第11節 失神落魄
翌日の朝に、死んだ子犬はテント地の外の低い丘に埋蔵された。似萍のほか、史湘雲、薛明礼とまだ仕事に行っていない人々もついて行った。多くの人は悲しくて泣いている。その死んだ子犬のためじゃなくて、似萍の絶望に近い、気力のない泣き声が家を離れて皆ボロボロの心境が感動された。
似萍は誰の話も聞かなかった、終日子犬のお墓の前で黙々と泣いている。
それから、似萍は魂を失ったように、目の中に沢がなくなった。お墓の前で泣く以外、ほかの時間に似萍はいつも静かに座り、呆然としている。話されても、答えない、話がわからないように黙然と相手を見ている。史湘雲と喧嘩していた女性も悔しがって、謝罪に来ていた、もし似萍が子犬がほしかったら、すぐ友達にお願いしてもう一匹の子犬を持ってきてもらうと言って、似萍は何の反応もなかった。
話がなくなった似萍は家にいるのが嫌がり、よくテントを離れて、幽霊のように荒野で漂っている。時には遠く行って、人食いの野獣と合うのも怖くない。それで史湘雲はいつも警戒している。
でも、史湘雲はゴビ砂漠で似萍を追いかけ、帰れと言ったら、似萍も反抗せずすぐ帰ってくる。ただし、部屋に長くいられない、夜にもよく出かけている。
その日から、似萍は宿題をやらなくなり、陳新にも会いに行かない。連日、史湘雲は陳新の伝言をして、合いたいと似萍に伝えているが、似萍はその時すでに寝込んでいる。
そのような似萍を見て、皆が心配しはじめた。似萍がこのような人間がいられない環境にいてはならない、精神が崩れるかもしれないと皆が言っている。
そのため、薛明礼は陳新と会いに行った、似萍をリューバのところまで送りたいと言った。しかし陳新はどうしても同意してくれなかった、似萍がわざわざそのふりをしているからと言った。そう言われて、薛明礼も怒り、口喧嘩して、結局陳新と殴り合い、もちろん薛明礼は負けた。
薛明礼は陳新に説服できないが、似萍と会いに来た。どうしても似萍をリューバのところに送りたい、自分が似萍を連れてきたから、責任を取らないと。似萍を先に帰らせて、それから何があっても似萍と関係なくなると言った。
しかし、似萍は意外と薛明礼の話を聞いて、どうしても帰らないと言った。張おばさんのところは自分の家じゃないから、明日に死んでもここにいると話した。
それは連日彼女が始めてした話だった、周りの人がびっくりして、自分が勘違いしたかと疑った。彼女がどうしてそう言ったかが皆は理解できないが、その話は巨石のように皆の心に落ちかかった。
もう一日が過ぎたら、政治学習のため、全員仕事に行かなかった。
正午の昼寝の時間となったら、似萍は再び子犬のお墓に行った。そこで、子犬がまだ生きているように、似萍は話をしてあげている。話しているうちに、陳新が似萍の後ろに立った。
陳新は厳しく似萍に一体何をしたいか、どうして宿題をやらないかと叱ったが、似萍は何も話さず遠ざかっていった。陳新もあまりびっくりしてその後についていった。
丘を越えて、その裏側についたら、似萍は振り返って陳新を見つめた「私が早く死んでほしいでしょう。じゃ、ここで私を死ぬまで殴ってください。私死んだらここに埋めてください。あなたが言わなかったら誰もわからないよ。」
陳新は元々似萍を殴りたかったが、その話を聞いて、かえってぽかんとなった。
「待っているから、早くやってください。もうそうされたかったんです。私がずっとあなたに何かお借りがあると思っているのでしょう。今日はあたなに貸してもらったものを全部返します。そうすると、私であなたも怒らないでしょう。私もあなたにいじめられなくてもいいから。」と似萍は言った。
「どうしたの?怖い?何かを心配でもしていますか。ご安心ください、早くして、痛まなかったら、叫んだりしないよ。」
陳新がまだやる気配がないのを見て、似萍はすこし焦り出した。陳新の手を持って自分の首につけた「今です、もう準備できました。力だけ入れたら、すべてが終わりますよ」と静かに言ってから、陳新を待っている。
しばらくしたら、陳新はやっと意識蘇った。とても熱いものを触ったように、慌てて手を取った。
「どうしたの?怖くなりましたか。なんでですか、すごいじゃないですか。どうして臆病になりましたか。こんなにいいチャンスなのに、どうして逃そうとしていますか、もう失望しましたよ。あなたもすごくないんだ、張子の虎のようなバカに過ぎない。豚のような愚か者、豚よりも劣るかも。こんなあなたは私の父になる資格がない。」
似萍は陳新を怒らせて、理性を失わせたかった。
しかし、今回こそ、陳新は怒っていなかった。逆にお化けと出会ったように逃げ出した。走りながら、似萍が狂ったぞと呼びかけている。
そのボロボロの陳新を見て、似萍はにこりと笑った。今までない楽しいことがあったように笑っている。
史湘雲は陳新の叫び声を聞いて、似萍のところまで駆けつけたときに、似萍は力抜けて地面で悲しく泣いている。
似萍が本当に狂っているかもしれない。




