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弱者の天国  作者: JCN
第3章 荒野迷走
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第15節 荒野に逃げ隠れ

 翌日、空が晴れだした、空気が涼しい。

 夜明けに、朝食の準備のため史湘雲は起きた。普段、この時に皆がまだ起きていないし、似萍もまだ寝ているはずだが、今日は史湘雲が外に出た途端、似萍は目を覚まして、服を着てから、ベッドの上でうっかりとしている。

 朝食後、出勤タイムとなる。昨日帰ってきた陳新はテントから出てきて、地質ハンマーとバッグを持っている。一日休んだほうがいいよと勧められたが、自分の怪我が酷くないから、またプライベートで負傷したから、仕事を怠るわけにはいかないと言い、車に登り、いつもの席についた。

 その時、似萍は遠くないところでずっと陳新を見ている。陳新も気付いたが、似萍に顔を向いてくれなかった。多分本当に薛明礼が言ったように、似萍を留めようとしなくなった。それに気付いて、似萍の顔に茫然とした絶望の表情が現れた。

 陳新を見送ってから、似萍はテントに戻り、本を読み始める。

 薛明礼は心配しているので、仕事場に行く前に、わざわざと似萍と会いに来た。似萍はとても落ち着いて、昨晩のことに対してお詫びしている。似萍はすべに覚悟した、それは陳新が似萍に関することを母親に伝えなく、母親に関することも似萍に伝えないことだ。このキャンプ地で自分の母親と会うことがないので、ここにいる理由もなくなった。だから、張おばさんのところに戻ったほうがいいかもしれないと似萍は思った。

 史湘雲と水調達車の杜さんと邵さんなどその場にいる皆が聞こえたから、ほっとしたように皆は笑い出した。

 昼食後、似萍が寝込んだのを見て、史湘雲も寝付いた。史湘雲は起きたら、似萍がいなくなったことに気付き、会計の楊さんに聞いたら、似萍が出てしばらく立ったことがわかった。

 史湘雲は急いで探しに出たが、似萍がいなかった。掘削現場に行こうとしたら、誰かから似萍が水調達の車で川のほうに行ったと聞いた。

 史湘雲はやはり落ち着かないが、どうしようもなかった。その車が帰ってくるのを待つしかない。

 1時間が立ってもまだ帰ってこない。

 もう1時間立ち、史湘雲は薛明礼と会いに行った。話を聞いて薛明礼はすぐもう2人を呼んで、史湘雲と一緒にジープ車に乗って川に向かった。途中、はやめに仕事から帰ってきた朝陳新と一緒に出た車と会って、説明したら、2台の車が一緒に川に向かった。

 川についたら、止まっている車があるが、杜さんと邵さんがいない。30分以上捜したら、2人がやっと見つかった。下流にいる焦っている2人は話をしようとしたら、先に泣き出した。

 昼過ぎに、2人は車で川に向かおうとしたら、似萍が車に乗りたいとお願いされた、似萍はもうすぐキャンプ地を離れるから、最後にもう一回その面白いところに行って、綺麗な花を採って養母にあげたいと言った。2人はおかしいと思ったが、どうして史湘雲がついてこなかったのと聞いたら、似萍は史湘雲がまだ寝ているし、寝る前に史湘雲の同意を得て、早く帰りなさいと言われたよと言った。似萍の話はとても理屈があって、元々似萍を連れて行きたかったし、綺麗で落ち着いた女の子だからだ。

 川に向かう途中、似萍はとても機嫌よく、話も多かったし、たまに笑ったりしていた。

 川についたら、2人は仕事に取組み、似萍のことを構わなくなったが、川に近付かない、遠く離れないといいつけた。似萍も答えてくれたし、花を採って2人にも見せていた。それから、花を捜しながら、遠ざかっていった。遠く行かないでくれと言われたら、似萍はトイレに行きたいと言って、ジャンクに入った。しばらくしたら、似萍が帰ってこなかった。似萍を呼んでも、何の答えもなかった。おかしいなと思って、ジャンクに入ったら、似萍がいなかった。周りの谷で何回も探しても、喉に声が出なくなるぐらい呼んでいたが。

 川にもおぼれたかと思い、2人は下流へ捜しに行ったが。

 史湘雲はその話を聞いたら、号泣した。

 「必ず似萍ちゃんを見つけろ、必ずだ」と薛明礼が叫んだ。

 似萍がいなくなった所を巡って十数人が捜していたが、またもっと広い範囲で探し出した。

 30分後、誰かが皆を呼んだ。その叫び声を聞いて、皆が駆けつけた。水が溜まっていない溝の中に、誰かに採って捨てられた花があった。そこから前に進むと、脆い土の中から小さな足跡があった、それは似萍の足跡ほかならない。

 その足跡から、似萍は谷の中で一生懸命に走っていたが、方向が逆となってどんどん川を離れていったのがわかる。走って走って、持っていた花も落ちていた。何かが似萍を追っかけているようだが、他のものの足跡がない。

 谷の頂上に行ったら、果てしないゴビ砂漠となる。前に500m進んだら、土でできた道がある。その目立たない土道だが、この地域にある東西方向の道で、毎日十数台の車が通っている。道路の真ん中に同じがくから出た三つの花があって、似萍の足跡もそれからなくなっている。

 頭が良い似萍は何回も川に遊びに来ていたときに、この道を知っていた。事前に計画して、杜さんと邵さんに隠れて一人でこの道にたどり着いて、通っていた車に乗った。

 「似萍ちゃん、かわいそうな子だよ。本当にすみません。どうして行ったんですか。」と皆の推測を聞きながら、薛明礼はつぶやいて泣いた。

 キャンプ地に戻ったら、似萍の枕の下で、史湘雲は似萍からの手紙を見つけた。

 湘雲おばさん

 こんにちは。私はお母さんを捜しに行く。優しくしてくれた、私のせいで、湘雲おばさんが叱られたり殴られたりしてほしくないから、この手紙を書いた。

 心配しないでください、私を捜しに行かないでください。自分の世話をちゃんとするから、また自分のお母さんと会えると思う。お母さんのところにいるこそ、本当に幸せと落ち着きを感じられる。

 どうなっても、湘雲おばさんと皆さんをいつも思っているから。

 ……

 その夜、よりによって、陳新の車は故障して、遅く帰ってきた。

 車を降りるときに、いつものとおり、陳新は自分のバッグを持って、頭を下げたまま自分のテントに向かったが、何か気付いたようだ、キャンプ地の皆は静かに彼のことを見ている。

 彼はやむを得ず頭を振り返ってみると、皆が直接に彼の目を避けようとした。史湘雲も泣いている。陳新はびっくりしてすぐ似萍のことを思いついた。探していたが、その小さな人がいなかった。

 「皆どうしたか。どうしておれをこう見ているか。似萍は…どこにいるか、どうして出てこないか」

 皆は沈黙で彼に答えている。

 薛明礼は近付いてきて、似萍が史湘雲に書いた手紙を見せた。

 「似萍ちゃんは行ったよ、水調達車で行った。花を採って養母に贈りたいと言ったけど、川についたら、杜さんと邵さんに隠れて道路に駆けつけて通っていた車に乗った、自分のお母さんを探しに行った。彼女がこうやった理由を考えたことがあるか。あなたは彼女に優しくしてやったら、こうしなかっただろう。苦痛に会われた彼女は最後の希望を自分のお母さんに寄せたから、なんの困難も構わずにやった。わからないのが、どうしてあなたはいつも似萍ちゃんをそう扱っているか。少し理性がある人でもわかるだろう、昔のすべては彼女と関係ないし、彼女のせいじゃないだろう。あなたが彼女を叱ったり殴ったりして、また精神上にも虐待している。あなたは一体何をしたいのか。彼女に本当に死んでほしいのか。彼女は本当に死んだら、あなたのせいじゃないと思われるから、そうしたかったんだろう。このすべて、一体だれのせいかよ」こことが苦しくなった薛明礼は泣き出した。

 最初、何もわからなかった陳新は頭を下げて、何も言わなくなった。薛明礼の話が終わって、落ち着いたら、陳新も涙塗れの顔となった。

 陳新は突然身を振り返って、真っ暗の荒野に向かった、遠く行ったら、心の底から発した声を聞こえてくる「似萍ちゃん、私のせいだよ、ごめんなさい。早く帰りなさい、このままに死んでほしくない。似萍ちゃん」

 昔川のそばにいたときと同じように、陳新は似萍のことが嫌がっていたが、死んでほしがっていたかもしれない。しかし、似萍が本当に死にそうとなると、陳新はすぐすべての恨みを忘れてしまう。それはどういうことだろうか。



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