切りで上体が早く起きた。
力が上へ逃げる。
空中姿勢への移行が遅れる。
飛距離、百三十三メートル。
一回目より四メートル短い。
オーストリアのグルーバー。
地元の大歓声を受ける。
しかし、「地元でメダルを」という思いが強すぎた。
踏切りで力み、百三十四・五メートル。
ラウタヴァーラも、恵と空の距離を意識した。
飛ばなくては。
少なくとも百四十メートル。
その考えが、わずかに助走姿勢を崩した。
百三十五メートル。
一回目より四メートル短い。
実況
「海外の上位勢が、次々と飛距離を落としています」
解説
「風だけの問題ではありません。明らかに踏切りで力みがあります。上川選手の百四十三、高田選手の百四十三・五。その距離を追いすぎているように見えます」
空は暫定トップを守り続ける。
この時点で、銅メダル以上が確定した。
空は泣きながら、恵を待っていた。
⸻
ラーセンの挑戦
一回目二位。
イングリッド・ラーセン。
逆転金メダルを狙う最後の海外選手。
彼女は、他の選手より落ち着いていた。
百四十三・五メートルという数字を、なるべく意識しない。
自分の長い手足を使う。
ラージヒルで最も得意とする、大きな空中姿勢。
スタート。
踏切り。
高さのある飛び出し。
向かい風へ乗る。
百三十五メートル。
百三十八メートル。
百四十メートル。
大ジャンプ。
着地は百四十一メートル。
テレマークも決めた。
実況
「ラーセン、百四十一メートル!逆転へ向けて素晴らしいジャンプです!」
得点表示。
高田空を上回る。
暫定トップ。
ラーセンは少しだけ拳を握った。
これで銀メダル以上が確定。
残るは、上川恵。
恵が大きく崩れれば、ラーセンが金。
普通のジャンプでも、点差次第ではラーセンが逆転する可能性がある。
スタンド全体が、最後の一人を待った。
⸻
女王の最後の一本
上川恵。
名前が読み上げられる。
恵はスタートバーへ座った。
一回目、百四十三メートル。
現在首位。
二回目の空は百四十三・五メートル。
ラーセンは百四十一メートル。
恵は結果表示を見ない。
見れば、必要な距離を計算したくなる。
何メートルなら勝てる。
どこまでなら安全に着地できる。
その計算が、風を見る邪魔になる。
海斗が風の数値を確認する。
上部では弱い向かい風。
中腹で少し強くなる。
着地前は、ほぼ無風。
悪くない条件。
だが、急に変わる可能性がある。
「待て」
恵は動かない。
胸の奥で、心臓が強く鳴っている。
金メダル。
二大会連続ラージヒル制覇。
二大会連続三冠へ、あと一種目。
そんな言葉が浮かびそうになる。
恵は、上川駅前の街灯を思い出した。
世界全部を照らさなくていい。
目の前の一歩だけ。
今は、踏切り台だけ。
風だけ。
海斗が手を上げる。
まだ。
中腹の旗が、わずかに正面へ向く。
海斗の腕が下がった。
「行け!」
恵がスタートした。
実況
「上川恵、金メダルを懸けた最後の一本!」
助走姿勢。
低い。
静か。
昨日の百四十三メートルを再現しようとはしない。
今日の板の滑りに体を合わせる。
踏切り台が迫る。
最後まで待つ。
昨日修正した、わずか〇・〇三秒。
最も力が伝わる一点。
踏切り。
空中へ。
実況
「いい踏切りです!」
体が鋭く前へ入る。
上部の弱い向かい風。
板を広げすぎない。
中腹まで、細い姿勢を保つ。
百三十メートル。
中腹で向かい風が強まった。
恵は背中全体で受ける。
腕を数センチ開く。
板が空気を捉える。
体が再び浮き上がる。
実況
「上川、ここから伸びる!」
百三十五メートル。
百四十メートル。
ヒルサイズ。
まだ高度がある。
観客が総立ちになる。
光希も拳を握る。
「行け、恵!」
雪は層一の写真を胸へ掲げた。
「めぐ!」
恵は空中で風の弱まりを感じる。
着地へ急げば、距離は百四十一か百四十二で止まる。
だが、まだ姿勢を保てる。
体幹で板を安定させる。
百四十二メートル。
百四十三メートル。
そして――
百四十三・五メートル。
高田空と同じ飛距離。
バッケンレコードタイ。
恵はテレマークへ入った。
深い着地。
膝へ大きな衝撃。
だが、耐える。
両腕を広げたまま、着地姿勢を保ち切った。
会場が爆発した。
実況
「百四十三・五メートル!上川恵、高田空と同じバッケンレコードです!」
解説
「最後の一本で合わせてきました!しかも、昨日の百四十三メートルに続き、二日連続でヒルサイズを大きく越えています!」
恵は止まると、得点表示を見上げた。
飛距離点。
飛型点。
風補正。
一回目との合計。
数字が計算される。
数秒。
そして順位表示。
1位 上川恵 日本
金メダル。
2位 高田空 日本
銀メダル。
3位 イングリッド・ラーセン ノルウェー
銅メダル。
一瞬、恵は画面を見つめたまま動かなかった。
「……金だべ」
その直後、両腕を高く上げた。
「やったべー!」
⸻
日本、金銀独占
高田空が着地エリアから走ってくる。
「恵!」
恵も空へ向かって走る。
二人は、その場で強く抱き合った。
「空、銀だべ!」
「恵、金!」
「百四十三・五、一緒だべ!」
「同じところに降りた!」
美澄と莉央も加わる。
コスキネンは涙を流しながら四人を抱きしめた。
「やったべ……本当にやったべ!」
海斗も、珍しく感情を隠さなかった。
「よく飛んだ。二人とも、完璧だった」
寄子は恵の膝を心配しながらも、笑顔を抑えられない。
「まずは二人とも無事でよかった。金と銀は、その次」
恵が空を見る。
「うちの一回目より遠くへ飛んだべな」
空は泣きながら笑った。
「五十センチだけね」
「五十センチでも上は上だべ」
「でも合計では恵が上」
「今日は引き分けみたいなもんだべ」
二人はもう一度抱き合った。
かつて、恵一人しか世界で戦えないと言われた日本女子ジャンプ。
その仲間が、オリンピックでバッケンレコードを更新した。
そして二人で、金銀を独占した。
⸻
表彰台の二人
表彰式。
中央に上川恵。
左に高田空。
右にイングリッド・ラーセン。
二本の日本国旗が掲げられる。
恵の首には金メダル。
空の首には銀メダル。
二人は互いのメダルを見て、照れくさそうに笑った。
「重いね」
空が言う。
「んだ。でも、いい重さだべ」
君が代。
雪は涙を流しながら、層一の写真を掲げた。
「そうちゃん。めぐ、二つ目だよ」
そして、空の姿も見せる。
「空ちゃんも銀メダル。二人で金と銀だよ」
光希は表彰台の恵を見ながら、親指を立てた。
恵もそれに気づき、金メダルへ触れながら親指を返す。
ノーマルヒル金。
ラージヒル金。
二大会連続三冠まで、残るはミックス団体。
あと一つ。
しかし、恵は表彰台でその数字を数えなかった。
今は、空と一緒に立てたこの瞬間を大切にしたかった。
⸻
勝者インタビュー
インタビュアーが尋ねる。
「上川選手、ラージヒルでも二大会連続の金メダルです」
恵は笑った。
「取れたべ。よかったです」
「一回目は百四十三メートル。二回目は百四十三・五メートル。二本ともヒルサイズ越えでした」
「昨日の距離を越えようとは考えてなかったべ。今日の風で飛んだら、たまたま五十センチ伸びました」
「海外勢の多くが、一回目より飛距離を落としました」
恵は少し考えた。
「うちの距離を意識しすぎたのかもしれないべ。でも、うちも相手の距離を考え始めたら、同じように硬くなってたと思います」
「高田空選手も百四十三・五メートル。銀メダルです」
恵の顔が一気に明るくなる。
「空が一番すごかったべ。一回目五位から、バッケンレコードを出して銀まで上がった。うちの真似じゃなく、空の飛びで取った銀メダルだべ」
隣で空が涙を拭く。
インタビュアーが空へ尋ねる。
「上川選手の一回目を上回る距離でした。飛んでいる時、何を考えていましたか?」
空は笑った。
「何も考えてませんでした。恵の百四十三も、表彰台も忘れて、自分の踏切りだけ見ました」
「上川選手と同じ飛距離を記録したことについては?」
「ちょっと嬉しいです。でも、恵は昨日も百四十三飛んでるので、二日間なら完敗です」
恵がすかさず言う。
「そういう計算するなだべ」
周囲から笑いが起きた。
空も笑いながら答える。
「じゃあ、今日は引き分けということで」
「それでいいべ」
二人は肩を寄せ合った。
⸻
あと一つ
夜。
選手村。
恵は二つ目の金メダルを、ノーマルヒルの金メダルの隣へ置いた。
光希が部屋を訪ねてくる。
「二つ並ぶとすごいべな」
「光希も一個あるべ」
「恵はあと一個だべ」
「数えるなだべ」
「二大会連続三冠、あとミックス団体だけだべ」
恵は少し黙った。
その言葉が、いよいよ現実味を帯びてきた。
四年前も三冠。
今回も、ここまで二冠。
ミックス団体で優勝すれば、二大会連続三冠。
世界中が、その記録を期待している。
だが団体戦は、一人では勝てない。
自分がどれだけ遠くへ飛んでも、ほかの選手のジャンプと合計される。
風の条件も、選手ごとに変わる。
個人戦以上に、予測できない。
恵は二つの金メダルを見つめた。
「団体は、うちだけじゃ取れないべ」
「だからいいんでないか」
光希が答えた。
「何が?」
「みんなで取れるべ」
恵は、少し笑った。
「んだな」
光希は恵の横顔を見た。
残るはミックス団体。
それが終われば、恵の競技は終わる。
自分にも、まだラージヒル複合と団体戦が残っている。
そして、すべての競技が終わった後。
選手村の引き出しに隠している、小さな紺色の箱。
未来への約束。
だが、まだ早い。
光希は箱のことを胸の奥へ戻した。
「まず、団体だべ」
恵も頷いた。
「んだ。あと一本ずつ、みんなでつなぐべ」
窓の外では、インスブルックの聖火が燃えていた。
恵の二大会連続三冠まで、あと一つ。
だが、その最後の金メダルは、四人の力を合わせなければ届かない場所にあった。
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次回予告
女子ラージヒル。
恵が金メダル。
高田空が銀メダル。
二人はそろって百四十三・五メートルのバッケンレコードを記録し、日本が金銀を独占した。
そして、恵の二大会連続三冠まで、残るはミックス団体。
日本代表は、女子の恵と高田空。
男子は相田飛竜と佐々木正嗣。
四人で八本のジャンプをつなぐ。
だが一回目、相田が飛距離を伸ばせず、日本は四位と出遅れる。
アイスランド、フィンランド、ノルウェーが上位を占める中、恵たちは逆転を目指す。
次回、
第37話 四人で飛ぶ空
個人の強さだけでは、団体の金メダルには届かない。




