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外道の道も本能故  作者: モロモロ
第一章
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16 検証

海岸沿いに町の住人がずらっと並んでいる。

中々に壮観な光景だ。


こうやって並べてみると辺鄙な港町と思っていたが凄い人数が住んでいるものなんだな。

騎兵隊を眷属にした事により、先日新たな騎兵隊が町に来た。

奴らが言うには

「定期報告が無い」

「失踪扱いになりそうだ」

との事だった。


当然の如く騎兵隊で取り囲み飲ませ食わせして寝込んだところを眷属化しておいた。

定期報告とやらをしに首都テンレシアに向かわせる事も考えたが、こうやって巡回や偵察に来る騎兵隊を取り込みながら防衛する策を考えた方が眷属が着実に増えて行くと考えた。


それよりも、まずはサッグの仲間たちの襲撃に備えなければならない。

先日、サッグにいろいろと情報を聞き出した。


「サッグお前達は人間を喰らうのか?それだけの戦力と考えて良いのだな?」


「うん、むしろ主様の様にオイラの事を殺せる人間の方が少ないと思いますよ。オイラ達の牙には猛毒が含まれてますから、普通はオイラ達が噛み付いた時点で獲物がグッタリするはずなんです」


「なるほどなるほど」


どうやら知らぬ間に毒耐性によって命拾いしていたようだ。


「そうすると、頭部へ斬撃を食らわせるっていうのは牙による攻撃を掻い潜らねばならないから難しいのかな?」


「と思いますけど、既に主様の眷属化した人間達にオイラ達の毒が効くかはちょっと分からないかな?」


「なるほど」


「メメリス!こちらへ来い」


俺は念話を町人の列に飛ばしメメリスを呼びこむ。

戦闘力の高い町人は他にも騎兵隊や冒険者、漁師などといるのだが一般的な町人がどのぐらいサッグ達に対抗出来るかを知っておいきたい。

商人であるメメリスは適任だろう。

しばらくすると包丁を片手にメメリスが現れた。


「よし、サッグ一定時間は陸に上がれるな?」


「はい、こんな感じでしょうか?」


ザブザブとサッグが陸に上ってくる。

サメに手足が生えたような容姿だが、良く見れば手足の先には鋭い爪になっているし手足の肌もザラザラと硬い皮膚のように思える。

サッグ自身が言うように俺が勝てたのは偶然だったのか?

とてもナイフ一本で勝てるようには思えないな、、、


「じゃぁ二人共全力で戦ってくれ」


「「かしこまりました」」


「あ、その前にサッグお前達種族の弱点を教えてくれるかな?」


「…ぐ、かしこまりました」


なんだ?流石に弱点を教えるってチョット抵抗あるのか?


「我々サメ人族の弱点はあまりありません、全身が硬い鱗に被われ一般的な刃物や魔法はあまり効きません。ただし、脇の下と股の間、眉間の間はそれぞれ生物的な意味があって柔らかくなっております。極稀にその部分まで硬くなって生まれてくる個体もありますが、会話や繁殖などに著しい障害を発生してしまい群れから追放されたりします。また、魔法は火の属性魔法には非常に弱く硬い皮膚の下が焼け付くように痛み体温が一定以上の温度に達すると死にます。衝撃にも非常に弱いので風の属性魔法でもウィンドカッターのような使い方では損傷は受けませんがソニックボムのような衝撃系の魔法を使われると死にはしませんが意識を一定時間失い行動不能になります」


「詳しくありがとうね」


「ありがたきしあわせ」


ていうか、サメ人族っていう名前なんだそのまんまだね。ダセぇ。


「じゃぁ、メメリスオッケーかな?」


「ちょっと、お時間を下さい。武器を追加したいのですが?」


ん?何かサッグの弱点聞いて思いついたのかな?


「いいよいいよ、そうやって対策する為に呼び寄せたんだから」


メメリスは一旦町に戻っていった。

メメリスを呼び寄せたのは正解だったかな?

戦闘力は無いけれど町一番の繁盛店を経営していたぐらいだし機転もきくのだろう。


しばらくするとメメリスがフライパンやらハンマーやら千枚通しやらを持って帰ってきた。

千枚通しはたこ焼き屋らしいチョイスだけれどなんだか包丁片手にこれらを持ってる姿は調理でも始めるみたいだ。

合わせて水中にて待機していたサッグも陸上に上がってくる。


「主様お待たせしました」


「ふむ、では二人共ぞんぶんに戦え!始め!」


開始早々にサッグの右手がかなりの勢いでメメリスに振り下ろされる。

メメリスは左手に持ったフライパンでそれを防御。

一瞬その衝撃に身体がグラつくが踏ん張って右手に持ったハンマーをサッグに眉間に振り下ろす。


グボッン


エグい音がしたと思ったら右手を振り上げたままの体制でサッグが横なりにズドーンと倒れた。

倒れたサッグに駆け寄り千枚通しを眉間に何度も突き刺すメメリス。



「あーヤメヤメ!おわりー!ストップストップ!」


「はぁはぁ、いかがでしょうか?主様」


「いいんじゃない?」


グッタリと動かなくなったサッグだが眉間のあたりの穴がグジュグジュと蠢いて少しづつ塞がっていきしばらくすると起き上がってきた。


「主様、やっぱりオイラ達は弱点を突かれると弱いだよ」


「みたいだな」


サッグ達への対策は大体分かったので、町人の列に向かって念話を飛ばしサメ人族の弱点、それぞれの役割を伝える。


念話凄い便利だね。


翌日、海岸にはスコップ片手に集まった町人達がひたすらに穴を掘っている姿が見える。


サッグの話しでは数日後の大雨の時にはサメ人族の大群が押し寄せてくるらしい。


こちらはそこに大規模な堀を海岸線に構築、大雨時にはそこが人口の水堀になる予定だ。

二人一組で堀の内側に待機、サメ人族が水堀に一旦入った所を水面に浮いている頭部に向けてハンマーやメイスなど鈍器を振り下ろす、そこで水面に気絶して浮いてきたサメ人族をもう一人が剣などの刃物で刺殺すという方法だ。


方法は単純だが、こういった戦闘を熟したことない町人がほとんどだ、訓練という訳では無いが大雨の日当日まではサッグに奮戦してもらった。

何度もサメ人族との戦闘を想定した模擬戦として水堀に入って気絶して刺されてを繰り返して貰っている。

眷属化した恩恵で何度でも傷が修復されるのは有難いね。



数日後にはサッグの予想通りもの凄い大雨と暴風の中、沖合より海を埋め尽くす程のサメ人族が海岸へ押し寄せてきた。

暴風の為に少し見えにくいのだが、サメ人族の中にちらほらと明らかにサメ人族より大きな個体が散見する。

更に大群の遥か後方には陸地かと思うほどに大きな物体がこちらに向かっているのが見える。


「サッグあれは何だ?」


「主様、オイラ達は雑兵だからね、各部隊の隊長さん達と将軍様だよ」


聞いてないんだが…

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