第62話 人間国の危機
機械怪人ギガメカスを倒す事が出来た野田だった。
しかしいくら心の鎧甲に装着者と認められたが、さすがに疲労して倒れた。
「野田さん……!」
ソロリックとホルは倒れた野田に近づと、そのままアーマーを解除して、願望と悲劇をペンダントに戻した。
「あの、怪我とかは?」
「大丈夫大丈夫。疲れただけ」
「なら良かった」
少し笑いながら起き上がる野田を見て、安心するソロリック。それからホルは改めて野田が倒したギガメカスを確認する。
ホルは恐る恐るその破壊されたパーツの一部を触れてみる。そして動かない事を改めて確認して持ち上げてみた。
「コイツら…進化した人間とか言ってたけど」
「たしかに、一体どういう意味なんだか?」
「でも、これってやっぱり機械だよね?」
ホルがギガソルジャーの腕のパーツを野田に渡した。
触ってみればロボットとあまり変わりなかった。だが、パーツや残骸から未だに流れ出る血のように真っ赤な液体は、野田にとってはかなり不気味に思っていた。
「なんだか、この血みたいなオイルはなんか変に感じるなぁ?」
野田は少し赤い液体に触れてみると、ほんの少し生暖かさを感じてしまう。その為かもっと気持ち悪く思った。
「あの、その前に倉山さん達を!」
「それもそうだけど…あれ?」
その時、野田は気付いた。
ソロリックとホルが運んで寝かせた倉山達3人の内、なぜかダイゴはいなくなっていた。
「おい、ダイゴは?」
「おかしいな…たしかに一緒に並べた筈?!」
2人はいなくなったダイゴを探そうとした。だけど、ホルが信じられないような顔で2人に声をかける。
「ねぇ、2人共…」
「「なにっ!?」」
「あ、あれっ!!」
そして彼らが見たものは、かなり衝撃的なもの。
なんとダイゴはギガメカスの残骸から出ている赤い液体を、まるで美味しそうに飲んでいた。
「ゴキュン、ゴキュン、最高~~~」
「ダイゴ!お前なにやってるの!?」
「オイルなんか飲んじゃって!」
慌てた2人はすぐにダイゴを止めようとした。するとダイゴは口元を液体で真っ赤にしながらも、嬉しそうな笑顔で2人に言った。
「これ…極上の味だよ!!」
「極…上…な…?」
「あ…味?」
「そうだよ!!」
普段クールなダイゴとはかけ離れているほどに、まるで子供のようはしゃぎようで2人は思わず引いた。
「でも…それオイルじゃあ?」
「いやいや、これは血だ!しかも言葉じゃ説明できないくらい最高の!!」
「てか、お前なんかあぶねぇぞ…」
野田に心配されるほど、異常なまでに興奮しているダイゴ。
するとソロリックはこのままではマズイと感じ。
「ダイゴさん」
「はい?」
「ゴメン!」
「うぶっ!!」
ソロリックは願望から出したハンマーでダイゴの頭を思いっきり殴って気絶させた。
「お前…それって…」
「ゴメン。でも、止めるにはこうしなくちゃ」
「たしかに、そうだけども」
「とりあえず…ミヤトさん達に報告しなくちゃね」
ホルはさっそくミヤト達A班に連絡する。
そして一時間ぐらいすると、ミヤト達が合流してきた。
「お前達、大丈夫だったか!?」
「ああ、俺はちょっと疲れたけど無事だよ。でも、コイツらは」
野田は横になっている倉山とレーグラスと、さっきソロリックが殴りつけたダイゴを見せる。
「そうか…だが、その前に」
するとミヤトは破壊されてバラバラになったギガメカスに目を向ける。
「それで、これはロボットか?」
「それは分かりません。自分達はギガメカスと名乗っていて、人間の進化系だと言い張ってました」
「なるほど…とりあえず、全て持って帰って調べよう」
すぐさまタケラキと及川はギガメカスの残骸を回収し始める。
「たく、面白そうな事やってたみたいだな?俺を待っていても良かったのに…」
しかしギンドスは、不満そうにサイメカスの頭部を持ち上げる。元々殺人鬼で戦闘狂のギンドスなので、未知の敵相手に戦ってみたかったが野田のおかげで戦えずに残念がってた。
「おい、まずは彼らが無事だった事を確認するもんだ!」
「へいへい、すみませんね~~戦う事しか頭になくて」
「全く…ところで、なぜアナタがここに!?」
「え!いや…」
今度はソロリックに向けて睨んできた。
「たしかに野田達の知り合いみたいだが、本来アナタは我々とは無関係の一般人!それを忘れていないのか?」
「いえ、え……と…」
なんて言い訳すれば良いのか分からず混乱するソロリック。
「待ってくれよ!」
だが、ここで野田とホルが入ってきた。
「たしかに彼女が勝手に付いて来たのは悪いけど、でも俺がちゃんと止めなかったのも事実だし…」
「それに、補佐官の僕も彼女が付いて来たことに気付かなかったから」
野田とホルはなんとか誤魔化そうとして謝った。
しかしミヤトもバカではなく。そんなの嘘だと気付くのだが、もしもソロリックがいなければ野田達はやられていたかもしれないと思った。
「は~~~今回だけだぞ。ただし!次からは私の許可を得てからだ!」
「はい、分かりましたよ」
そして残骸を全て拾い終えて、野田とミヤト達はこの場から立ち去った。それからしばらく経ってからアジトで拘束された怪人盗賊達は、駆け付けたアンデグードによって連行された。
その頃、ギガメカスの拠点である機械の星。通称・メタックムーン。
そして全てが機械の大地に大きく聳え立つ神殿内部のとある部屋。ここで機帝12王と呼ばれる幹部の内4人が、先程の野田とサイメカス&ドリルメカスの戦闘映像を見ていた。
「そんな…俺の配下が!」
スキンヘッドの男は自分の部下が倒された事に信じられずにいた。
「まっ、力バカなタケミカの配下なんてこんなものだな」
「なんだと…クラミツ!!」
嫌味を言う金髪メガネの青年クラミツ・カタゲに、スキンヘッドの男タケミカ・バンバは怒りを見せる。
この2人はミヤトとギンドス同様に犬猿の仲で、良く喧嘩しあったり口論になるのは日常茶飯事。その為、他の12王は2人の喧嘩を呆れたりしていた。
「まぁまぁ、2人共落ち着きなよ?」
「ツクヨの言うとおりだ。まずは…」
すると今度は心の鎧甲の装着している野田の姿が映された。
「コイツと…このアーマーだな?」
「そうそう!でもなんか、カッコイイよね!!」
小柄なショタ系の少年、ツクヨ・サンタルマは心の鎧甲を見てはしゃぎ出す。
「おいツクヨ、なに敵を見て興奮してるんだよ!!クソっ…今度はもっと強いのを…」
「ふんっ、貴様の配下では無理だな。今度は私の配下に、我が作戦を与えて」
「偉そうな事を言ってるみたいだが、お前の作戦が成功する保障があるのか!?」
また2人が喧嘩し始めるので、ツクヨは飽きたかのように欠伸をする。
「あ~~悪いけど」
「「なんだ、ククノ!!」」
すると肥満体の男ククノ・ゼンバンは、2人の会話に割り込んできた。
「じつは俺様の配下もたった今、地球に向かわせたんだ」
「なに?」
「心配するなよ。ちゃんと機神様達には許可を得たから♪」
さらにククノは一度戦闘映像を消すと、今度は地球の図を展開する。
そして画面を操作してとある国を出した。
「んで送った先は、ここだ!」
「なっ!?」
「ねぇ…そこって」
「ああ、旧人の国だよ。俺達がもっとも滅ぼすべき奴らのね」
ククノが出した国とは、勇者ナダレと人間達の住む人間国だった。
「なるほど、まずは旧人共に恐怖を与えるって事だな?」
クラミツはククノの考えに納得する。
だが、タケミカは納得いかない様子なのでツクヨは声をかけてみた。
「どうしたの?そんな顔をして?」
「当たり前だろ!勝手に旧人共の」
「悪いけど、早い者勝ちさ♪」
こうしてナダレの知らない間に、宇宙からの敵。ギガメカスの魔の手が迫ろうとしていた。
ギガメカスを倒した野田だったけど、今度のターゲットは人間国。次回からはナダレを中心の予定です。




