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心の鎧甲  作者: 鴉山大樹
第03章 暗闇・九尾
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第32話 九尾の住む屋敷

野田達はレイガに案内されて屋敷に着いた。


「改めて見ると、やっぱり大きいですね」


ソロリックは改めて、屋敷を見て驚きを隠せなかった。


「2人共、罰としてしばらく外で反省してなさい」

「「元からそういたします」」


2人はハモりながら扉の隣で体育すわりをする。


「良いの?あのままにして」

「別に良いのよ。だって私が言わなくても、勝手に反省するつもりだったし。私の機嫌を取る為だったら何でもするから」


そしてさっそく屋敷に入った。

そこはまさしく貴族のような美しい空間だった。高そうな壷や像が飾られて、天井にも精巧な作りのシャンデリアも吊るされていた。


「うわぁ!なんか本当に凄い……」


ソロリックは周りを見回して、少しお姫様な気分になる。


「みなさん、だいぶお疲れのようですね」


いきなりグリフォンの羽が生えたメイドが立ってた。


「そいつって、あのグリフォン?」

「そう、この子はディグット。ちなみに、あの2人はブロドンとパメラよ♪」


レイガはグリフォンのディグットと、ガーゴイルのブロドンとジャックランタンのパメラの説明をする。


「とりあえず、ゲストルームへ」


案内されてゲストルームに着いて入ってみると、そこもかなり綺麗な空間であり。

豪華な作りのテーブルとソファーがあって、レイガはすぐにソファーに座った。


「ほら、あんた達も座りなさいよ。疲れたでしょ?」


野田達も疲れたのでとりあえず座った。

それからディグットは全員に紅茶を入れてケーキも出した。


「それで、私になにか?」

「じつは、アナタに届け物です!」

「あら?そうだったんだ!」


さっそくホルがアタッシュケースをテーブルに置き、そのまま渡すとレイガは中を開けてみる。


「「「「「えっ!?」」」」」


野田達はケースの中のを見て驚いた。

なぜならそれはマンガとアニメのDVDである。

しかもマンガの方は特典のオマケDVD付限定版であった。


「これって?」

「麻井くんに頼んでおいたのよ♪」

「てかこれって、今大人気アニメ「バードガール3」のDVD1巻に、「無敵ナイト・アドベンチャー」の限定版!!」


じつは野田と倉山もその限定版を手に入れようとしたが、結局は売れ切れていたので諦めて帰ったらしい。


「うふふふふふふ♪普段なら自分と部下で買いに行くけど、ちょっと忙しかったから、麻井くんに頼んだのよ♪」

「ってアナタ!将軍になんて事させてんですか!?」

「別にいいじゃない?だって麻井くんは、私のパシリみたいなものだから♪」


レイガはのん気にタバコを吸い出す。


「でも驚きました。レイガさんって、マンガとアニメを見るんですね?」

「まぁ、アニメやマンガはもちろん。ゲームも小説も音楽とフュギアに、そしてプラモといった娯楽やエンターテインメンが大好きなの♪」


そのままDVDとマンガを持って部屋を出ようとする。


「あの、どちらに?」

「知りたいなら、着いてきなさい♪」


仕方なく全員は言われたまま着いていく。

そして全員は扉の前に着いた。


そこはまるで部屋の全てが棚や引き出しの、収納スペースになっていた。

しかもアニメや特撮はもちろん、ドラマや映画やお笑いなどの、DVD&Blu-rayがたくさん保管されていた。

そしてちゃんと観賞用テレビとレコーダーもあった。


「これって、まさか?」

「私のコレクションよ♪」


自慢しながらDVDを棚に入れて、特典DVDも単行本を取り出してケースごと棚に入れた。


「スゲェ……まるでレンタル店みたいだな?」

「言っとくけど、絶対貸さないから!!」

「そんなはっきり言わなくても」


とりあえず野田達はDVDを見て回る。


「大昔のから今の映画やアニメまであるな?」

「しかも成年向けまで……」

「どんだけ集めたんだか?」

「言っとくけど、これだけじゃないから♪」


またレイガに誘われて別の部屋に行って見る。


「はい、次はこの部屋♪」

「「「「「うわっ!!」」」」」


今度のは図書館と同じぐらいの本棚で出来た空間で、大量の本が納められた。

が、全てがマンガや小説に、ライトノベルと同人誌といったものだった。


「まさか、ここまで集めたのか?」

「えへへへへへへ♪うらやましいでしょ♪」


マンガを棚に入れながら自慢する。


「うわぁ……成年からBL物まで関係なくある……おまけに幻とされた作品まで」


ホルは保管されてるマンガとかに呆れたり引いたりしてしまう。


「まだまだこんなものじゃないから、もっと見てきなさい♪」


そのまま別の部屋を見せて回った。

たとえば世界中のアニメのポスターが飾られた部屋。旧式から最新のゲームソフトはもちろん、生産と販売が中止になった幻の18禁のゲームまである部屋。アニソンにロックに演歌といったさまざまなジャンルが揃ったCDの部屋。世界の民族衣装やコスプレなどの服飾部屋。

さらにはフュギア・抱き枕の部屋に、プラモデル・模型の部屋まで多様に存在した。

そして部屋の3割を案内した後、またゲストルームに戻って、改めてお茶を飲む。


「しかしまさか、九尾がオタクだったなんて……」

「そっ!とくにアニメとプラモが1番好き♪」


笑いながら8本の手形尻尾が、レイガにお茶を飲ませたり、いつのまにか雑誌を持ってページを捲ったりと、まるで意思があるかのようにレイガの世話をする。


[その尻尾……便利]


ソロリックはついそう思ってしまう。


「それにしても、本当にお母さん似で可愛いわね。ホルくん♪」

「え!?母を知ってるの!?」

「もちろん、アナタの両親とは知り合いだからね♪それにしても、思ったとおりの男の娘だこと?」

「「男の娘!!」」

「「「あっ!」」」


ついに倉山とダイゴに知られてしまい、ホルは顔を真っ赤にさせる。


「お前って……」

「男か!!」

「……うん」

「あっ!ゴメン、秘密にしていたのかしら?」


秘密を暴露した本人は他人事みたいな態度であった。


「もしかして、あの結界の仕組みを理解したの?」

「いえ、なんか不自然な所があったから……」

「あらあら?やっぱ最初に見た時から思ったんだよね。観察力とか高そうって」


レイガはソロリックを観察する。

けど、ソロリックはレイガをどこかで出会った気がしてならなかった。


「あの……アナタどこで?」

「知りたい?だったら、この姿見たら分かるかしら?」


するとレイガは女の河童に化けた。

だけどソロリックは、その姿を見てどこかで出会ったか気づいた。


「まさかアナタって……レンドスさん!?」

「正解♪」


ソロリックはレンドスって名前を上げながら驚いき、レイガも元の姿に戻った。


「ソロリック、なんだレンドスって?」


野田は驚くソロリックに質問する。


「ダイゴさんがバイト辞めた後、新しく入った妖怪ですよ」

「えっ!アンタ、伝説と呼ばれてるのにバイトしてんの!?」


野田はついレイガに向かってツッコミをしてしまう。


「なによ?私だって、バイトぐらいするもん!まぁ、ほとんど薬作りで収入しているけどね!」

「薬?」

「そう、風邪の薬や胃腸の薬に、心臓に利く薬や傷や虫歯の痛み止め。さらには睡眠薬や媚薬に……麻薬も」

「「「「「え?」」」」」


なにやらヤバイ系な薬の言葉が出て、全員は引き始めた。


「な~~~んてね♪ぎゃははははははは♪」

「「「「「はぁ……」」」」」


レイガはからかったかのように笑い出すが、全員は彼女のお気楽でいい加減な性格に呆れてしまう。


「コーラ飲む?」

「はい……」


6本の尾は台所の冷蔵庫まで伸びると、冷蔵庫からコーラの缶を取って渡した。


「ところで、アナタは1人でブロドンと勝負したよね?」

「あっ、はい……結構苦戦したけど……」

「ふ~~~ん?」


しばらくするとレイガはコーラを飲みながら、野田を観察しある事を思いついた。


「……どう?私のもう1人の下僕と戦って見ない♪」

「「「「「えっ?!」」」」」

「ゴホッ!ちょっと、なんでいきなり?」


当然のごとくレイガ以外の全員は驚き、野田もコーラで咽せながら尋ねた。


「だって、アナタその時本気じゃなかったでしょ?アナタの本気を見てみたいからね♪」

「いや……だからって……」

「お願い?」


初めは断ろうとした野田だったけど、レイガはおねだりするような目に負けてしまう。


「……分かりました」

「おい!」

「良いのかよ?!」

「はい!交渉成立ね♪じゃあ庭に行きましょう!」


さっそく野田達は庭に出た。

庭は噴水のある池があって花畑もあるが、さらには運動場のような平面地まであった。

レイガはすぐに野田達をその平面に案内すると


「さぁ、来なさい!ヘグラーパー!」


レイガが大声で呼ぶと、大きな地響きが足音のように聞こえて、どんどんと近づいてきた。そして巨大な影と共に野田達の前に姿を見せた。


「これって、妖怪の中でも凶暴なジャバウォック!?」


それは巨大なTレックスのような身体と蝙蝠の羽と、さらに鯰と鬼が合さったような頭部を持ち。そしてとても凶暴で凶悪な魔物と呼ばれた、妖怪・ジャバウォックだった。


「そうよ。でも大丈夫!彼は私に対しては基本穏やかだから♪でも私に危害を加えたら、めちゃくちゃ暴れだすから気をつけてね♪」

「えええええええええ!!?」


そして野田は改めて後悔してしまうのであった。

九尾の妖弧・レイガはオタクで、もう1人の部下はジャバウォックと判明しました。

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