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心の鎧甲  作者: 鴉山大樹
第04章 獣と鳥と新たな出会い
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第46話 サイボーグ勇者

けわしい山と崖が大きく目立つ国、鳥人の住むバード連邦。ここに5人の種族がバラバラの男女が居た。


「なんか、本当に山だらけの国だね」

「でも、鳥人にとってはちょうど良い場所ですよ」


野田とソロリックとホルとアンリュウとミオーズは、アザゼルの時空魔法の転送でバード連邦に着いた。

ソロリックはこの景色を見渡したりする。

そしてここでも、壊れた戦闘用ロボットの残骸が、辺りに散らばっていて、切り倒され木も多数存在していた。


「ここが、バード連邦か…ミオーズにとっては、久しぶりってところか?」

「ええ、昔は良く遊びに行ってけれど…」


ミオーズの瞳からは、寂しさを感じていた。


「お前…ここに親友をいるって言ってたけど…」

「親友というよりは……てか、今はそんな話は後にしないと!」

「そうか…ミオーズがそう言うなら」


笑って誤魔化すので、野田はもっと心配する。


「それじゃあ、まずはコイツに調査させてもらうか!」


アンリュウが指笛を吹くと、空から一羽のカラスが飛んで来た。


「なんだそれは?」

「アタシの使い魔のジャック。こうみえても、創造魔法だけじゃなくて、使い魔法だって使えるのよ♪」


アンリュウが自慢するかのように、使い魔のジャックについて説明する。


「へ~~~なんか可愛い♪」

「かぁ~~~♪」


ソロリックに撫でられて、ジャックはつい照れてしまう。


「ほら、ジャック!浮気しないでさっさと行って来なさい!」

「かーーー!!」


ジャックはそのまま大空を飛び立った。

するとミオーズはなにかの匂いを感じたのか、辺りを嗅ぎ始めた。


「どうしたの?」

「いや、ちょっと覚えのあるって言うか、知り合いの匂いが…」

「あれ?ミオーズ!?」


突然、空から飛んできたのはコンドル型の鳥人青年だった。


「ギバドン!」

「ミオーズ、なんで君はこんな所に?もし他の鳥人見られたら大変だよ!てか、こちらは?」


ギバドンというコンドルの鳥人は、ミオーズに驚きながらも、当然野田達に疑問を持つ。


「彼らは、獣王パークのお客様で…ここに来たのは」

「ところで、アンタ誰?」

「ちょっと!いきなり指差してアンタで呼ぶのって、失礼でしょ!」


ミオーズが彼らの説明をするけど、アンリュウが彼に指を刺しながら尋ねる。

そしてミオーズは顔を真っ赤にして、取り乱しながら怒った。


「別にいいよ。僕はギバドン。一応、鳥統領の息子なんだ」

「「「「…はぁ?」」」」


ギバドンは自分の自己紹介をしたが、ある単語にミオーズ以外の4人は、ついそんな声を吐いてしまう。


「あの、もう一度!」

「いやだから僕は、鳥人の長の息子なの!」


そして彼らはまたしばらく時が止まって。


「「「うそっ!!?」」」


ソロリックとホルとアンリュウが信じられないように、そんな風に叫んでしまった。


「なんで…長の息子さんが、こんな昼間っから!?」

「いや、王女のミオーズが外に出てたんだから、納得するよな?」

「ねぇミオーズ、もしかして君の新しい知り合いみたいだけど、なんでこんなに失礼なの?」

「……聞かないでよ」


戸惑うギバドンにさすがのミオーズも、言葉を積らせてしまう。












野田達がバード連邦にいる頃。ミヤト達はアザゼルの魔法で、レジスタンスのアジトである。半壊した屋敷の近くに到着した。


「あれだな。奴らのアジトは?」

「なんとも、アジトらしいアジトだな?」


レーグラスは何度も確認をし続けてた。


「しかし、あののっぺらぼう…大丈夫かな?」

「心配するなよ。アイツの変化の時間は結構長いから」

「でも、たしかホムンクルスの活動時間は長くて一時間だから……」


スミレが倉山が今どうしているか心配しているけども、なぜかミヤトはハークスオンの胸を見つめる。


「さっきから、なぜ私の胸を?」

「いや、お前…まさか魔法でその胸を?」

「えっ!?いや、これは元からで!」

「なんだその言い訳は!私か牛鬼だというのに、貧乳である事に対して嫌味か!?」

「きゃあ!ちょっと…胸は!私…感じやすいの!!」


ミヤトは嫉妬と憎しみのあまり、ハークスオンの爆乳を激しく揉み始める。

ちなみに牛鬼の女は、全員が巨乳や爆乳と豊満であるけども、たまに普乳や貧乳が現れるので、ミヤトはまさにそれに当てはまる。

当然のようにミヤトは巨乳や爆乳を憎み、ソロリックも裏では嫉妬していた。

そして男性組は色っぽい声で感じているハークスオンを、見とれたり写真を撮ろうとしていた。


「コラ!」

「あんた達!」

「なにやってんねん!」

「「「「「うがっっ!!?」」」」」


でも、レーグラスとオータスと木代が、男性組5人をぶん殴る。

スミレもなんとかミヤトを落着かせようとする。


「あの~~~ミヤトさん、今はそんな事してる場合じゃあ?」

「ん?それぐらい分かってるから!!」

「ふへ~~~乳揉みなんてアンリュウだけで十分なのに…」


ハークスオンも漸く開放されて、着崩した服を着直した。


「とりあえず、屋敷の調査だな」


さっそくベルゼブブが使い魔の蟲を2 3匹を偵察に向かわせた。


[野田さん達、今どうしているかな?]












それからバード連邦では、野田達は鳥頭領の息子のギバドンに、ここに来た理由を話そうとした。


「それで、なんで君がここに?」

「じつは、伝えたい事があって!」

「止まれ!」

「「「っっ!?」」」


だが、彼らの前に現れたのは、トムと全身重装備のサイボーグの男であった。


「お前達、ギバドン様に何をしている!」


マシンガンを構えて野田達に問おう。


「ギバドン、誰なの?」

「彼らは、人間国からやって来た使者で…」

「そう、私はヴァルベン・ボーラ。人間国の戦闘1師団の隊長にして、勇者だ!」

「「「「勇者!!?」」」」


野田達は驚愕した。

勇者は人間国政府で選ばれた、最強サイボーグの称号。

この重装備サイボーグのヴァルベン・ボーラこそが、勇者であった。


「まさか、アナタも勇者?」

「いえ、私は人間国戦闘2師団の隊長、トム・グロイゼル!残念ながら勇者ではありません」


ホルに尋ねられたので自己紹介をしたが、野田とアンリュウはなぜか包帯をしてある、トムの右腕に疑問を持つ。


[なんだ…アイツからは]

[というより、あの包帯を巻いた右腕?]

「貴様らは一体何者だ?」

「えっ!?」


さらに後ろに気配を感じたので振り向くと、野田の影から女サイボーグが現れた。


「サイボーグ!まさか、アンタも!?」

「いかにも、私も勇者の桜刃(さくらば)キッカ。くの一サイボーグだ」


くの一サイボーグの桜刃キッカも、とりあえず野田達に自己紹介した。


[おいおい、人間国で最強のサイボーグが、なんで2人も!]


野田は一度に2人のサイボーグと出会ってしまうという事に、信じられずにいた。


「とにかく貴様達、鳥統領の息子であるガドバン様を…ん?その獣人は?」


するとヴァルベンはミオーズに気づく。


「まさか、アナタ様は?」

「はい、獣王パークの第一王女、ミオーズです!」


ミオーズはこの場を乗り切る為に、堂々とした態度を取り始める。


「なぜ…王女が?」

「どうも、怪しいですね?」


さらにトムも銃を構えて疑い始める。


「待って下さい!私達はただ、ある事を調査しに来ただけでして!」

「ではなぜ、獣王パークの第一王女様がなぜここに?」

「……今から話す事を、信じてください!」


ホルが代表としてギバドンと人間国からの使者である3人に、獣王パークで獣人達がクーデターを起こして、もう一度鳥人に対して戦争を起こそうとしている事を説明する。


「そんな事が!?」

「しかし…すぐには信用できんな?」

「でもっ!」

「第一、妖怪や魔人と同行とは怪し過ぎる!」


説明するけども、ヴァルベンと桜刃はあんまり信用してなかった。


「待って下さい」

「なんだトム。まさか彼らを信じるつもりか?」

「そうではなくて、彼らから何か感じる上、アナタのその左足のアーマーは?」


トムはアンリュウの怠惰を見つめる。そして野田は冷や汗をかきながらも、トムに思い切って尋ねる。


「…まさかとは思うが、アンタのその右腕は?」

「なるほど、アナタ方はすでに気づいていましたか?」


するとトムは右腕の包帯を全部取って、心の鎧甲・“悲劇”を全員に見せた。


「心の鎧甲!?」

「すでに1つを所持している人間国が、密かに回収したと噂が立ってたけど、まさか装着者はここに?」

「そして、アナタも装着者ですよね?」

「……だったら何を?」

「ならば、アナタの心の鎧甲を回収するまで」


トムは野田に目を向け始めて、かなり本気な目で宣言する。


「それじゃあ、あたしのも回収するつもり?」


アンリュウが3人の反応を示す為に、怠惰を見せびらかす。


「いや、それは元々魔人達が管理している物。奪う事は出来ないが、所持をまだ認めていない妖怪は別だ!」

「そうだ、我々は一応心の鎧甲を回収の為に動いたりしている!大元帥様はどうしても必要としている!」


ヴァルベンも野田に心の鎧甲を譲ってくれないか頼む。


「もしも…ダメだというなら」

「まさか、俺達を殺して奪うつもりかよ?」

「いえ、我々はそんな盗賊まがいな行為はまずしない。だが、どうしてもというなら、決闘で決めようではないか!」


トムは大声で決闘を宣言するので、野田達はついポカンとした態度になる。


「つまり、アンタ達が勝ったら、心の鎧甲をアンタ達にやるって意味だよな?」

「当然!だがもしアナタが勝ったら、我々に何を要求するのか、今ここで決めてくれないか?」

「えっ!?ここで!」

「当然」


いきなりそんな事を言われて、戸惑いながらも野田は必死に考える。


[なんでなんで!なんで鎧を懸けて決闘する事になったんだ!?オレはただ、この国にスパイが居ないか調べに来ただけなのに。でも、心の鎧甲を奪われるのは嫌だし!!]


そして野田が必死に考え抜いた結果。


「じゃあ、俺が勝ったら…俺達を信じて協力してくれないか?」


彼らにもこの国の調査に協力して貰うという事にした。


[ナイスだ野田くん!ここは彼らにも協力した方が仕事が早くなるし、それに勇者が味方についたら、かなり戦力になる!]


ホルは野田の考えた要求を評価した。

そしてトムもその要求に呑もうか考えた結果。


「分かりました。約束しましょう」


そして今ここに野田とトムの、心の鎧甲を懸けたバトルとなった。

ついに判明した2人のサイボーグ。

ヴァルベン・ボーラと桜刃キッカの正体は、勇者と呼ばれる最強のサイボーグでした。じつは他にも14人もいます。

次回は野田とトムの対決になりますが、もしかしたら野田のライバル精霊が再登場するかもしれない!

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