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弱者の天国  作者: JCN
第3章 荒野迷走
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第1節 おばあさんの死去

 時が移り変わり、あっという間に3年間が過ぎた。

 3年の間、文化大革命はずっと続いている。国内外を驚かせた事件―林彪副主席はトライデントで外国へ逃げ、結局モンゴルのウンドゥルハーンに墜落して亡くなった。それは逆に「敵は我が党内部にいる」の最適な証となった、思想戦線における闘争は新たな段階に入り、「批林批孔」キャンペーンは全国は大々的に展開していった。

 3年の間、陳新は再び表れてきていない、その日彼は張おばさんの呼びに応えなく、独自に去ったきり、嵐が無人の荒野に消えたように音信を絶った。

3年の間、似萍は大きくなった。昔の女の子は少女となり、ランドセルを背負って学校に通い始めた。

模様が変なおばあさんは元々ソ連で育ったロシア人で、世界第一次大戦の前年に生まれた、出身地はフィンランドと近い。30年代末に、ある理由で中国に辿り着いた、辺鄙な地域で苦しく生活を営み、長い間の持病でおばあさんは早々老けてしまった。新しい家に来て似萍は覚えたのは、おばあさんが血が繋がっていないけど、自分のことをとても大事にしてくれている、とても親しく感じて、自分がおばあさんにとって本当の孫のようだ。おばあさんの中国語は北西地域独特ななまりが混ざっていて、また北東地域のアクセントもあり、流暢にしゃべれないが、たまにロシア語やカザフ語が混ざり込んでいる。最初は聞き取りにくかったが、おばあさんからの愛を確実に感じていた。彼女のことを大事にしていて、彼女が歩くさえしたら、気を付けてねとおばあさんは言いつける。おばあさんも彼女のことを甘やかしている、怒ることもないし、話をする時にともてゆっくりとニコリとしゃべっている。嬉しいときに、彼女を抱っこして、キスし続ける。

 子供は警戒心が低くて、感動されやすい。おばあさんは自分のことが好きで、自分もおばあさんのことが好きとなった。だから、彼女はこの家に来てから間もなく、おばあさんと子供のペアがよく現地の住民に見かけられている。彼女はおばあさんからいろいろと教わった、同じ世代の人は学ぶチャンスのないものも多く学んだ、彼女はロシア語ができる、おばあさんのようにこっそりとキリスト教の神を敬けんに信仰している、その信仰は彼女の特別な境遇と経歴と関連があるかもれしない。彼女はおばあさんの物語りが好きだ。おばあさんは硬い表紙のロシア語絵本を持っている、分厚くて本の中には綺麗なイラストがある、ロシア語が分からなくても、童話集だと一見してわかる。その本の多くのストーリーが面白くて、彼女はいつもそれで遠く思いをはせる。彼女は同じ世代の子と明らかに違い、自分でいることが好き、他人から邪魔されないところでうっかりと思うことが好き。何を考えているか、彼女はあまりに口に出さないから、他人も思いつかない。

 そのような彼女はおばあさんから見ると、とても穏やかな性格を持つ子だ。彼女の顔にいつも薄い憂鬱があり、拭いても消えない。昼に異常がないが、夜になると、彼女はよく悪夢を見る、よく泣きながら起きている。そのような子を見て、おばあさんは心が痛くなり、彼女のことをもっと大事にした。

 ロシアで育ったおばあさんはロシア女性のすべての長所を持っている、ハードな仕事に耐えられ、落ち着いて自信があり、心が優しく明るい、クレームを言わない、自分自身のことを大事にしない。自分が農民と言いながら、体に病気があっても、庭にある数ムーの田んぼを守り続けている。野菜を植えて、牛、犬、鶏を養い、家事もやって、まるで止まらないマシンのようだ。男性がいない家族に、おばあさんはバックボーンのように、すべてのことがおばあさんに頼っている。おばあさんがいなかったら、似萍も自分がどうなるかがわからない。

 張おばさんは多病なおばあさん唯一の娘で、ニックネームはリューバだ。おばさんのお父さん、つまりおばあさんのご主人は漢民族の人、東北の黒竜江省生まれだ。だから、おばさんはハーフで、「二転子」というハーフの俗称もある。おばさんは肌が白く綺麗で、背も高くてスタイルがいい。おばさんを見た人はいつも他の女性より多く見ている。

 おばさんは教員で、中学校の数学を教えている。似萍はおばさんがいる学校に入学した。その学校に小学校、中学校、高校がある。似萍が学校に通う前に、おばさんはいつも独りで自転車で通勤していたが、似萍は学校に通いはじめたら、おばさんにも通勤同伴ができて、自転車の後ろにいつも似萍が座っている。

 当時の女性は通常、18歳―20歳の間に結婚しているが、もっと大きくなって付き合い相手がいなかったら、他人におかしく思われる。彼女はもうすぐ30歳になるが、まだ独身で、異性を避けようとしているどころか、学校の女性教師たちとも仕事以外の付き合いが少ない。

 おばさんはとても孤独で、時々寂しい思いもする、おばさんは普段仕事で毎日あまり余裕がないが、学校が夏冬休みに、一番過ごしづらいのだ。

 おばさんは仕事にまじめで、同僚たちからの高く評価されているし、学生たちにも好かれて、いい先生だと称賛されている。このような女性に軍官や幹部、技術者など家庭条件のいい求愛者も多い。しかし、わからないことに、おばさんはいつも言い訳をつけて、プライベートのことを避けようとしている。

 似萍は以前自分で見たが、おばさんが待っている人は陳新だろうと思っている。おばあさんから、彼女は自分の実母がまだ生きていると知った。実母がいまだに表していない理由は、彼女が家に帰ってきたのを知らないのだ。彼女を生んで間もなく、実母は重い病気にかかり、もうすぐ死にそうなところに、陳新はやむを得ず自分の娘を他人にあげた。結局実母は助けられたが、心が折れ陳新を離れた。自分の娘を見つけたまで家に帰らないと言った。

もしおばあさんは言っているのが真実であれば、ここに問題がある。まず、実母を怒らせて放り出した陳新は張おばさんのことを全然気に入らない、そうじゃないと、その日にそんな酷い話をしないだろうし、行ったきりで何年間音信を絶ったのもしない。それじゃ、張おばさんはどうして一途に陳新を待ち続けるのか。しかも、実母はまだ陳新と離婚していないから、張おばさんは待っても意味がない。しかし、張おばさんは陳新のためじゃなかったら、なぜ個人の問題を解決しようともしないか。

すべてのすべて、彼女はおばあさんに聞いたが、おばあさんもよくわからない、張おばさんに聞けと言われたが、彼女はそうしたくなかった。前回、荒野で陳新と会った時に、張おばさんが陳新の前でそんなに失態したのを見て、また張おばさんからお母さんという呼び方を留められたら、大泣きした似萍は自ら張おばさんと話しもしたくなくなった。何かあれば、むしろおばあさんの方に聞くよりも、張おばさんに聞かない。その心の疎遠は張おばさんに見逃されなかった、張おばさんは如何に努力しても似萍を感動させなかった、石のように頑固な似萍を見て、張おばさんは時々涙をさえ流していた。

 普段の生活の中で親族でも衝突を避けられない。多くのこともそうだ、言ったら重く感じるが、実際は大したこのじゃない。二人の間に解けなさそうな問題があるが、似萍は実際に張おばさんを自分のお母さんにして、張おばさんの話をちゃんと聞いている。

 だから、どうしても、この三年間、似萍の穏やかな生活を送ってきた。

 去年の冬、雪が降ってから、おばあさんは急に病気にかかり、最初は薬を飲んで治ったが、しばらくしてまたひどくなった。そのように繰り返し、翌年の夏になると、お咳してのどから出たタンに血が帯びていた、おばあさんも痩せかけた。その時にまた薬を飲んでも役立たない。現地の医者の診断によると、ガンの可能性があるようだが、医療条件に限られ確定できない。ウルムチへ転院するように勧められたが、おばあさんはどうしたも行かない、ウルムチが遠すぎ、言ってもガンだと確定されても死ぬことが同じだと言う。自分がどうなっているのかがわかっている、夢で天国を見た。ソ連にいた同じ世代の人々は戦争で亡くなったので、自分が60近くまで生きてきて、もう満足だ。一生苦労してきたので、もうこれから苦労したくないと言う。

 そうすると、おばあさんは転院するどころか、現地の病院をさえ出た。おばあさんは家に帰って、リューバに仕事に行かせ、自分で自分の世話をできると言った。

 おばあさんは死が怖くがらない。神様を信仰しているおばあさんは、ただ静かに神様からの呼び招きを待って、それを永遠たる解脱だと見なしている。しかし、一つのことについて、おばあさんが安心できない、それはリューバと似萍だ。自分が本当に去っていったら、その親子二人を残してどうするのか。そのため、おばあさんはリューバに陳新へ手紙を書いてもらい、自分の病状を伝え、早く帰ってきて話があると言った。

しかし、半ヶ月が過ぎたが、まだ返事がない。もう一枚手紙を送っても、まだ返事がない。その後、数枚の手紙を書いて違う場所へ送ったが、全部返事がない。おばあさんはどんどん落ち着かなくなり、陳新にクレームを言いだした。しかし…

 三ヶ月後、学校も夏休みに入った。おばあさんもベッドから降りれなくなり、終日昏睡状態に陥った、日々弱くなっていったおばあさんはご飯をさえ食べにくくなったが、陳新が依然現れていない。

 ある日の午後、夕暮れる前に、昏睡しているおばあさんは急に起きた、陳新が馬に乗ってきたのを聞こえたとリューバに言った。本当にしばらくして、ある人は馬に乗ってきた。リューバとその人と庭で話し合っているのを聞いて、おばあさんは陳新を呼びながら、痛みを我慢しながら座り立った。おばあさんは笑いながら、今までないリラックス感が現れた。しかしその人が部屋に入ったら、おばあさんはぽかんとした、来る人が陳新じゃない。

 「おばあさん、こんにちは」、その人はニコニコしている。「薛明礼と言います、陳新の同僚です。陳新は私におばあさんを見てきてもらったよ。彼は元々帰りたかったんですけど、職場に仕事が多くて、地質の仕事って郊外にあるから、彼も技術の中堅だから。おばあさんの病気もよくなりますように陳新が言った、大した病気だから、また…」

 彼はおばあさんに止められ、言い続けなかった。

 「もういい、もう話さないで、私もすべてがわかった」とおばあさんはつらそうに言いながら、涙を流した。

 おばあさんは悲しくて泣いていた、涙は雨のように落ちて、震えているからだは秋風に吹かれる枯葉のようだ。

 その時、似萍は急に思い出した。目の前にいる人は当時彼女をここに連れてきた3人グループの一人で、一番優しかった人だ。その道を歩いていた時、彼を見るたびに彼はいつも微笑んでくれていた。しかし、彼はとても陳新を怖がっているようだったから、彼女に話をしてあげなかった。彼女にとって彼の態度はなじみがあるが、まるで…のようだ。それを思い出すと、似萍は言い出せない感じを覚えた。

おばあさんの振る舞いは来訪者を驚かせた。彼は気まずくしばらくいたら、持っている袋を思いついたら、笑いながら言った「おばあさん、悲しくないで、陳新は本当に忙しいよ。もうくよくよしないで、元気になりましょう。もしおばあさんは気分よくなければ、僕戻ったらすぐ陳新に伝えたら、陳新は必ずおばあさんを見に来るんですよ。この袋にあるものとこのお金をおばあさんへ渡してくれと陳新に頼まれて…」

 泣き続けているおばあさんは聞こえなかったようだ。リューバは袋をもらい、テーブルに置こうとしたら、「そのものを渡してください」とおばあさんは叫んだ。

 おばあさんの怒りに満ちた顔を見て、リューバは少し躊躇したが、やはり袋を渡しちゃった。誰も思わずに、行動さえ困難なおばあさんは手を出して、リューバが近づかないうちに、その袋を奪ったら、力を入れて投げ出した、少し混乱したら、袋に入っていたガラス缶詰は地面に落ちて割れていた。

 「かあさん…」リューバは叫びだした、おばあさんを責めようとしたら、おばあさんは再びベッドに倒れて、息苦しくなって、顔色さえ変わった。

 リューバは慌てておばあさんを支えて、背中をたたいてあげた。しばらくしたら、おばあさんは大きく泣き出した、泣きながら「陳新よ、あなたなんで私を見に来ないよ。似萍をあなたにつかせたら、どうなるかよ。彼女のお兄さんと同じく、長く生きれないだろう。あなたは自分の感情をコントロールできないから、自分をさえ世話できないんだ。私こうするのはすべてあなたのためだよ。どう言っても、あなたの娘を本当に奪ったら、私に恨みがあっても、私はあなたの…かあさんだよ。あなたの心が冷たい。こんなに感情がない、こうだと知っていたら、あなたを自分の息子だと認めない。神様よ…あなた…あなた…」

 「かあさん」リューバは言った「お客さんがいるから、話をやめましょう」

 「なんで。私はすぐ死ぬのだ、陳新は私を見に来ない、こんなに感情がない彼がいつか天罰されるよ、絶対に」とおばあさんは叫びだした。

 「彼は来たくないわけではないよ、もう言ったじゃないか、仕事が忙しいって」リューバは話した。

 「こんな嘘を誰かが信じるのよ。そんな話は子供さえ信じないのに、あなたを騙せるなんて、あなた本当に大バカだよ」とおばあさんは怒りの極りでリューバに吠えた。

 「彼の悪口をしてるのに、どうして私のことまで」とリューバは怒りながら忍び難い気持ちができた。

 「あなたは今でも…彼のために弁解するなんて、あなたは今でも…彼に嫁ぎたい。あなたはずっと彼を待って、彼のためにすべてを捧げたいのに、彼はあなたのことを全然気にならない、あなたの母さんが死にかける時にも。だから、もうわかるだろう、彼はあなたのことを全然気に入らないの、まったく。でもあなたは夢中になって、未だに。あなたは大バカほかならない。この一生もそんなことを…」

 「母さん、お願い、もう言わないで。」リューバはつらく叫んだ。おばあさんの話は彼女の心に刺さった、彼女はすぐ涙まみれとなった。

 おばあさんは止まり、自分の娘を見て、しばらくしたら彼女の手を持って、悲しく言った「リューバ、わざわざとあなたを怒らせたいわけじゃない。でも私…すぐ死ぬから、あなたと似萍のことにどうしても安心できない。元々陳新を呼んできて、あなた達を彼にお願いしたかったの。でも…私は安心して目を閉じれない。だから、リューバ、母さんの話を聞いてください、大人しく落ち着いた男、あなたと似萍を愛している男に嫁いでください、良い頼りを見つけてください。最後のお願いだから、神様のためにも答えてもらっていい?」

 リューバは頭を下げて、何も言わない。

 「答えてください、リューバ」とおばあさんはお願いした。

 返事がない。

 「答えてくださいよ、リューバ」

 依然の沈黙だ。

 「なんで話さないのよ。リューバ、酷いよ、私に天国に行って、あなたのために涙を流させたいの?」

 「かあさん、おめんなさい。私…」リューバは言った。

 「何を?」おばあさんは聞いた。

 「ごめんなさい、かあさん。私…答えられません」リューバは言った。声が抑えられていて、泣き声も混ざっているが、アクセントがしっかりとして、頑固と断った。

 おばあさんはボウとなった、リューバを見る時の表情はまるで…のようだ。

 しかし、おばあさんはベッドに倒れ、再び涙を流した。

 「陳新、あなたを呪う、呪うよ。」それから、おばあさんはずっとそれを叫んでいる。

 その夜、狂うようになったおばあさんは遅くまでやっと寝込んだ、寝たきりで起きらなかった。



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