21 勇者
みならい勇者 ロッテン
その容姿は、普通の町にいる青年だ。
格好良くもなければ、醜くも無い。
装備も一見、中級の冒険者のような軽鎧に小さな盾、片手剣となんの特徴も無い。
グレーの髪が常に右目にかかり、左目の黒目は物憂げに周囲の様子を伺う。
歩き方は少し猫背で、こそこそと歩くので足音もしない、印象的には灰色のネコといった感じだ。
そのロッテンが今、髪を振り乱し血に塗れ踊っている。
振るう剣先から魔物の血を飛び散らせ、乱舞している。
べっとりと血がついた灰色の髪はすでに真っ赤に濡れている。
小さな盾を持った左手で、戦闘の合間に髪をかき上げ、真っ赤な血の色の髪がオールバックのような髪型になる。
普段は隠れている右目が血の色を宿したように、真っ赤に光り輝く。
満面の笑みで、襲い来る数千の魔物達を光り輝く片手剣で屠っていく。
右から来るゴブリンエースの斬撃を半身でギリギリのところで避けながら、ゴブリンエースを真っ二つに切り下げる、そのまま地面を剣で叩きつけ、後ろから迫ってきていたギガントオーガの拳を前方宙返りで避ける。
浮いた状態で、左手を下に向けると、その左手から数本の光の線が迸る、射線上にいた魔物達がレーザーに貫かれたように穴が開き、そのまま切り裂かれ血を噴出し倒れる。
「さすがに、きりがねぇ多すぎる!」
さすがに、合計1万匹以上になる魔物を相手に単身で戦うというのは、俺から見ても無謀だと思う。
だからこそ、容赦はしない。
<魔人レント!ロッテンは疲れてきています。全力で叩き潰せ!>
UGOOOAAAA!!!
ギガントオーガの一匹を押しのけて魔人レントがロッテンの前に現れる。
<全魔物に告ぐ!巻き添え!同士討ち!結構!仲間ごとロッテンを殲滅せよ!>
全魔物の攻撃がロッテンへ降り注ぐ。
魔人レントも拳を交互にロッテンへ叩き込む、第9層の衝撃で第10層もかなり揺れている。
光、煙、轟音、咆哮、血飛沫、肉、あらゆるものがロッテンと魔人レントを中心に飛び散る。
激闘は長時間に及んだ、1時間を経過する頃、第9層には魔人レントと数匹の魔物だけだった。
「はぁはぁ・・・あと一息か・・・ゴクゴクッ」
回復薬を飲みながら戦うロッテンも流石に疲労を隠し切れない。
ここまで我がダンジョンを突破してきたロッテン。
俺のダンジョンをむちゃくちゃにした報いを!
そして、今の俺には多数発生した同士討ち巻き添え攻撃による間引き効果もあって、多大なDPが蓄えられていた。
半分のポイントを使い、魔人レントを回復。
もう半分のポイントすべてを使って、今召還し得る最高の魔物を!
召喚
<スライム>
<イエローキャタピラー>
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<キングドラゴン>
<エレファントオーガ>
<タイガーラングル>
<ニードルスフィンクス>
<エレメンタルジャッカル>
<豪傑魔獣ターネル>
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<エルドロス>
<エルドロス>←
「ピコッ」
全身から蒸気を発した8本の腕を持った巨大な赤鬼が黄金の鎧を着て第9層に出現した。
8本の腕には左右共に上から、斧、大剣、刀、槍となっている。
GUOOOHAAAAA!!!
「くそっ!ここで新手かよっ!!」
前に完全回復の魔人レント。
後ろにレントよりも更に大きな赤鬼エルドロス。
さぁ、最高のショーを見せておくれ!




