第35話 初めての異国調査
野田達が九尾の妖弧のレイガと過ごしてから二週間後、ある国では大変な事が起きていた。
それは龍が住む国・ドラゴン真国では、6つの国の王が会議をしてたところから始まった。
「では、これで決まりましたね」
普段の服とは大違いに、黒い鎧を身に着けた淳一は、同じようにそれぞれ鎧を着た麻井達5人の王に尋ねる。
「もちろんだ」
「別に……いいですよ」
「私もだ!」
「同じく」
麻井ら4人は承認したが、あと1人は悩んでしまい。
「どうしました?やっぱり
「……分かった。承認する」
ついに彼も仕方なく承認を認める。
「これより、7番目の国が誕生しました!」
そんな感じで淳一は鳥型獣人に認定書のような物とバッチを渡した。
その瞬間、5人は大きく拍手をした。
[これは……大変な事になりそうだな?]
麻井は拍手しながら不安になっていた。
ある日。
野田が朝食を取りながらテレビを見ていた。
『今、新しい国家が誕生しました!』
「これにも、みんな同じだな?」
どのテレビも同じようなニュースが流れて、新聞にも大きく(7番目の国が生まれた!)や、(ついに獣王パークが分裂した!)などの記事が出てた。
『みなさんも知ってると思いますが、元々獣人の国、獣王パークという国がありました。しかし5年も前から、鳥型獣人との間で戦争が起き。そして先日、ついに分裂独立して鳥型獣人だけの国、バード連邦となりました』
そんな内容のニュースであり、とにかく今まで獣王パークは紛争が起き続けていた。
とにかく獣人には2種類存在して、ネコ科やイヌ科の耳と尻尾を持つ獣人と、背中と耳に羽が生えた獣人であり。初めは仲が良かったけど、突然いがみ合ったりして、乱闘が多くなり最終的には内戦・戦争になってしまった。
「まぁ、俺には関係ないけどね」
「でももしかしたら、呼び出される可能性があるかもしれないよ?」
「おいおい、隣国に呼び出される訳ないだろ?」
話しかけるソロリックに笑い返す野田であったけど、いきなり暗闇から支給された腕輪型携帯端末が鳴り始めた。
恐る恐る端末を耳に近づける。
「あの?ミヤトリーダー、なにか事件?」
『緊急招集だ!すぐに来い!!』
「ちょっと、なにこの慌てよう?」
『だったら早く来い!説明するから!!』
なにやら慌てているミヤトの声が響いてそのまま切ったので、仕方なく家を飛び出して、暗闇基地に大急ぎで向かった。
「全く!朝食の途中での呼び出しなんて……一体どんな緊急だ!!」
それでも暗闇基地に到着すると、すでにほとんどのメンバーが集まって椅子に座っていた。
ただし佐村の姿が見当たらなかった。
「なぁ、遅かったか?」
「いやいや、俺達もさっき到着したから」
倉山にダイゴと合流しながら隣の席に座る。
そしてミヤトがメンバーを確認する。
「ん……残るは彼女だけだな」
「え?彼女って、他にメンバーがいるのか?!」
「いや、なんでも後2人いるらしいけど……俺も全然会ってないんだ」
元から居た倉山も残りのメンバーの存在を知らないでいた。
するといきなり扉がバンッと開いた。
「遅くなってすみません!」
扉から現れた人物に野田達3人は衝撃が走った。
なぜならその人物は
「「「スミレ!?」」」
野田の親友の1人スミレ・フェミンレス。
なんとスミレも暗闇メンバーであった。
「なんだ?倉山だけでなく、新入りとも知り合いだったのか?」
「もしかして……他のメンバーってスミレなのかよ!」
「そうだ。彼女は主にセレムと事務と情報操作が主な仕事だけど、たまに護衛や警護に諜報活動もしてるの」
3人は信じられずにいた。
彼らが知ってるスミレは、少しドジッ娘なところがあるけど、成績が良くて優しくて、まさしく良い子であった。
それがなぜ政府の秘密組織である暗闇に入っているのか、3人は疑問に満ちてた。
「……私、高校の頃から、ここで働いてました。誰にも知らせないように、色々嘘をつきながら、任務をやり続けていました……」
「じゃあ、お前がやっていた仕事ってのは?」
「あれは嘘なんです。当時の倉山くんはまだ新入り扱いだから、アルバイト程度だったけど。私は正式だったので……そして一応秘密組織だから嘘の職業を……」
スミレはさらに説明し続ける。
ちなみに倉山は正式にエージェントになって、野田とダイゴは実力を認められたので正式となった。
「ちょっと待って!だったらなんで俺と一回も会ってなかったんだ!?」
倉山はそう不審に思い尋ねた。
実際彼が入ったのは1年前らしいので、その間スミレとは基地や任務で全然顔を合わせていなかったらしい。
「それはどうしても、アンタ達に気づかせないようにと、隠れたり会わなかったりしてただけだ」
「「「ええっ!!?」」」
レーグラスの言葉に3人は声を上げて驚いた。
「私がここのエージェントである事を知ってほしくなくて……倉山くんが入った時には驚いたから、なんとかバレないようにと……」
「いや、だからってなんでそれでも隠したりすんの?」
「だって倉山くんって、意外とお喋りだから……」
本人の目の前で身も蓋もない事を言うので、倉山は少し落ち込みかけてしまう。
「ここでもう良いだろ?ほら、スミレも席に座れ」
「はい」
ミヤトに言われたので、すぐさま野田の隣に座った。
「さて、今回集まったのは、分裂した獣王パークについてだ!」
「あの……それって俺達には関係ないはずだけど?」
野田は関係ないと言い出すが、そうではなかったらしい。
「じつは今妖魔将軍は問題とされてる、獣王パークに視察に行っている」
「えっ!?視察って?」
「そうだ。そして妖魔将軍の命で、来てくれないかのお達しだ!」
「「「「えええっ!!?」」」」
その任務内容に全員は驚いてしまう。
じつはモンスターゾーンと獣王パークは友好国であり、今回の終戦や分裂についても妖魔将軍である麻井が、なんとか苦労して話し合いの場を作ってくれたのだ。
「いやですが、すでに佐山が着いて行ってる筈ですか!?」
「もちろん、同行して護衛に当たってる。だが今回の任務では将軍の警護と、ついでに獣王パークの状況調査だ」
「ほぅ、つまり我々も外国旅行って事ですね♪」
「バカモノ!あくまで任務であるのを忘れるな!!」
及川が少し悪ふざけするので叱られてしまった。
「んで、誰が行くか決めましたか?」
「それはすでに決めてある。行くのは野田と倉山と小山とスミレとレーグラスだ!」
[あれ?てかこれって、いつものメンバーじゃあ?]
野田はいつもの倉山とダイゴのトリオのままに、思わず深く考え出す。
「あの!」
でもここにレーグラスが手をあげながら講義の目をしてた。
「スミレと倉山はなんとなく分かりますが、なぜ新入りの2人を!?」
「新入りだからだ!今回の異国調査が良い勉強になる」
前回もそうだがレーグラスは、未だに野田達を認めては居なかった。
ホルの護衛の時も反対していた。
「しかし!」
「まだなにか!!」
「……いいえ」
またしても納得しない顔をするので、野田達は少し場が悪くなりそうだと感じ出した。
「それから時間があれば、私も合流するからな。お前達は先に行って、佐村に合流しろ」
「「「「「ハッ!!」」」」」
さっそく野田達は獣王パークに出動した。
その頃、マジカルパレスでも同様の話題が盛り上がっていた。
もちろん、この6人も。
「なぁ、獣王パークが分離したよな?」
「知ってるぜ。新聞や他のテレビでも出てたよな?」
アンリュウとルシファー達6人は、喫茶店でその会話をしていた。
「さっきロムトンが帰ったけど、ピリピリしてたってな?」
「んで、どんな形で分裂したんだろう?」
「使い魔で様子見たけど、なんかさぁ、海側と山側に分かれたみたいだぜ?」
ベルゼブブの報告を聞いたけど、全員はどうもパッとしなかった。
じつはこの中で使い魔による視覚供給が使えるのは、彼だけで他は使えないらしい。
「それじゃあ、行って見るか?」
するとアザゼルがこんな提案し始める。
「えっ!アザゼル……なにを?」
「だってさぁ、そんなに気になるなら、行って見た方が早いだろ?」
「なにそんな自分勝手なこと!ダメに決まっているでしょ!?」
当然真面目なハークスオンは反対をするけど
「それ、面白そうね!」
「たしかに、一度どんな状況か見てみたいし♪」
「それもそうだ!直接見た方が早そうだ!」
「せっかくだ!観光も兼ねて行こうぜ♪」
他の4人は行く気満々であった。
「なに言ってるの!ロムトンさんにバレたら」
「心配しないで、何度か戻ってくればいいだけでしょ?アザゼルの魔法があれば」
「あぁぁぁぁぁぁ、もぅこの人達は……」
ハークスオンは完全に呆れて、叱るのを疲れてしまう。
アンリュウ達もこっそりと獣王パークに向かうのだった。
野田達とアンリュウ達の外国旅行が始まりですけど、新しい戦いの始まりでもあります。
そして良いクリスマスを!!




