第67話 喧嘩と敗北
野田は今後のギガメカス対策の為にと、なんとかミヤトに頼んで暗闇を休んでレイガの所で修行を見て貰う事になった。ちなみにその修行内容は
「はぁ、はぁ、はぁ…」
「ほらほら、ちゃんと大声で元気よく」
「いや…これって、ただの薪割りだろ?」
それは野田の言う通りただ薪割りをするだけだった。しかもかなり大量の薪を全て割るもので、こんなので修行になるとは思えないと野田は確信した。
「あらなに?こういう日常的な作業も立派なトレーニングになるんだから。日々の努力で強くなるんだから!」
「なに偉そうなことを言って…どうせ他の漫画の台詞だろうに」
野田の思った通りレイガのこの台詞は、あるスポーツ漫画の台詞から拝借したもの。そして色々と嫌になって斧を地面に置いた。
「もう付き合いきれないから帰らせてもらうぜ。ソロリック、行くぞ」
「あっ、ちょっと!」
苛立ちながらもソロリックを連れて家に帰ろうとする野田。
「コラコラ!せっかく人がトレーニングを見て上げてるのに逃げる気?」
「うるさい!アンタみたいなオタク女狐に見て貰うくらいなら自主練の方がいい!!」
引き止めようとするレイガを振り切って、2人は迷いの森から出て行った。
「ねぇ、本当に良いのかな…レイガさんが修行を見てくれてるのに?」
ソロリックはこのまま帰るのは申し訳ないと考えて、野田にまたレイガの屋敷に戻って謝った方がいいと説得しようとする。しかし野田は戻る気など全然なかった。
「なに言ってんだ!あんなのどう見ても暇潰しだろ…大体アイツが真面目に修行見てくれると思うか?」
野田のそんな態度にさすがのソロリックも怒り出した。
「どうして、そんな事を言うの!レイガさんだって本気に野田さんを鍛えようとしてたかもしれないんだよ!?」
「あんな奴なんて、ただ面白ければなんだっていいに決まってんだろ!アイツの性格から想像は付くんだよ!」
そして野田とソロリックは道の真ん中で、そのまま口喧嘩始めてしまった。すると正面から大きな光が放った。
「「うわっ!?」」
2人は突然のフラッシュに驚くと、いつのまにか目の前にメガネにカメラを持った、少し小太りな男が立ってた。
「ゴメンゴメン、ビックリした?でもいい写真が撮れたよ。名付けて喧嘩の2人って」
カメラマンの男は馴れ馴れしくも2人に近づいてきた。
「ちょっと、止めてくださいよ」
「そうだ!なに勝手に撮って」
鬱陶しくなって2人は小太り男を追い払おうとする。だが、それでも相手は一向に離れようとしなかった。
「いやいや、だって痴話喧嘩なんてそうそう見られるものじゃないし」
「「痴話…喧嘩!///」」
そんな言葉に2人はつい顔を真っ赤にし始める。
「てっ、なんだよそれは!?」
「本当にいい加減にしてください!!」
改めて追い払おうとする2人だったが、小太り男は突然小さく笑い出した。
「別に良いじゃないかな?異物共の争う様子を伺っても…」
「異物ってまさか!?」
すると小太り男はカメラをモチーフにしたギガキャープ・カメラメカスになった。
「やっぱり、ギガメカス!?」
「そうだよ。お前ともう1人に倒された同胞の恨みは俺が晴らす!」
「俺と、もう1人って?」
「今ここで死ぬんだから、言っても無駄だ!」
カメラメカスは左肩に付いているエレクトロニックフラッシュを発光させた。
「うわっ!?」
「眩しい!」
いきなりの急激な光に2人は目を瞑ってしまったが、その隙にカメラメカスのパンチが野田の右脇腹にヒット。
「うぐっ!?お前…」
「おらっ!」
「がっ!?」
さらに腹を強く蹴り付けられて野田は倒れこむ。
「野田さん!?」
野田が倒れたことにソロリックはすぐに駆け寄った。しかしカメラメカスはこの状況を待っていたのか、すぐにボディのカメラで倒れた野田と介抱するソロリックの姿を撮影始めた。
「良いね、良いね!ボコボコにされて女に心配される異物。これはなんとも良い!」
そんなやられている相手を写真に撮るというやり方にソロリックは堪忍袋の緒が切れた。
「いい加減にして!傷つけた相手を撮影するなんて…」
しかしカメラメカスは止めずに言い返してきた。
「どうして俺が、お前ら異物人がやられる姿を撮影するのに許可がいるんだよ?」
「でも……!」
「止せ、こんな奴には何言っても無駄だ…」
ふらつきながらも野田は何とか立ち上がった。
「ソロリック。頼む」
「でも、野田さん」
「大丈夫だ、これぐらい。だから早く!」
「う…うん」
ソロリックは心配しながらもペンダントをかざし、2つの心の鎧甲で野田はアーマー形態になった。そして願望から出した銃でカメラメカスに向かってビームを撃った。カメラメカスは避けようとしたが、ボディが重いのか避けられずに何発か当たって倒れてしまう。
「クソ…この体って結構重いからな…だが、俺だってこれ位できるんだよ」
しかし起き上がったカメラメカスは、右手のレンズを野田に向ける。するとそのレンズから大きめのレーザービームが発射した。しかもこのままだとソロリックも危険だったので
「避けろ!」
「え?きゃっ!」
すぐにソロリックを抱きかかえながらカメラメカスのレーザービームをかわした。そして野田はソロリックに怪我はないかと確認する。
「おい、大丈夫か?」
「ええ…無事よ」
無事だと確認したけども、カメラメカスがまた2人の撮影を再開した。
「お前、何度も何回も写真を撮るな!鬱陶しいぞ!」
「俺の趣味を異物人に文句言われたくないがな!」
「そうかよ!」
野田はtragedブレードを展開した。だが、カメラメカスはボディに搭載された現像機能で、野田の写真を作り左脇腹から出した。
「それって、俺の写真?」
「俺はな…こんな事が出来るんだぞ」
カメラメカスが野田の写真をかざすと、そこからなんともう1人の野田が出てきた。
「ええっ!?」
「野田さんが、もう1人?!」
突然の事で理解出来ずに驚く2人だが、偽者の野田はtragedブレードを出して本物に襲い掛かった。
「うわっ!やり難いけど、やるしかない!」
野田と偽者はそれぞれのtragedブレードで交戦し始める。最初は偽者に苦戦を感じていた野田だったが、次第に相手の動きが雑だと分かって来た。
「なんだ。所詮偽者だな!」
そして野田のtragedブレードが偽者を貫く。すると偽者は消えると写真も破れて消滅した。
「へ~~~やるなぁ?でも、他にもこんな事だってできるんだ!」
その時、カメラメカスはソロリックだけを撮影し始めた。
「ちょっと、なにを?!」
「ふふふふふふ。すぐに分かる」
また左脇腹から写真が出てきたが、それはなぜかソロリックの姿がない写真だった。
「あれ、私の姿が?」
「なんだ?失敗かって、ソロリック?!」
「え?うぇえええええ!私の体が!?」
気づいた時には遅く、なんとソロリックの体が半分粒子になっていた。
「どうだ。俺は撮った相手をそのまま写真に吸い込ませることが出来るのだ!」
「なっ、なんだと!?」
「嘘っ!そんな…いやぁぁぁぁ!?」
そのままソロリックは恐怖で泣き叫びながらも、写真の中に吸い込まれて閉じ込められてしまった。それと同時に、野田のアーマー形態が解除された。
「どうやらさっきの姿は、この女がいなきゃダメだようだな?」
「お、お前!!」
怒りのあまりカメラメカスに殴りかかる野田。
「この異物め!」
「うわっ!!」
だが、カメラメカスのキックに吹っ飛ばされてしまった。
「あははははは!さっきの姿にならなきゃ戦えないようだな。という訳で、あばよ」
カメラメカスは再びフラッシュを発光させて、その隙に逃げ出した。そして1人残った野田は、最後のキックが効いたのか体が仰向けのまま動けずにいたが、まさかの敗北とさらにソロリックをさらわれたてしまった。
「クソ……!」
野田は今自分が本当に弱いことを自覚して、深く嘆き苦しんでしまった。
ソロリックが再び誘拐されて、野田の敗北となってしまった。次回、野田がどんな行動するのか?




