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外道の道も本能故  作者: モロモロ
第一章
75/90

7 ネシア

街道を北西にネシアの町を目指す前に、森を抜けこっそりと騎兵隊との戦場跡に行ってみた。


まだ死体が散乱し騎兵隊の警備も物々しい状態なのが遠目にも確認出来た。

あまり近づくと発見され誰何される危険もあるのでそれらを確認出来た事で良しとする。


どうやら死んでから復帰までのタイムラグは殆ど無いようだ。


戦闘が終わって騎兵隊の規模も変わらないところを見ると追手など出す必要もなく全員殲滅されたようだな。


逆に死霊使いへの警戒も薄まってくれているだろうことを考えると全滅で良かったと考えよう。


眷属はまた増やせば良い。


今度はもっと人間社会を研究しジワジワとじっくりと増やせば良いだろう。


まずは港町ネシアにて情報収集だ。





ネシアは潮の香り溢れる陽気な人々の住む港町だった。

城壁や門番などの心配もしていたが、海に面している町だから海からの人の出入りを制限するのが困難な為、城壁も無意味なのだろう、城壁も門番もなく開放的な町だった。


港まで行くと大小の船が多数停泊し騒がしく人々が海産物や積荷の搬送を行っていた。


「ぼーっと突っ立ってんじゃねぇ!邪魔だっ!」


巨大な積荷を抱えた筋骨隆々な浅黒い男達が闊歩している。


怒声やら肉体的な衝突やらでいつの間にか道の端まで追いやられていた。


あわよくば船に乗り込み、1船1船ごとに眷属化していこうかな?などと考えて、とりあえず港には来てみたが、この肉体では漁師としての仕事は難しそうだ。

基本の骨格や身体能力が低過ぎる。


ステータスを確認してみる。


名称 花咲く王

レベル 2→3

世界侵略率 10/100

能力

噛みつき 1

狩猟 3

剣技 2

耐毒 4

罠設置 3


取得可能能力


解体

詐欺

特攻


おお、どうやらレベルと能力は死んでも継承出来るみたいだな。

貧弱人間を脱する事もレベルアップで可能かもしれないな。



ふむ。

能力の内容も見れる。

なんで耐毒なんて取得したのか分からなかったが、能力の内容の一文に「害虫などによる毒攻撃への耐性アップ等」とあったので、森で虫に刺された時に取得したのかもしれない。


とりあえず、死んでも復帰出来るみたいなので耐毒を取って詐欺を能力に入れた。


名称 花咲く王

レベル 2→3

世界侵略率 10/100

能力

噛みつき 1

狩猟 3

剣技 2

詐欺 1

罠設置 3


取得可能能力


解体

特攻

耐毒


もう一度、耐毒を能力に入れたら


耐毒 1


になっていた…


あまり頻繁に能力入れ替えをするわけにもいかないようだな…



今後の侵略率を上げていくのに、まずはレベルアップが必須なんだろう。


死なずにレベルアップしていくのが一番効率が良いだろうな。


まずはに人間社会を知る為にも町の中心部へ行ってみることにした。




市場や飲み屋の立ち並ぶ賑やかな町の中心部。

俺は1番賑わっている飲み屋に入っていった。



「へいらっしゃい!」


短い茶髪で腕まくりをした快活な女の子が笑顔で俺を迎え入れた。


「こちらへどうぞ」


すすめられるままに椅子へ座る。


「お客さん初めてだね!旅人かい?あ!その鎧と武器、冒険者かい?」


「まぁ、そんなところだ」


「そっかぁ、じゃぁネシアの名産もウチのオススメも分からないよね?」


「ああ、そうだな」


「よし!じゃあ、このアミーちゃんに任せなさいよ!お任せメニューで大丈夫?」


「ああ」



なんか流されるままに、ドンドンと話が進んで行くがこれも社会勉強だろう。



しばらく待つと巨大な魚の丸焼きとドンブリに真っ白な白米が大盛りで出て来た。

合わせて木で出来た四角い大きな器に並々と透明な液体が注がれて出て来た。


「はい!とりあえずネシアに来たら魚だよ!丸焼きが1番素材の味をそのまま感じられるしね!」


「お、おう」


「そんでこっちが名酒「心忘」よ」


「お、おう」


すすめられるままに食事と酒を食べて飲む。

人間の肉体で味わう食事は甘美だった。

特に酒というものが気に入ってゴクゴクと飲んだ。

飲み干すそばからアミーという女の子が追加をすすめてくるので、どんどんと飲み干していった。






血の海になった酒場に血塗れの剣を持って俺は佇んでいた。

俺の足元には膝をつき忠誠を誓う眷属達。


どうしてこうなった??


酒を数杯飲み干すうちに「俺とどっちが強いだろうな?」などと言ってくる輩が数人いて、いつの間にか酒場中を巻き込んで酒の飲み合いが始まった。


最後の記憶で残っているのは「お客さんお勘定よろしく!」ってアミーの笑顔と、混乱する感情だ。


目の前には跪くアミーや店主と客達。

とりあえず、血塗れの店の清掃を命じてこの先の事をボンヤリと考えることにした。

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