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喫茶クロネコへようこそ  作者: うなぎタコ


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第27話 ふわふわ祭り

 「やっっっと終わったー」


 夏休み最終日のお昼ごろ、布由はようやく溜まっていた夏休みの宿題が終わった。その反動から布由は床に寝転がっていた。


「そうだ、キリちゃんに宿題終ったって報告しとかなきゃ。あ、でも今はまだフェルちゃんと魔法界にいるんだっけ。早く帰ってこないかなぁ」


 そんな布由に一件のメッセージがスマホに届く。凛からだ。


『今からそっちへ遊びに行くね』


 そのメッセージがお送られてから数分後、布由の家に荷物を持った凛が遊びに来た。


「やっほーふゆ!遊びに来たよ!」

「いらっしゃい凛ちゃん。なんだか久しぶりな感じがするね」

「そう?」


 凛は首をかしげた。そんな凛にかまわず、布由は家に入れる。


「それで凛ちゃん今日はどうしたの?どこか遊びに行く?」

「よくぞ聞いてくれたねふゆ。夏休みも今日で終わり……なのに!私たちはまだふわふわのかき氷を食べてないのだよ!」


 凛は大きくそして力強く、身振り手振りで布由に伝え、一枚のチラシを机に置く。そこには『ふわふわ祭り開催中。ふわふわな食べ物大集合!』と書かれていた。


「ふわふわ祭り?」

「そう!ここから少し遠くになるけど祭り会場の近くには温泉もあるんだよ。夏休み最後の思い出に行ってみない?」

「うん!行ってみようよ」

 

 布由はチラシを持って心躍らせながらそう言った。


「それじゃあ、私準備してくるね」

「じゃあ私は残りの夏休みの宿題を……」

「えっ?まだ終わってなかったの?」

「うん。あとちょっとだけ……」

「じゃあそれが終わったら出発ってことで。早く終わらせてよね」

「もちろん!ふゆのためにすぐ終わらせるよ。だから写させて?」

「そこの机の上にあるから、私の準備が終わる前に移し終わってね」


 だが、布由の準備が終わっても凛の夏休みの宿題は終わっていなかった。結局、凛の夏休みの宿題が終わったのは布由の準備が終わった三十分後だった。

 例の、ふわふわ祭りが行われる会場までは電車で三十分、バスで一時間かかる場所にある、大きな広場が会場だ。祭り会場の入り口になる場所には、ふわふわな形に模った大きな看板が立っていたり、屋台の装飾もふわふわな感じにしたりと、徹底されていた。

 

「ここがふわふわ祭りの会場……」

「屋台の看板までふわふわしてるね。まずはどこから行こうか」

「そうだね……かき氷は最後に食べたいから、あそこのふわふわドーナツから食べよう」


 布由の提案で二人は最初にふわふわドーナツを食べることにした。そのドーナツは今まで食べたどのドーナツよりもふわふわモチモチだった。次に二人はふわふわ綿あめを食べに行った。


「綿あめって、なんでこんなにふわふわなんだろうね」

「まぁ、ふわふわな食べ物と言えば綿あめって言う程のものだからね」


 二人は甘い綿あめを頬張る。その後もミニパンケーキーや焼きマシュマロといったふわふわな食べ物をたくさん食べた。


「さすがに食べ過ぎちゃったね」

「かき氷食べきれるかな……」

「一個を二人で分ける?」

「そうしよう」


 そして二人は念願のふわふわなかき氷を注文し、パラソルの刺さった丸いテーブルがある席に座って待っていた。


「そういえばふゆって最近、黒華さんとよく出かけてるよね」

「そういう凛ちゃんだって最近はフェルちゃんと遊んでるじゃん」

 

 黒華霧(くろはなきり)、それはキリカが人間界で使っている偽名だ。他にも偽名があるらしい。一方でフェルアは偽名を使わず本名を使って、よく人間界へ遊びに来ている。


「そう考えると二人で出かけるのは久しぶりなんだ……」


 そんな話をしていると遂に待ちに待ったふわふわのかき氷が運ばれてきた。そのふわふわのかき氷は山の如く盛られ、その上からイチゴのシロップが掛けられていた。


「わぁ、大きいね」

「この大きさなら二人で食べるのがちょうどいいかもね」


 二人はスプーンを持ち、削るようにかき氷を食べる。


「噂通り、ふわふわシャリシャリしておいしいね」

「これどうやって作ってるんだろ……私にも作れるかな?」


 ふわふわシャリシャリの触感を楽しみ、二人はあっという間にかき氷を完食した。


「ふぅ、目当てのかき氷も食べたし、温泉入りに行こうか」


 祭りの会場から温泉のある場所までは徒歩十五分ほどの場所にあり、たくさん食べた後の二人にはちょうどいい運動になった。そしてこの温泉の露天風呂からは自然の風景を一望できるようになっている。


「んー、気持ちいね。景色もきれいだし」

「露天風呂最高!」


 二人は溜まって疲れを癒すように体を伸ばす。


「今度は四人で来たいね」

「そうだね。二人にもこの景色を見せてあげたいね」

「だったら、写真撮らない?」

「いいね、そうしよう」


 凛は防水カバーの付いたスマホを手に取って、自然の風景を背に布由と写真を撮った。それからしばらくして二人は露天風呂から出て温泉のロビーでコーヒー牛乳を飲んだ。


「やっぱり温泉に来たらこれだよね」


 布由は飲み干したコーヒー牛乳瓶を片手にそう言った。

 

「色々目的も達成したし、そろそろ帰ろうか」

「そうだね、楽しかったけどもうそんな時間だもんね。夏休み最後に、いい思い出になったよ」


 温泉に入り終え、目的だったふわふわのかき氷も食べ、楽しい時間を過ごした二人は、バスと電車を使って家へ帰った。こうして長い夏休みは終わり、また明日からいつもの学校生活が始まるのだった。


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