第5節 親子の衝突
昏睡中の似萍はどうしても目が覚めない、乗っている馬が歩き続けていた。馬が止まり、回りから人の声を聴いたら、似萍は目を覚ました。目が覚めて、自分がテントに囲まれた庭のようなところにいることに気付いた、回りに見たことのない人ばかりだ。男もいれば、女もいる、みんな大人だ。中の多くはボロボロの服を着ていて、顔も炭のように黒い。彼達は都市に行けば、必ず乞食者だと思われるが、この無人の荒野に現れているとは。薛明礼がそばにいなければ、似萍は自分がまだ夢を見ていると思うかもしれない。
今まで子供を見たことがないようにみんなが彼女の様子をおかしく見ている。彼女を見ているが、みんなが話をしない、たまに耐えきれない人がいて、薛明礼にばれないようにこっそりと隣の人と話し合っている。薛明礼が身を振り返ると、彼達はすぐ話をやめた。それだけじゃない、彼女を見てから、目を薛明礼にやる人もいる、まるで…のようだ。言えない感じを覚えた。
彼女がどうしたらいいかがわからない時に、「陳新が来た」とある人が呼んだ。みんなが雷を聞いたように息を凝らした。
人群れの中からすぐ通路ができて、似萍も再び自分の実父を見た。
「ほら、似萍ちゃん」と薛明礼は陳新を見てすぐ言った。そして、似萍にお父さんと呼ばせようとした。
しかし、似萍は陳新を見たら、昔のように眉を顰めて、笑う気がない。陳新が彼女にかかってくると、似萍はやはり氷山がかかってくるように感じ、やむを得ず後ろにさがった。
薛明礼は彼女を止め「怖くないよ、ねっ、僕の話をまだ覚えてる?早く呼んで。お父さんと呼んで。」
その話を聞いて、陳新は似萍から呼ばれるのを待つように止まった。
しかし、似萍は頑固に唇をきつく噛んでいる。失望した薛明礼は何度も努力していたが、結局しょうがなくなり頭を下げたきり、あげなかった。
周りの空気がとても緊張ぎみとなった、みんなは不安そうな表情を表した。
薛明礼はまだ諦めない、また努力しようとしたら、陳新に止められた「もういい、すぐじゃなくていいから。」それは彼女と会ってからの初の話だ、話をしながら手を振っている、機嫌がよくなさそうだ。身を振り返ろうとしたら、急に似萍の黒い腕章を見てあまりびっくりしたように「どうしてこれを被るの?一体どうしたか?」
そう聞かれると、似萍はさらに怒り、頭をあげてじろりと陳新を見た。
陳新はそれを見て怒り出した、大きな声で「お前、聞いてんだから、答えろよ」
「おばあさんです、おばあさんは亡くなりました」と薛明礼はその状況を見て、空気を緩めようとした。
「何だ?」陳新は雷にやられたようになった
「そうよ、悪いあなたに怒らされ、亡くなったよ。あなたのせいだ。」似萍は涙を流した。
「勝手に言うな」と陳新はあまりにも怒り、叫び出した。
「あなただよ」と似萍は何も構わないように言い続けた。
「お前」怒鳴った陳新は手を上げ似萍を殴ろうとしたが、あげた手が止まった。心の怒りを表し出せない陳新は叫んだ「史さん、史さん、あいつを連れて行け、早く」、陳新は振り返って、よろよろと走り去った。
泣いている似萍はまた追っかけて責めようとしたが、史という若い女性と他数人の女性に連れ去られた。
親子の2回目の衝突はこの想定外に終わった。




