第63話 金属キノコ事件
モンスターゾーンで野田がギガメカスという機械怪人を倒した頃、人間国では元暗闇リーダーのナダレはバイクに乗って走っていた。
「全く、どうして昨日寝坊しただけで文句言われるんだ?暁と琥珀も欠席したんだろうが!」
どうやら一昨日の集まりに来なかったので、キャッスラーにて戦導寺と政治などを任せている元老達に叱られたらしい。ちなみに北金と琥珀の2人は、ナダレを向かいに行っただけなので怒られなかった。
するとその後ろで、両足から車輪を出した北金とスーツケースをスケボーのように乗る琥珀の2人が、ナダレの後を着いて来ていた。
「いつまでも文句を言うなよ」
「そうだよ。自分が欠席したくせに」
「たく、テメェらは…」
2人に言われてますます苛立ちを見せるナダレ。
「でも、一応俺達の中では最強の勇者とされてるけど…調子乗ってるんだろう?」
「たしかに…同じ妖怪の魔玄さんは、変な研究ばっかりで、色々と危険だけどちゃんと集会には来てるしね」
「あーーー!うるせぇぇぇな!!」
ナダレはそのまま2人から逃げるようにとバイクを走らせて去った。
「逃げたね」
「ああ、逃げたな」
2人はただ逃げるナダレを見つめるだけだった。
そしてナダレはしばらくするとラーメン屋で昼食に入った。
「あ~~~あ、最近ツイてないな」
タバコを吸って置いてある漫画を読みながらラーメンを啜るナダレ。しかしかなり不機嫌な様子。
「大体、俺は不老不死になりたくてサイボーグになったんだよ。そんな勇者になりたい訳じゃないし…おまけにまさか妖怪一の天才と呼ばれた魔玄も勇者だったなんて」
ナダレはそんな事を呟きながらも、ラーメンを食べ終わって店を出た。
「さてと、今日はどの子の店に行こうかな♪」
「きゃあああああ!!!」
「ん?なんだ?」
バイクに乗った瞬間、突然何処からか叫び声が聞こえた。気になったのかナダレは、叫び声のした方に向かってみた。そこにはすでに人が集まっていた。
「おい、どうしたんだ?」
野次馬にどんな騒ぎか尋ねながらも見てみると、人間の男女4名が金属のキノコみたいなものを全身に生やして死んでいた。
「なっ、なんだこれぁ!?」
「驚いだろ?突然身体からこんなのが生えて死んだんだ!」
ほかの通行人はこのような現状に動揺したり、または思わず吐いてしまうのも少なくなかった。
「警察です。離れてください!」
すると警官ロボットを引き連れて、勇者で刑事のレッバスがやってきた。ただし右腕のライフル義手は普通の腕型だった。
「よう!お勤めご苦労さん」
「たく…のん気だな。一昨日の集会欠席して」
「お前もそれ言うのかよ?」
「とにかく、ここは警察の私に任せてくださいよ」
「へいへい」
レバックに追い出されたので、ナダレは仕方なく現場から離れた。そしてさっきの現場から大分離れ先にあった自販機で、コーヒーを飲んでいた。
「あんなに冷たくしなくても、同じ勇者同士なのに…」
どうやら先程のレバックの態度が気に入らなかった様子。だが、ナダレはポケットに手を入れると、そこからさっき死体から生えてた金属キノコを取り出した。
じつは追い出された時に、こっそり1つ手に入れたのだった。
「しかし…このキノコ。金属だけど食えるのかな?」
そう良いながらも金属キノコを舐めてみる。
「うえっ!金属くせぇ!!ぺっぺっ!!」
舐めたら舐めたですぐに吐き出した。しかしそれでも一応ポケットに戻す。
それから気を取り直してバイクに乗る。
「さ~~~て、今日はどこのキャバクラ行こうかな?」
そんな事を考えながら人気の少ない通り道を走り進む。
しかし瞬間、突然道に誰かが飛び出す。
「あ、あぶねぇ!?」
「はっ!」
ナダレが驚いて叫んだがそのままバイクで、飛び出した人を強く跳ねてしまった。
「やべぇ!おい、大丈夫か!!」
すぐにバイクを止めて駆け寄ってみる。
「いえ…これぐらいなら屁でもないので」
しかし跳ねられた上。地面に叩きつけられた小柄でジャージ姿の男は、まるで何事もなかったかのように立ち上がる。
「ええ、でもさすがに病院に…」
「いや本当に大丈夫ですから!!」
「コイツが大丈夫って言ってんだから平気だろ?」
すると黒いジャンパーを着た少しヤクザ風の男が近づいた。
「なんだアンタ?コイツの知り合い?」
「俺の舎弟だよ。そもそもコイツがドジやったから」
「ええ、そうなんスよ…俺昔からそそっかしくて」
「という訳で、じゃあなあんちゃん」
2人はまるで逃げるかのように、そのまま去っていった。
「まっ、相手が無事で許してくれるなら俺はもう関係ないし」
ナダレは再びバイクに乗ろうとしたが、銀色の胞子のような粉が落ちているのに気付く。
「ん?これって…まさかこれの?」
するとポケットからあの金属キノコを取り出して、銀色の胞子と見比べる。さらに胞子の粉が、さっきの2人組に後を続いていた。
「……これはちょっと、確かめてみるかな?」
さっそく愛車のバイクを置いて、2人が進んだ道を辿って行く。
進んで行く内に元ロボットのスクラップ場跡に辿りついた。
「ベタに隠れ家っぽいな」
そんな事を言いつつ音を立てないように窓に近づいて覗いて見る。
「バカっ!たった4人の旧人を駆除しただけではしゃぎやがって…おかげであんな半機械の異物人に引かれやがって!!」
「す、すまねぇ…」
どうやらジャンパーの男がジャージの男を叱っている様子。しかし駆除とか旧人や異物人という内容に違和感を持つ。
「……良くわかんないけど、アイツらが犯人ぽいな。とりあえず嫌だけどレバックに電話を」
さっそくサイボーグ特有の通信機能を持つ機械耳で連絡しようとする。
しかし、後ろに気配を感じ振り向く。
「なっ!?」
それはギガメカスの戦闘員ギガソルジャー軍団。そのギガソルジャーの1体が、武器の剣でナダレに攻撃し始める。
「うわっ!」
とっさに避けるがつい姿を2人に見られてしまう。
「貴様は!」
「あ…しまった」
「まさか、付けられていたとは…」
「ちょっと怪しかったし、これと関係ありそうだったからな」
ナダレはポケットから金属キノコと銀色胞子の入った袋を2人に見せる。
「あっ!それって…」
「ヤベェ…きっとあの時こぼれたんだ…」
「あああ!!クソ…こうなったらアイツを抹殺だ!!」
「OK!!」
自棄になりながらも2人は本来の姿、ギガメカスに変身する。
ジャンパー男はキノコをモチーフにしたキノコメカスに、ジャージ男はスプレー缶をモチーフにしたスプレーメカスになった。
「ロボットっ!?」
「ロボットじゃない!人間の進化系、ギガメカスだ!!」
キノコメカスが殴りかかろうとしたが、すぐに受け止めるとナダレは一度距離を離れた。
「だったら、チェンジ・オン!!」
ナダレはロングコートを脱ぎ捨てると、左腕のリモコン装置のボタンを押して、メタリックボディの戦闘形態となる。
「なんだかよく分からないが…倒してやるさ!」
そのまま左肩からガンモードのキリジェードを取り出して、ナダレは戦闘態勢に入った。
ナダレが主人公にしてみました。
一体どんな戦いになるのか待っていてくださいね。




