11 スライム
ちょっとリトライするの辛くなってきたな…
落ち込む気分の中、とぼとぼと山中を歩く。
流石に素っ裸では何処にも行けないので、野盗の洞窟にまず行ってみる。
前回は、洞窟まで騎兵隊の捜索は行われなかったようだが、今回はどうだろうか?
素っ裸の皮膚に細かな虫がまとわりつく中を、黙々と洞窟へ向けて歩く。
木々の隙間から洞窟が見えてきた。
様子を覗うが一見人の気配は感じられない。
慎重に洞窟へ入っていくが、洞窟半ばまで入って行くと洞窟の奥から
「ヌチャニッチャヌチャッ」
と奇妙な音が響いてきた。
ガサゴソと何かが動く音が複数聞こえる。
武器の保管場所を通り、一振りの剣を手に持つとそのまま奥地へ進むことにした。
「ヌチャヌチャッ」
奥地をこっそりと覗くとそこには
村人達が狩りをした肉に無数のスライムが群がっていた。
流石にスライム如きに殺られる事は無い。
何匹いようともスライム如き我が剣技で瞬殺である。
「オラァー!!」
掛け声と共にスライムに勢い良く躍りかかる
「ヌチャッ!」
我が剣を受けて盛大に歪むスライム。
「オラッ!」
「ヌチョゥッ!」
危機を感じたのか、無数のスライムが集合しだして、俺の攻撃をクッションの様に和らげている。
「オラァァア!!」
「グチョォ!」
大きな塊になりつつあるスライムに渾身の一撃を見舞ったが、剣ごと俺の手首までがスライムの内部に突き刺さる。
「ヌチョチョチョチョッチョ」
一気に手首から肩口まで這い上がって来るスライム。
「あ!ちょ!!グボッ!!」
完全にスライムの内部に取り込まれた!
無我夢中に手足を動かすが息も出来ずに力が入らない。
手足に限らず、素っ裸の肉体全体に痛烈な痛みが走る。
「ゴバァァァグゴゴゴッゴ」
ほんのりと朱色に染まりつつあるスライムの透明な肉体。
手の肉が溶け落ち、骨が露出した手が目の前で何かを掴もうとしている。
あああああ
リトライ
<YES>
<NO>
<YES>←
ピコッ
名称 花咲く王
レベル 4
世界侵略率 10/100
能力
噛みつき 1
狩猟 15
剣技 3
耐毒 12
罠設置 4
取得可能能力
解体
特攻
詐欺
耐酒
釣り
水泳
何も出来ないまま終わってしまった…
痛みは消えたが、脳内に先ほどまでの激痛の余韻が残る。
「いたんだな…スライム。強いんだな…スライム」
魔物に会えた嬉しさと、貧弱な人間の肉体への苛立ちを噛み締めながら
俺の中で、あのスライムを眷属にしたいという思いが沸々と湧き上がってきた。
物理攻撃以外で攻撃しても眷属になるのか?
そんな疑問はあるが、剣が通じぬなら、もう少し違う方法で攻略の道はあるはずだ。




