23 逃げろ
やべー
絶対絶命だわ…
とりあえず、飛んで逃げよう!
なんとか町の入り口まで戻って、イクイゴを球に戻して、<吸収>とかすれば活路が開くんじゃないのか?
第9層から第6層まで飛べば、ロッテンも簡単には追ってこれないだろう。
そうだ、その線でいこう!
「君さDMだろ?」
いつの間にか背後から声をかけてきたロッテンに俺は反射的に爪を突き出す。
ズシャッ!
突き出そうと前に出した右手が腕の付け根から落ちた。
<グハァツ!イテェ!>
GYAAAAO!
この勇者反則的にツオイ!
とりあえず逃げよう、これは絶対に敵わない!
許せねぇ!とか言ってる場合じゃねぇ!
とりあえず逃げて力蓄えてリベンジっしょ!
翼を動かそうとするが、聞こえるのは、先ほどと同じ地面に水袋が落ちるような連続する音。
ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!ズシャッ!
「なんか、逃げようとしてるみたいだけど無駄だよ」
<ぐほぉぉぉああああ!全身に痛みがぁぁぁ!!!!>
GYAOOOSSS!!!GUHOHOHHOOO!!!
左手、右足、左足、右の翼が切り落とされる。
「あんまり説教臭い事言いたくないけどさ、町の人たちにも営みや家族や大切な物がたくさんあったはずだよ。ダンジョンの拡大が君の本能なんだろうから、僕たちの倫理観なんて通じやしないだろうけど、それなりの報いを受けてもらわなきゃ、こちらとしても気持ちが治まらないからね」
ズブブブ
ブシュルルル
キュチャクチャクチャ
四肢を捥がれ左の翼を必死に動かすが、
その翼や、残った胴体を弄ぶように剣で突き刺し、捏ね繰り回し、小刻みにしていきながら話しかけてくるロッテン。
GAAAAAAAHOOOGUUUHAAAA!!!
「愛情を込めて大切に育ててきた子供が目の前で巨人に踏み潰された親の気持ち、ずっとずっと想い焦がれてやっと結ばれた恋人が魔物に犯され嬲り殺された男の気持ち、肩寄せあって同じ釜の飯を食って笑いあった親友が拘束され毒で死んでいくのを、自らも食われながら涙を流し死んでいった兵士の気持ち、分からんよな?分かるわけないよな?お前は本能のままに生きてるだけだもんな?」
キュキュキュッ
シュパシュシュシュパッ
グチュギュギュギュパッ
ベチュベチュビュビュピュピュポピッ
ヒキュヒキュッビュゥゥゥゥゥ
右耳、鼻、角、左目、胴体、翼、耳の奥と容赦なく刀でねぶりながらクドクドとロッテンのお説教が続く。
<ウオオオアアアアア!絶対に許さんぞ!キサマアアアァァァァ!!!>
GUOOOOHALALA!!!FARUKYULULULUYUYOYOYOYO!!!
「ほぉ、なんだか怒ってるみたいだけどさぁ、ダンジョン拡大が君の本能なら、DMを狩るのが僕の本能みたいなもんだからね、君のように元気なDMみるとさ、嬉しくなっちゃうよね。魔物達も結構活きが良くてこういうダンジョン好きだよ。トリックも少なくてココまで来るの凄い気持ちよく来れたし!案外直情的な性格だね君も、嫌らしさの無い気持ち良い所だったよ」
クチョクチュォォォ
キュポッキュポッジュポォォッッ
ザシュサシュザシュサシュシュザシュサユザシュシュシュッッ
左目、舌、唇、左の翼、鼻の奥、喉、を存分に刀で抜き刺しするロッテン。
「あれ?動かなくなっちゃった?ちょっと、なんかリアクションしろよ?あれ?死んじゃった?もう終わり?」
流石にそんなにザクザクされたら俺もしんじゃうよ……
意識が薄れる…
リトライ
<YES>
<NO>
やるっきゃねー!
<YES>←
ピコッ
<生き方>
<生きる>
<生きる>←
「ピコッ」
<アニマル系>
<人系>
<魔物系>
<妖精系>
<植物系>
<昆虫系>
<ランダム>
<アニマル系>←
「ピコッ」
<ワシ型>
<ワニ型>
<ライオン型>
<ヤギ型>
<カメ型>
<ヤドカリ型>
<サメ型>
<カエル型>
<モグラ型>
<コウモリ型>
<ウサギ型>
・
・
・
<タコ型>←
「ピコッ」
煌めく世界。
清清しい気持ちだ。
色とりどりの宝石箱の中のような世界。
俺は海の中にいた。




