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心の鎧甲  作者: 鴉山大樹
第03章 暗闇・九尾
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第34話 秋と父の秘密

野田はレイガの部下・ヘグラーパーと勝負し、見事に勝利したけど疲労で気を失ってしまい。

しばらくすると野田が、ソロリックの膝の上で目覚めた。

身体を起き上がって、マンガ部屋でソファーで横になってたと気づく。


「あれ?俺……寝てたのか?」

「もちろん、そうとう体力を使ったみたいだから。はい、レイガさんが作った回復薬」


その回復薬を渡したけど、野田はちょっと抵抗した。


「心配しないで、さっき倉山さんも小山さんも飲んだから」

「そうなのか?とりあえず」


信用出来ないまま薬を飲んでみた。


「あれ?なんか疲れが取れて、凄く爽やかに感じもするな!」


薬の効果が出たのか、見事に回復した。


「良かった。それからみんなはゲーム部屋にいるみたいだから行く?」

「そうだね」


さっそく隣のゲーム部屋に入るとホル達はもちろん、レイガも一緒にゲームをしていた。

さらに部屋の隅にはディグットとブロドンとパメラも立っていた。


「あら、目覚めたようね?」

「ほんと、心配してたんだから」


ホルもゲームをしながら声をかけた。


「ホル……お前までなにゲームやってんだ?」

「別に、僕ってゲームぐらいやるよ!」

「つーーーーかお前!あんなスゲェアーマーを使えるようになったんだな!?」

「あの事故の時に、お前にぶつかった光があのアーマーだったとはな!」


すると倉山にダイゴが先ほどのアーマー姿に興味を持った。

だがそれを説明する気力は、薬でも回復は出来なかった。


「悪いけど、今ここで話すとめんどくさいから……また今度で」

「しかし本当に、今回は私の完敗でしたね」


いつのまに後ろには、黒い紳士スーツ姿で、角とコウモリの羽を生やした美男子が立ってた。

すると野田は恐る恐る尋ねた。


「もしかして……」

「はい、ヘグラーパーです」


爽やかな微笑を見せる人間態のヘグラーパー。

野田は先ほど戦った相手の変身した姿に、戸惑いながらも呆れてしまう。


「……ところでアナタ、もしかしてアイツの息子?」


でもそんな時、レイガは野田の顔を見ながら尋ねると、なにか嫌なものを思い出したような顔になる。


「お前、アイツを知ってるのか?」

「もちろん、弟子でお得意様だし」

「あの……アイツって?」


ソロリックは2人の会話に疑問を持って尋ねた。


「康哉よ、康哉!」

「こう……や?」

「おい、康哉ってたしか?」


知らない人の名前に倉山は何かに気づいた。


魔玄康哉(まげんこうや)……妖怪一の医者で科学者で、俺の親父だよ!」


頭を抱えた野田がはっきりと宣言した。


「アナタの、お父さん?でも、家にはいなかったけど?」

「離婚したんだよ!あんな最低な奴を」

「たしかに、アイツはね……医者としての腕は一流だけど、性格が最悪っていうか……色々と常識外れなんだよね」


するとレイガも頭を抱えてしまう。


「でも、お前の親父って童子の名を得た筈だよな?」

「ああ!たしか医帝童子だったよな?」

「ふざけんな!あんな俺と姉さんを勝手に実験体にした奴が童子なんて、信じられねぇよ!!」


倉山とダイゴが康哉の事で聞いてみると、野田は今まで見た事がないぐらいに、怒りに満ちた声で叫んだ。


「あの……実験体って?」

「なんでもありさ!変な薬を飲ませたり、投与されたりして……2人まとめて死に掛けたんだ!」


思い出したくないものを思い出して、より苛立ちを見せるのであった。

実際彼の研究は危険なものが多くて、妖力を上げる薬と言って野田と優に飲ませた結果、姉弟揃って3日3晩腹痛になったり。

さらには肉体を活性化し潜在能力を引き出す装置を作って、2人に座らせたが失敗で爆発して、また姉弟揃って一週間入院したりと、父親でありながらも子供を実験台にし続けてきたのだ。


[じゃあ、2人の傷や痣って……実験の跡だったの?!]


ソロリックは着替えや入浴の時に、野田と優の体に古い傷や注射の跡を目撃していた。この前、優と一緒にお風呂に入っていた時に、思い切って傷の事を尋ねたけど、彼女は思い出したくない感じに黙り込んだ。

その秘密が彼らの実の父親だと発覚して、少しショックを受けてしまった。


「まぁ、それが原因で母さんと離婚したんだ!」

「そうなの……あれ?じゃあ秋ちゃんは?アナタの妹じゃあ?」


ソロリックは秋の名前が出ない事に気づいた。

すると、先ほどとは違った態度になり始める。


「秋はな……親父と愛人との間で出来た子なんだ」

「ええっ!?」


衝撃の事実が発覚した。

野田の妹・秋の正体は母違いの異母兄弟だと判明した。


「母さんの話じゃあ、その愛人の女はなんだかよく分からないが、病気にかかっていてよ。親父の治療でも結局女は、秋を生んだ直後に死んだんだ」


野田はまた幼い頃のことを思い出した。

母親の岬の前で、赤ん坊だった秋を抱えながら、涙を流して頭を下げ続ける、かつて父親だった男の姿。

当時の野田はなんども姉と一緒に実験台にされ続けたので、康哉に対して強い恐怖を持った為、怯えて優に抱かれながらもこのやり取りを見ていた。


「なんども母さんの前で頭を下げて、秋を引き取ってくれっと頼んだらしい。だけど今まで自分の子供を実験体にして来た奴の、しかも愛人の子なんて引き取る筈ないだろ?」


なんだか自分でも分からないぐらいに話を続け。


「だけど、涙を流しながら必死に頼み込んだのか……ついに母さんは負けて、秋を引き取ったんだ」

「まさか……秋ちゃんにそんな秘密が」


こうして野田による秋の話は全て終わって、ソロリックやホル達がつい涙を流しながら感動する。

ただしレイガ達の場合は別であった。


「なるほどね……そんじゃあ♪」

「「はい!」」


レイガの合図にブロドンとパメラが窓を開けると、外にはなぜか秋とホロがいた。


「秋!?」

「兄さん……」

「ホロ!どうしてお前が!?」

「じつは僕、兄ちゃんが気になってこっそり後を追いかけたんだ。でも途中で彼女と出会ったんだ」

「うん……私も兄さんの仕事を見たくて……」


突然の事で野田は混乱して、ホルも怖い顔で質問してきたが、とりあえず2人を中に入れて、ホロが今までの事を話し始める。


「そして一緒に森に入ったは行けど、道に迷ってこのまま遭難してしまうと思ったてさまよったけど……でもついに兄ちゃん達を見つけたけど、兄ちゃん達が木を切り倒して、そこから空間が歪んでみんなが変な穴に入っていったんだ!」

「あれ、見てたの?」

「もちろん!だから僕達、背の低い木探して……僕が凍らせた後砕いたんだ。そしたらみんなと同じ現象が起きて、すぐに野田秋さんと一緒に開いた穴に飛び込んだ。そしてこの屋敷に着いたけど、ここでさっきの話を……」

「聞いたのかよ!」


そしてすぐに野田は秋の顔を見ると、目から涙を少しずつ流れてるのが分かる。


「私は、お母さんの子供じゃなかったの……私を見守ってくれた人達は、偽者だったなんて!!」


秋は強いショックを受けた。

彼女は母親である岬の子ではなく、父と別の女性との間に生まれた子だから、完全に秋は自暴自棄になって、泣き叫び続けた。


「大丈夫。偽者じゃないから」

「え?」


だけどソロリックは優しく秋を抱きしめた。


「だってアナタには、こんなにも妹思いのお兄さんが、ちゃんといるじゃない。だから悲しまなくても良いのよ」

「そうだ!たしかにお前は、母さんの子じゃないけど……あんなクソ親父の血を持った子だから、結果的にも俺と姉ちゃんの妹だろ?」


さらに野田も秋は目に滲んだ涙を拭いて微笑み返した。


「だから泣く事なんて無い。それに、ソロリックもいるだろ?」

「あっ!」


と秋はソロリックという新しい家族に気づいた。

初めは怪しいと警戒してたが、いつのまにか仲良くなっていた。


「ちょっと待って、僕もいるから」

「そうそう!さらに野田一番の親友である俺も♪」

「俺の存在も忘れるなよ」

「あっ!だったら僕も」


ホル達も秋を元気つけようとしていた。


「良し!だったら私も、秋ちゃんとホロくんと一緒に、君達の仲間ね♪」

「「「「「「「えぇっ!!?」」」」」」」


いつのまにかレイガが入ってきて、仲間に入れろと言って来た。


「だって、アンタ達って退屈しないんだもん♪」

「でも、アンタ彼にも九尾だから……」

「なんだ貴様!!」

「レイガ様を仲間外れにする気か!!」

「いや!別に仲間はずれにするつもりじゃ!?」


ブロドンとパメラがまた武器を構えて襲い掛かろうとしてきた。

野田は一体彼らはレイガの何に慕っているのか、全く分からないが、2人をこれ以上怒らせないようにとしていた。


「2人共落ち着きなさいよ。でもね、私が入ったらアナタ達得すると思うけどな?」


野田は少し考え始めた。

たしかに九尾の妖弧が加えれば、なんだか怖いもの知らずなるけど、一応神の妖怪であるので抵抗してしまう。

そして一応レイガの顔を見てみると、仲間に入れて欲しいという眼の輝きをしていた。もし断ったら色々と大変になってしまうので、野田は仕方なく覚悟を決めた。


「分かったよ。レイガさん、アンタも俺達の仲間だ!」

「ふふふふふふふ♪よろしくね♪」


野田とレイガは仲間になった証として握手をすると、さらに夕飯をご馳走してもらった。

ディグットとブロドンとパメラとヘグラーパーの手料理がテーブルにたくさん並んだ。


「スッゲェ!?」

「これみんな、あの4人が作ったの?」

「当たり前でしょ!さぁ、食べて食べて♪」


全員は目の前の豪華な料理にど肝を抜く。

そしてソロリックがさっそく、その料理を食べてみる。


「あら?美味しい!」

「本当か?だったら俺達も!!」


と続くかのように野田達も食べてみた。


「旨い・・・・・・・・・・」

「本当だ!」

「たしかに、良い腕だ!」

「4人とも……プロ並みだな」

「しかも僕達のは、雪用に冷やした奴だ!!」

「みんな美味しい!!」


野田達4人は料理の旨さに驚き、秋とホロは無邪気にも料理を堪能する。

それからレイガがビールにワインなども出されたが、ソロリックが酔うと大変なので、野田達の口論で仕方なくお茶やジュースになった。

それでも夕食は無事に終了した。


「さてと、どうやって帰ろうか?」


7人は帰宅しようとしたが、どうやってこの空間から出て、ナイトメアの森を抜ける手段がなかった。


「心配しないで。ほら♪」


するとレイガは7人に真ん中に宝石を嵌めて、呪文のように文字が書かれた腕輪のようなものを渡した。


「これは?」

「私が作った、この屋敷に行き来が可能な妖術が施してあるの♪これであの森で迷うことなく、ここに来られるからね♪使い方は宝玉を回すだけ」


腕輪の説明をしながら、全員は屋敷の外に出た。

外はもう暗かった。


「色々と楽しかったぜ!また遊びに来るよ」

「ありがとう♪まぁ、何か合ったら連絡してね。力になるから」

「本当にお世話になりました。これからもよろしくお願いします」

「もちろんよ、麻井くんにヨロシク伝えてね♪」


お礼を言ってさっそく7人は、腕輪にある宝玉を回してみると、目の前にあの空間の歪みで出来た穴が出た。


「この穴って!」

「良し!行くぞ!!」


野田が最初に穴に突入したので、さっそく他の6人もそれぞれの穴に入った。

そして7人はいつのまにか、ナイトメアの森の外に立ってた。


「本当に出られた!簡単に」

「今までのって……夢じゃないな」

「なんだか、疲れたし……帰ろうぜ」


こうして彼らはナイトメアの森を後にし家に帰るのであった。それから家に帰った後、野田は秋に今の自分の仕事先を素直に話した。当然秋は兄がエージェントになってる事に驚くが、さっきの事もあって理解し母と姉にも秘密にしてくれた。

その頃、レイガは外で野田の戦いを思い出していた。


「まさか、心の鎧甲の装着者が私の前に……そして“操り人”までも!?」


先ほどとは大違いに真面目な顔のまま、屋敷に戻るのであった。

そして野田達は、また新たな戦いが起きるのを知らずにいた。

今回は野田の妹・秋の正体ですが、実はマッドサイエンティストの父・魔玄康哉の愛人の子と判明しました。初めはショックを受けた秋ですが、野田達の励ましで立ち直りました。

そして次回は新章になりますのでよろしく。

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