第56話 ホルの出世
野田達もモンスターゾーンに帰ってからは、しばしの休息が着いた。
「なんか…やる事ないから暇だよな…」
ソロリックはバイトで、秋も学校で優や母親のも仕事で居なかった。
「しょうがない。レイガの所に行ってみよう」
暇で仕方なくレイガの屋敷に行ってみた。
屋敷に到着して中に入って、ディグットにレイガは今何処なのか聞くと、ある部屋に案内された。
「ここに?」
「はい」
さっそく入ってみると、シンナーの臭いが漂いながらも、レイガが1人で黙々とプラモを作っていた。
「あら?いらっしゃい」
「レイガ…なにしてるの?」
「もちろん、溜めていたプラモを作っているの♪」
自慢しながらも完成させたロボットのプラモを見せる。
「だけど良いのか?ソロリックを残してお前はバイト行かなくて…」
「いいのいいの♪今日バイト全て休みだし、ソロリックだってこの間休んだからね♪」
そんな時、突然勢いよく扉が開いた。
「野田くん、レイガさん!」
「ホル?!」
なにやらテンション高めのホルが部屋に入ってきた。
「どうしたんだ?なんか、滅茶苦茶テンション高そうだけど…」
「今日の僕は、今までの僕じゃない!」
「「え?」」
「2人共…これが目に入らぬか!」
ホルが懐から取り出したのは、なにかの書類のような紙だった。
「これは、なに?」
「なにって、これは妖魔将軍から手渡されたものなんだ!」
「え?まさか…お前念願の……」
「ついに僕……正式に妖魔将軍の直属の秘書と、暗闇のリーダー補佐官になりました!!」
「ええええええっ!!?」
野田が驚いたのはホルが正式秘書になった事より、その後半の台詞にであった。
「待て待て!正式秘書になったのは分かるけど、なんでリーダー補佐官にもなったんだよ!」
「じつは、この間の戦いとミヤトさんからの推薦もあってね」
「でも良いのか?仮にも秘書になったんだろ?」
「まぁ、麻井さんにはすでに秘書とボディーガードがいるから…はっきり言って殆んどバイト秘書とは変わらないけど…それでも正式になったし、君達と一緒に居られるからね!」
今までで生き生きしたホルには、さすがの2人も引いてしまっていた。
「じゃあ暗闇補佐官として聞くけど、ミヤトは今どうしてるの?」
「彼女だったら今六方連の会議中だと思うけど?」
「さてと!とりあえず、せっかくだしゲームでもやる?最新の対戦物でさぁ♪」
プラモを完成させたレイガは、野田とホルを連れてゲーム部屋に連れて行った。
その頃、麻井のいるデーモングレリス。
「しかし良いのですか、麻井将軍?」
黒いロングヘアーの男が麻井に尋ねる。
「デラング…君はホルが暗闇補佐官にするのは反対か?」
「そうではないのですが、やはり彼のような…」
「別になんでも良いじゃん…めんどくさいなぁ」
するとデラングという男は、いきなり人が変わったかのように怠け者のような性格になり始めた。
「おい“2号”!出るなら出ると先に言えってあれ程!」
「だって…伝えるのめんどくさいし…」
「全くお前は!!」
「喧嘩か?喧嘩なら俺に代われよ!!」
「“3号”お前は黙ってろ!!」
さらに凶暴そうな性格まで出て着てしまう。
じつはこのデラングは、三つの頭部と人格がある犬の妖怪ケルベロスで、人間態の時には三重人格のようになっている。
普段は真面目で責任感の強い“1号”を中心に、無気力でめんどくさがり屋の“2号”と、好戦的で喧嘩好きな“3号”となっている。
そして麻井のボディーガードを勤めていた。
「あの、早く話を進めましょうよ?」
「はい!すみません」
カタヤに言われてなんとかデラング1号が出て謝罪する。
「でも、どうしていきなりこんな事を思いついたのですか?」
「お前らには分からないかもしれないけど…俺の勘って奴かな?」
「「はぁ……?」」
[本当は、野田っていう心の鎧甲の装着者を見張らせる為だが、コイツらには黙っておくか…]
適当に受け流したがその本心はこんなものであった。
「さて、これにて獣王パークでの事件の話を終わります」
六方連の会議ではミヤトが3日前の獣王パークで起きた出来ことを話した。
「なるほど、獣人側も鳥人側も同じ事を考えて…」
「しかも魔人側も、さらに人間国からの勇者も協力したって事ですね?」
「ええ、まぁ」
さすがにミヤトは心の鎧甲の事を伏せていた。
「だけど、かつての暗闇リーダー崩丸がサイボーグ化して勇者に…」
「全く…普段からふざけている奴だと思っていたが、ここまでとは!」
怒りを見せるサーガットだったが、じつはナダレがまだモンスターゾーンに居た頃、メアリスを口説こうとした事があったらしく。妹の恋人と認めていた黒燕丸と一緒に怒らせてしまっていた。
だが、ナダレは怒りのまま襲い掛かってくる2人を素早く逃げ去って、彼が暗闇のリーダーだったと知ったのはこの後だった。
「それから、三ヶ月前の誘拐事件ですが…ロボットの腕に刻まれたマークは、ドラゴン真国13組の騎士団に関係ありそうでしたが、どの騎士団もこのマークは見当たりません」
どうやらかつてソロリックを誘拐しようとしたスパイロボットは、ドラゴン真国と関係ない事が判明した。
「カモフラージュの可能性はあるな?ワザと龍のマークにして、犯人をドラゴン真国にいると錯覚する為に?」
「それとも騎士団を名乗る偽者の仕業か?」
「そもそも、なぜわざわざハグレなんかを誘拐する必要が!?」
「とにかく!これもしばらく調査が必要になるな!」
結局スパイロボットはもうしばらく先送りになった。
「そしてみんなも知っていると思うけど、南の山に…」
「もちろん知ってますよ。全員怪人の盗賊団が」
怪人とは、とある方法で妖怪の力を得た人間の事で、人間でも妖怪でもハグレでもない存在である。
「そいつらはかなり残忍な手を使ってくる怪人共だな」
「しかも平気で人を殺しまくる連中のようだ!」
「悪いが、この件を」
「はい!アンデグードと暗闇リーダーとして、なんとかしてみせます!」
「もし大変だったら、いつでも我らを呼んでも構わないぞ」
暗闇の新しい任務を受けたミヤトであったか、ふとこんな事を考えていた。
[相手が殺人鬼達なら…妖怪最強の殺人鬼のアイツを使えしかない]
ホルが正式秘書と暗闇リーダー補佐官にと出世しました。
そしてミヤトが言う妖怪最強殺人鬼の正体が次回判明します。




