第39話 アンリュウ再登場
獣王パーク2日目。
野田や麻井達にミオーズが町外れの川原に、誰かを待つかのように立っていた。
「ん~~~~~ちょっと待つの早かったかな?」
「でも、遅すぎるのもダメですからね」
「そうだな。ミヤトと俺の部下が俺の秘書に来てくれるからな」
それは今日ミヤトと麻井の秘書が妖魔将軍の代理として来て、麻井は佐村とモンスターゾーンに帰る予定であった。さすがにメールで知らせても妖魔将軍が何日も帰ってないので、当然家臣も家来も秘書も心配する上、仕事もまだ山積みだからだ。
「なぁ、後どのぐらいでミヤトが来るんだ?」
「あと少しよ。そんなに慌てなくてもいいのに」
呆れるスミレを気にせずに、野田はミヤトが来るのを待っていた。
「悪いな。新米の君たちにも来て貰って」
「いえいえ、妖魔将軍の為ですから当然の事ですから」
「そうですよ!こうして友達になってくれたし♪」
「あの……その……なんかすみません」
ミオーズに抱きつかれてしまい、なんか恥ずかしくなってしまう野田である。
そして当然レーグラスが強く睨んでいるのも分かる。
「あっ!?来たみたいですよ」
すると佐村が指をさした場所の地面に黒い穴が生まれた。
これこそが転送リングで出来た時空の穴で、そこから普段と違う全身覆うような、黒い鎧を身に纏ったミヤトが出てきた。
「ミヤト・バデュース。ただいま参りました」
愛刀の天叢雲剣を自分の隣に置いて、麻井の前で跪く体勢になって頭を下げる。
「いきなりそのポーズって、ほんと尊敬するな」
「いや、むしろあれがいい態度だと思うけど……」
「たしかにな・・・・・あれ?もう1人来てないのか?」
野田は麻井の秘書がまだ来てない事に気づき。不思議がってミオーズもつい好奇心で、2人一緒に穴を覗いてしまう。
「ん?あれって!?」
「なんか……やばそう!!」
すると誰かが続いて出てくるのが分かって、すぐさま2人は穴から離れると、飛び出るようにして誰かが2名現れた。
「ふ~~~~~無事到着……」
「ソロリック!?それからやっぱりホルも!?」
「ど、どうも……」
「やっぱりって、僕が来るのは想定内なの!?」
それはソロリックとホルであった。
「そういえば、君と彼らは知り合い同士だったか?」
「はい。あっ!それはそうと妖魔将軍様!ホルもただいま参りました!」
「ふむ、よく来てくれたな」
ホルも跪く体制をとり始めた。
「んで、なんでホルと一緒に?」
「じつはねぇ……」
ソロリックはなぜホルと一緒にこの国に来たのか説明始める。
それは昨日野田が獣王パークに向かって、ソロリックがバイトを終わろうとしていた時。
「さてと、着替えて帰ろうっと。もう野田さん着いてるかな?」
「やぁ!」
「ホルさん?!」
ちょうどホルがやって来た。
「どうしたんですか?いきなり?」
「まぁ、バイトが終わってからでも良いから」
「そうですか、ちょっと待ってくださいね」
「ここで待ってますので、その後フードコートで!」
すぐに私服に着替えてホルと合流した。
そして2人はさっそくフードコートで、それぞれジュースとアイスを買って椅子に座る。
「いきなりどんな御用ですか?」
「うん……じつは妖魔将軍からお呼び出しがされたんですよ。明日獣王パークにミヤトと一緒に来てくれないって」
「あら、それはよかったですね。旅行だなんて」
「旅行じゃなくて仕事!そんなのん気なものじゃないんだ!」
アイスを食べながら前より真剣な顔になる。
「それで、ここからが本題なんだけど……」
「はぁ?それは一体?」
「じつは、一緒に来てくれないかな?」
「え?うええぇぇぇぇぇぇっ!?私も!なんで!?」
「ちょっとっ!?周り!?」
大声で驚きながら混乱するソロリックを、ホルが周りの客の視線を見せながら落ち着かせる。
「ゴメン……でもこれは遊びじゃない筈よ?」
「いやまた、友達連れてきて良いって許可をもらったんだ。それに……妖魔将軍も一度君に会って見たいって言っだから」
「そうなんだ……でも、私みたいなハグレ……」
「でも妖魔将軍の頼みなんだ!それにこれをきっかけに、正式秘書になれるチャンスなんだ!だからお願い!」
「うう……」
必死に頼んでくるホルの迫力につい負けてしまう。
「分かった。明日休めないか聞いてみる」
すぐに石川に電話し始めた。
「ええ、それで明日用事で遠くまで行かなきゃならないので、その3日間だけ休み取れませんか?はい!もちろん今は忙しい時期だと言うのは分かってますけど……」
そしてこの会話が1時間近く続けて、ついにしばらくすると見事許可を貰った。
「ふ~~~OK♪」
「ありがとう!では明日の朝、デーモングレリスの前に待っていてください。ミヤトさんも来るみたいなんで」
「うん!分かった!!」
ここで回想が終了。
「という訳なの」
「なるほど……しかしなんか、一段とやる気が溢れてるように見えるけど?」
「もちろん!そしてこれを気に僕は見事、バイトじゃない正式秘書になって見せます!!」
ホルは自分が雪である事に気づかずに熱くなる。
当然全員が引いたり呆れたりしてしまう。
「ホルくん!君も来るなんて驚いちゃった」
「まぁね!」
「え?ホル…もしかして初めから?」
「ごめん、仕事上スミレが暗闇に入ってる事、初めから知ってたんだ…」
「ついでに何度か会ってたり」
さらなる事実に野田の頭はパンクしそうになる。
「アナタも妖怪なんだね?」
「えっ!?アナタは?」
いきなりミオーズがやって来たので、恐る恐る尋ねてみる。
「私はミオーズ!こう見えても王女だけど、そんなの関係なく仲良くしてね♪」
「王女……様なんだ!でもお忍びでこんな場所に来ても?」
「心配するなよ。どうやら今まで城を逃げたして来たみたい」
「そういうわけだから、友達になってください♪」
握手する為に手を出したので、ソロリックも釣られて手を出して握手をした。
[もしかして……この2人って付き合ってるの?]
握手しながらミオーズは確信していた。野田とソロリックが恋人関係な雰囲気である事に。
「おい、お前なにか……勝手に変な妄想してたんじゃないだろうな?」
野田に不振がられてすぐに笑って誤魔化すが、かえって怪しくなってしまった。
すると麻井がソロリックに近づいてきた。
「ほう、君か?ホルの言う?」
「はじめまして!私……ハグレのソロリック・ホルトラントです!」
緊張のあまりつい声を高くしながら握手しようと手を出した。
[彼女か?操り人は……]
麻井は改めてソロリックの顔とペンダントを確認しながらも彼女と握手する。
そして麻井は荷物やお土産を纏めて、佐村もペガサス形態に戻って帰る準備を整えた。
「わが国に来てくれて、本当に感謝します!!」
「あははははは!そんなお辞儀しなくても。とりあえずお父様によろしくな」
ミオーズと握手して、そのまま佐村に跨った。
「じゃあ、みんな。後は頼んだぞ」
「では、お先に失礼いたします」
「もちろん!後はお任せください!!」
ホルが返事をして佐村は空高く飛んで行って彼らは手を振って見送った。
「さて、さっそく現地調査でもするか!」
「ねぇ!ソロリックちゃんは、みんなが仕事してる間、私と付き合ってくれない?おいしいお菓子の店知ってるよ♪」
「へ~~~~~じゃあ、アタシも一緒に行っていいかな?」
するとどこからか割り込む感じに、聞き覚えのある声が聞こえた。
全員は辺りを見回すと、野田は木の枝に誰かが座ってるのを発見した。
「お前は、アンリュウ!!」
「ヤッホーーーー!元気だったか?」
それは野田と同じ心の鎧甲の装着者、魔人のアンリュウ。
「あの人、魔人だったんだ!?」
「アンリュウ。お前なんでここに……まさか!?」
「いや、今回は普通に遊びに着たんだけさ」
「ほぅ?貴様がアンリュウと同じ装着者は?」
さらに後ろから、ハークスオンと4人の魔人の男達。ルシファー、ベルゼブブ、アザゼル、アスタロトが立ってた。
「魔人が6人も!てか、別に驚く事じゃないかな?」
「なに訂正っぽく言うんだ?」
そんな倉山に4人の内の1人、アスタロトは呆れて言葉を返した。
「なるほどなぁ。鬼の方はよく分からんが、あのミヤトとか牛鬼はかなりの強者だな?」
さらにベルゼブブも2人を観察し始めるけど、そこにルシファーが割り込んできた。
「まぁ良い。とりあえずアザゼル!」
「言われなくても、初めからやるつもりさ!!」
「なに!?」
「きゃあ!?」
「うわっ!?」
するとアザゼルは手から光線を放つと、野田とソロリックとミヤトを、その光に包まれた。
「「「野田!?」」」
「「リーダー!!」」
「野田くん!ソロリックちゃん!」
全員の叫ぶのも虚しく、3人はその場に消えてしまった。
「さてと、お次は」
そしてアザゼルは今度、空間を扉のように開けて、別空間へ繋ぐ穴を作り。ルシファーとアンリュウがソサクサと入って行き。
「じゃあ、行って来るぜ♪」
「ああ、行ってきな」
最後にアザゼルも入って穴は、この前のソロリックがやった、結界破りのように閉じてしまった。
「貴様ら!!」
「そうか。やる気のようだな?」
仲間を消された怒りと恨みに、ホルと倉山とダイゴは戦闘体勢に入るので、ベルゼブブとアスタロトも剣を構えるのであった。
そしてその様子をスミレとレーグラスとミオーズとハークスオンが、ただ見守っているだけであった。
ソロリックとホルとミヤトも獣王パークに到着しましたが、さらにアンリュウ達魔人6人組も現れました。




