22 勇者
エルドロスの斧、大剣、大剣、刀、槍、刀、槍、斧、大剣、刀、槍と左右からランダムに振り下ろされる攻撃を驚くほどの速さで避けるロッテン。
両手同時に振り下ろされた、斧の風圧で吹く飛ばされたところを、待ち構えていた魔人レントが叩き落とす。
叩き落とされたところに、エルドロスの槍が左右から襲い掛かり突き刺す。
辛うじて避けたロッテンだったが、両脇腹に深手を負い、明らかに速度が鈍る。
「うおおおおおお!!!あああああ!!!」
左手を前に、拡散する光の束を収束し、光のレーザーでエルドロスの右手二本を切り落とす、刀と槍を持った右手がどさりと落ちる。
レーザーで打たれながらも左手で投げはなった大剣がロッテンを捕らえ、ロッテンの踏み出していた右足を切り落とす。
「ぐあああああ!!!」
その隙にすかさず後方から襲い掛かる魔人レント。
振り下ろされる拳を片足の跳躍で避けながら、大量の血を撒き散らす左足に光のレーザーを当てて、焼き焦がし止血するロッテン。
「ふぅぅぅぅぅんん!」
そのまま、左手から光を放ちつつ左手を地面に向け、地面を光で打つ反動で魔人レントの顔面に向けて跳躍、片手剣に今日一番の光を込めて魔人レントの顔面に叩きつける。
「これでとどめだぁ!!!!」
ぐっさりと魔人レントの眉間にロッテンの片手剣が突き刺さる。
<エルドロス!今だっ!>
エルドロスはすべての武器をロッテンのいる魔人レントの顔面の左右ギリギリに投げ放ち、退路を塞いだ上で、残ったすべての腕で握り締めた大剣を、魔人レントの頭上から振り下ろす。
魔神レントの顔面に攻撃を加え、光り輝く片手剣をその顔面に食い込ませたロッテン。
GUOOOOOAAAAA!!!
エルドロスが気合を込める。
FUGYAAAAAOOOOSSSS!!!
魔人レントが咆哮とも悲鳴とも聞こえる声をあげつつ、頭から真っ二つに切り下ろされる。
その顔面に同じく真っ二つになったロッテンを貼り付けながら倒れていく。
「やったぁ!!!やったぞぉぉぉぉぉ!!!うおおお!!!ざまぁあみろぉぉぉぉぉ!!!やっほぉぉぉ!!!!ざまぁねぇや!!!真っ二つになっておっちんだぞぉぉ!!!ぎゃははははっははああ!!!」
GYAOOSSS!!!GHAHAHAHA!!!GUOOOOGE!!!HAAAAGU!!!HOGUHO!!!GUHOGUHO!!!!
第10層に俺の歓喜の狂喜の雄たけびが響き渡る。
甘美。
達成感。
エルドロス、ただ一匹になろうとも、俺のダンジョンは、これからますます大きくなっていく。
ロッテンから流れ込んでくるDPは過去味わった事もない程に膨大で甘露なモノに違いない。
その莫大な力の補充を待つこの胸のトキメキ。
ああ、早く来い来いエクスタスゥゥィー!!!
…
ん?
…
ん?
待てど暮らせど流れ込んでこないDP。
第9層を見れば、確かに真っ二つになっている魔人レント、そしてその顔面のあたりには、同じく真っ二つになっているロッテンの姿が。
なんだ?ロッテンの左手に、盾の内側の手に握られているモノが緑の光を放っている。
羽?緑に光る羽?
緑に光る羽が、その手の中で砕け散り、緑の粒子となってロッテンを包み込む。
そして、緑の光の粒子が収束し、その中心にたたずむ男。
ルーキー勇者 ロッテン
ルーキー?
成長なのか?
っていうか、まてー!
ずるいぞ!
復活とかずるいぞ!
「ふぅ、死ぬかと思った」
額の髪を払うロッテン。
返り血で血まみれだった全身も、風呂上りのようにさっぱりしているようだ。
「さぁて、次の階層が楽しみだぞ!次はどんな階層かなぁ?」
両手に力を込めると、光輝く片手剣が、5mほどの光線の剣へとなり、その剣をスッと振り下ろす。
エルドレスが、数歩ロッテンに歩み寄りながら、中心からずれていく。
ズズズズ
ズシーン
えっと…
魔物 0
DP 0
ロッテンが第10層に降りてきた。
「あれ?君だけかい?」




