第29話 ホルと新しいお使い
ホル目線。
どうもホルです。
僕の職場であるモンスターゾーンのデーモングレリスで、僕は麻井さんに呼ばれて将軍室に来た。
「あの……麻井さん?いきなり何の御用で?」
「……良く来たな。じつは明日で良いから。またお使いに行ってくれないか?」
ん?なんか麻井さんの雰囲気がおかしいなぁ?
「えっ……と、そのお使いってのは?」
「まぁ、これを持って行くだけだから」
机に置いたのは、なにか黒いアタッシュケースであったが、やっぱりちょっと怪しいな。
「あのそれで、これを届ける人って一体?」
すると麻井さんは頭を抱えて、前よりも暗く気まずくなって来たけど。まさかヤバイ感じの人じゃあ!
「……九尾の妖弧」
え?なんか今、かなり飛んでもない事を言ったように聞こえたけど?
「今……なんて……」
「だから、九尾の妖弧」
「えええええぇぇぇぇええぇぇえ!!?」
ちょっとちょっと!九尾の妖弧って鳳凰・麒麟・八岐大蛇と並ぶ、神に近いとされる妖怪だよ!!麻井さんにぬらりひょんの称号をくれた
本当の意味でヤバイ人だよ!!
「なんで、アナタよりも上の妖怪に、僕がお使いに行かなきゃならないんですか!?」
「仕方ないだろ。これから用事で人間国に向かうから」
そうだった。なんか麻井さん、人間国で大切な会議があるから、今日の内に出発するんだ!それを忘れるなんて、僕ってまだまだだ。
「でも!僕のようなアルバイトの秘書で!自分で言うのもなんだけど、男の娘の僕が来たら、きっと怒り出してしまいますよ!!」
「おいおい!!そんな大声を出すな!誰かに聞こえちゃうぞ!?」
「あっ!!?」
つい自分から大声で男の娘って言ってしまった。恥ずかしい!顔が溶けそうだよ!
「はっきり言うけど、その九尾の妖弧は、もの凄く変人だぞ」
「え?」
「俺やモルト以上に変わり者で、全てが予測不能なんだ……」
予測不能な変わり者ってどんなんなの。
「とりあえず、護衛を付けて置くし、友達でも誘っていいから?」
いや、友達を誘っていいって。
こんな重要な仕事をピクニック気分にしちゃあダメだから。
「そんな冗談言わないでください!!護衛ならまだしも、友達なんて誘う余裕なんてありません!!」
「そうか……とにかく、明日頼む」
「はい!!お任せください!!」
とにかくこれは、妖魔将軍からの任務!!絶対に九尾の妖弧にこの荷物を届けて見せます!
それからしばらくしてから、麻井さんはペガサスに乗って人間国に向かった。僕もがんばってこの荷物を届かなきゃな。
それから僕は自分に家に帰った。
が!この荷物を誰かに狙ってるかもしれない。
「誰もいない!誰も見てない!」
「兄ちゃん?」
「うわ!!ってホロか?」
いつの間にか後ろにホロがいたなんて気づかなかった。
「なに怪しい事してるの?余計に目立つよ?」
「なっ、なんでもないよ?」
「んでこれって何?お土産?」
「違う違う!!これはある人に届けるものなの!!」
危ない危ない。このままホロに取られるところだったよ。
とにかく明日は大変だ!気を引き締めてやらなきゃ!
そしてついに今日となった!ってまさか……
「そんな……護衛って君達と……」
まさか麻井さんが呼んだ、護衛が野田くんと倉山くんと小山くんだったなんて。
3人共別の仕事に就職したって聞いたけど、まさか政府傭兵組織の暗闇だったとは!いつのまにか3人共公務員になっていたとは。
「まさか、護衛の任務があってたけど、ホルとは驚いたな」
「なんか大変な仕事みたいだからな」
「と言っても……俺と野田は新米だから」
ちょっと君達、そんなのん気にしてないでよ。って思っちゃうけど……
「ごめんなさい。私まで呼んでくれて…」
「いえいえ、どうせなら楽しくしようと思っただけで」
そしてついソロリックさんを、思わず誘ってしまう僕って一体。
「でもこれは、重要な任務だって事を忘れないでね!!」
「そんなの分かってるよ。だからこうしてお前を守ってるだろうが♪」
「まっ、あんまり期待しなくても良いけどさ」
めちゃくちゃ不安だ。
「とりあえずお弁当作ったから、お昼になったら食べようね」
「うん、九尾のいる森って深いし遠いから、持ってきて正解だね」
「じゃあ!さっそく九尾に会いに行くぞ!!」
「「「「おーーー!!」」」」
こうして僕達5人は、九尾の妖狐の住むと言われる山に向かった。
今回はホル目線で話を進めてみましたけど、本当にこういうのって難しいですね。
そして野田達は九尾の妖弧に出会えるか?




