第45話 増えてく仲間
野田とミオーズは一度。アザゼルの異空間を通じて、とりあえず必要になる為の、武器や道具や地図などを取りに行くために、王都の城の物置に着いた。
ちなみにソロリックとアンリュウ達は異空間で待機して、ハクホスは牢獄用の異空間に閉じ込めた。
「さてと、まずは…」
「はい、図書室から地図を」
まずはミオーズが先に物置から出る。
「ミオーズ!?」
「「「「っっ!?」
するとセドール達と出くわしてしまう。
「セドール…それにメラッテとローキグも…」
「アナタ、たしか妖魔将軍のお見送りに…それがなんで物置に?」
「もちろん帰って来たんだけど、門が閉まってたから……」
なんとか誤魔化すけど、3人は全く信用してない目をしてた。
「それより大変なんです!」
「え?なにが?」
セドールはなにやら慌てた素振りを出し始める。
「じつは、最近ハクホスの様子がおかしいので、私達で独自に調査していたのですが…なんと!アイツは私達を裏切って、戦争再開派に入っていたんです!!」
「それもう知ってるよ」
「「「はい?」」」
そのミオーズの言葉に、3人はそんな気の抜けた声になる。
「もう…知ったって?」
「だから、ハクホス本人から知ったの!」
「え…っと、一体どういう事で?」
「はい」
野田がハクホスを拘束した時の画像を3人に見せる。
「これって…」
「町で彼女が不穏な行動してたから、捕まえてこのとおりだ」
野田はセドール達に簡単に説明するが、あんまり信じてない顔をしていた。
「それで、3人に話があるけど…」
「あっ!しっ、心配いりません!獣帝様には秘密にしておきます」
だがなんとか秘密にしてくれると約束してくれた。
「それから、ここで見た事は忘れて…」
「「「それは出来ません!」」」
「「やっぱり…」
そして野田達は仕方なくセドールら3人も加えて、必要な物を一緒にそろえた後、次の行動の為にアザゼルが用意してくれた、異空間への門に入った。
「よぅ!野田にお姫様。後そちらは?」
当然、セドール達3人も着いて来た事に、ソロリックを除いた全員が野田を睨む。
「ゴメン…見つかった」
「野田…アンタって人は!」
「待って!これは私の不注意で…というより私が先に見つかったから」
「いえいえ、これは護衛に付かせたコイツの責任です!」
ミヤトは頭を深く下げて謝罪した。
「でも、彼らは私がもっとも信頼しているし、大切な親友だから!」
「その親友の1人が裏切ったけどね?」
アザゼルの発言にミオーズは、深く落ち込んでしまう。
「バカ!」
「なに彼女の前で本当の事を!」
「お前もそれ言うな!」
ベルゼブブも身も蓋もない事を、つい口喋ってしまう。
「あの、ゴメンな。とりあえず4人とも彼女に会いに来いよ」
アザゼルがお詫びに、さっきの扉からハクホスがいる空間を繋げる。
「さぁ、行って来な」
扉を開けるので、4人はさっそく入ったけれど、もしもの為に野田とミヤトも着いて行った。
その空間はまさに監獄の作りで、牢がいくつもあった。そしてその内の1つに、ハクホスが拘束それていた。
「あら?ミオーズに、まさかセドール達も。なにか?」
ハクホスはさっきよりも、殺意ある目で睨みつける。
「ねぇ、いつからなの?」
「はぁ?」
「だから、アナタはいつから戦争再開を?」
「そりゃ、戦争が終わってからよ!あのまま続けてたら、私らが勝ってたのに」
開き直ったかのような態度を取り始める。
「それが、妖怪や人間達が横から勝手にとやかく言われて、そのまま戦争が終結されてしまった。全く…良い迷惑よ」
「貴様!なんだその言い草は!?あのまま戦争を続けてたら、貴様ら獣人や鳥人だけではない!他の国も巻き込んでしまうところだったんだぞ!?」
「うるさいなっ!こっちは止めてくださいって頼んだ覚えないし、それに勝手に巻き込まれてしまう方が悪いんだよ!!」
さらにハクホスは歪んだ顔でミヤトに対して返事をし続ける。
「大体ミオーズ王女は、他人を信用しすぎなのよ!」
「えっ!?」
するとハクホスは鋭い眼光を、ミオーズに向ける。
「なんでもかんでも、見ず知らずの人に話しかけたり、協力を求めたりして…アンタみたいな1人じゃ何でも出来ない女!あたしが1番嫌いなタイプなのよ!?」
「そっ、そんな!」
「はっきり言ってアンタのお人よしな性格、うんざりしてたんだよ!」
「ハクホス!」
「アナタ、いい加減にしなさいよね!?」
「まさかアンタが、本当はこんな性格だったなんて!」
罵倒し続けるハクホスに、ミオーズら3人が怒りを上げて、さらにミオーズの精神に限界が来て倒れそうになってしまう。
「ほら、もう行くぞ」
野田はミオーズを優しく支えて、この空間から一度出ようとしたが。
「言っとくけど、私ら組織が開発している最終兵器は、もうすぐ完成のようだから!なにやっても無駄なんだよ!きゃはははははは!!」
ハクホスが歪んだ顔と声で監獄空間に響くほど大笑いするが、彼らはそのままこの空間から出た。
「という訳だ」
野田とミヤトは全員に、先程の監獄空間でのやり取りを話した。
「まさか…ハクホスが私の事、そんな風に思ってたなんて」
「ミオーズさん」
ミオーズはハクホスの言葉に立ち直れなくて、ソロリックがそんな彼女に心配する。
「とにかく、さっさと奴らのアジトに殴りこみだな!」
「おうよ!妖怪と魔人の連合部隊だ!」
「ちょっと待って!」
するといきなりホルが手を上げる。
「どうせなら、バード連邦に行って見るのはどう?」
「え?なんで?」
そんなホルの提案にソロリックが疑問になる。
「だって、もしかしたらあっちにもスパイがいるかもしれないから」
「そうだな。後で編成して向かわせよう」
「どうせだったら、他にも仲間を増やした方が良いかもね」
スミレが新たに提案する。
「たしかに、良し!頼んでみるぜ」
「頼むって誰に?」
アンリュウは野田がどこに電話をかけるのか尋ねた。
「レイガ」
「「「「「えっ!?」」」」」
「「「「「「ん?!」」」」」」
野田の言葉にソロリックとホルはもちろん、ミヤトもスミレもレーグラスも声を上げて驚くが、言葉の意味を知らないアンリュウとミオーズ達は、何のことやらさっぱりな感じだった。
「貴様!よりによってあの九尾であるレイガさんに助けを求めるのか!?」
「そうだ!大体この前会ったばっかりの分際で、来てくれる筈ないだろ!?」
「大丈夫だよ!きっと力を貸してくれるはずさ!」
さっそく野田がレイガに来てくれと頼んでみたが。
『無理無理』
「え?そんないきなり断わるって」
『だって今、バイト中だから行かれないよ。それに薬も作らなきゃダメだし、さらにはこの前買ったプラモも作りたいから、はっきり言って忙しい身だから……』
「でも……少しぐらい」
『もう仕事はいるから、出るね』
断られて電話を切られてしまう。
「あの……オタク女狐!!?」
「まっ…当然だよな…」
「大体、そんな簡単に頼む事が出来るはずないしな」
少しオタク気味の野田は、怒りのあまりついレイガの事を、“オタク女狐”と叫んでしまう。
「仕方ないな、俺の使い魔妖怪を見せてやるよ」
「使い魔?」
ベルゼブブが得意な魔法とは、動物や蟲や鳥は勿論、妖怪や精霊に竜と死霊まで支配下にする使い魔法。
「だったら広いところでな。散らかしたくはないから」
「分かってるよ。お前らに見せてやるよ」
と全員は決闘用空間にやって来た。
なぜならどんなに暴れても、1番被害が低く済んで、すぐに元通りになるらしいからだ。
「さぁ、これが俺の使い魔妖怪!!」
するとベルゼブブが地面を叩くと、その場に2人の妖怪が現れた。
「これって!」
「クラーケンにマンドラゴラか!?」
その使い魔妖怪は、巨大な身体でタコとイカとクラゲが混ざり合った、さらに両腕もある妖怪・クラーケンと、もう1人は頭に大きな花が咲いている、全身植物の妖怪・マンドラゴラ。
「そう、俺の使い魔。オータスと木代だ!」
彼らこそベルゼブブの使い魔妖怪の、クラーケンのオータスとマンドラゴラの木代である。
するとオータスは水色で少し魔女っぽいボサボサ髪をした、人間の美女に変身する。
「ちょっと、ベルゼブブ」
「はい?」
するとオータスは主人のベルゼブブに声をかける。
「呼ぶなら呼ぶで、せめて連絡をしてよね?」
「全くや!あたし達がアンタのお母様と家事をしてる時に召喚なんて…どんだけアンタは空気読まれへんの!?」
オータスだけでなく木代も関西弁で文句を言う。
「でも…一応、俺主人だし」
「主人だろうけど、妖権を守ってよね!」
「大体アンタは、タイミングっての知っといて欲しいな!」
「いや…だって……」
「全く、アンタって本当に優柔不断ね!」
「ほんまに、こんな奴がアタシらの主人とは思えんな!」
ベルゼブブは正座で使い魔の、オータスと木代に叱られてしまう。
「使い魔に叱られてるぞ?」
「なんて、情けない光景だ」
野田達は呆れたり引いたりする。
「さてと、とりあえずこれで役者は揃ったわけだ!」
「ええ!クーデターと戦争を止めて」
「2つの国を平和にしよう!」
こうして改めて、妖怪、魔人、獣人の大連合が結成されたが。
「あっ!」
「どうしたミオーズ!?」
「しまった!この時間はお父様とのティータイムだ!」
「いや、そんなのほっといて…」
「ダメなの!これは絶対的な決まりなの!それにまだ帰っていなかったら、お父様も心配するし…」
ミオーズは頭を抱えてしまう。
一度帰るかクーデターを止めるか、どっちを選ぶか。
「大丈夫!良いアイディアがあるから!」
野田の考えたアイディアとは。
「ん~~~遅いな?」
ガドは中庭をそわそわと歩き回りながら、ミオーズが来るのを待っていた。
[最近ミオーズが、セドールらと城の外に遊びに行ってるが、ちゃんとお茶の時間や、客人が来た時にはちゃんと帰ってくるけど…やっぱり一度叱ろうかな?]
「獣帝様!ミオーズ王女が戻って来ました!」
するとミオーズがゼドールとメラッテとローキグと、一緒に中庭にやって来た。
「ミオーズ、随分と遅かったな?」
「ゴメンなさい!ちょっと忙しい事が起きてね…」
「ところで、ハクホスは?」
「今はまだ買い物中で…それよりもお茶を!」
ミオーズはガドの腕を無理やり引っ張りながら、中庭に設置してあるテーブルとイスに向かった。
「なんか!随分と乱暴だが!?」
「気のせいよ!気のせい!」
[ふ~~~!良かった、ばれてない!!]
じつはこのミオーズは、倉山が化けていて、しばらくの間、影武者になっていた。
さらにハークスオンが、セドール達の毛からホムンクルス・クローン人間を作ってくれた。だけども、ホムンクルスは攻撃を受けたり一定の時間が立つと、元になった生物の身体の一部に戻る為、誤魔化すのは精々一時間である。
[待ってろよ!なんとか誤魔化したらすぐ行く!]
そして倉山はなんとかガドの目を盗んで、ミヤト達に合流するのであった。
新キャラにベルゼブブの使い魔妖怪、クラーケンとマンドラゴラの、オータスと木代を登場させました。
ちなみにミオーズに化けた倉山と、セドール達のホムンクルスは、ガドをなんとか誤魔化せるか?




