第25話 暗闇の登場
グレスが去ったので野田は、とりあえずソロリックとホルを探しに森をさまよう。
でもようやくソロリックとホルを見つける。
「2人共!」
「野田さん!ホルさんが」
グレスの熱で具合が悪くなったホルの看病をしていた。
「やばいな。はやく冷やさないと大変だ!!」
すぐさまホルを背負ってモルトの家に戻る。
「しかし……いきなりこの心の鎧甲ってアーマーが出てくるなんて。おかげでハヤト達をなんとか助けたけど」
だがさすがにホルを背負うのに、少し邪魔になってしまう。
「これ……どうやったら脱げるんだ?」
「だったら私にまかせて」
「え?」
するとソロリックがペンダントを願望に向けると、突然願望が小さな胸の形をした宝石になると、そのままペンダントのある溝の1つに入った。
「今のって一体……」
「うん、なんかそのアーマーを保管したり、取り出す事が出来るみたいなの?」
「……やっぱり、俺にアーマーを呼んでくれたのは、ソロリックだね?」
ソロリックは小さく頷く。
「でも……まさかこれが心の鎧甲だったなんて、驚いたぜ」
「私も、野田さんを助けたいって無我夢中だったから」
「ふ~~~ん。まぁ、そう言ってる間に着いたな」
ちょうどモルトの家に来れたが、そこにはそれぞれ黒と白の服を着た妖怪が5人居た。
「なに?あの人達?」
ソロリックは不思議がるけど、野田はその内の1人に衝撃が走る。
「倉……山!?」
「あ……野田」
それはなぜか倉山が行動していた。
「お前……なんでここに?」
「なぜって俺、暗闇のメンバーだから」
倉山は申し訳なさそうにして返事する。
「ちょっと待てよ……もしかして今までのバイトは」
「あれは副業。でも最近こっちの仕事が大変だからな」
「という訳で倉山には、ここに専念する事になった」
ミヤトが2人の会話に割り込んできた。
「ちなみに私は、暗闇のリーダーでもあるの」
「いや、その前に暗闇ってなに?」
「暗闇っていうのは、つまり忍者みたいなもの。妖魔将軍と政府の指示か独断で、潜入や事後処理は無論、戦闘などもする政府公認の傭兵に近いものだ」
倉山は簡単に説明する。
だけど、野田達は信じられずにいた。親友がまさかの国家公認のスパイ兼公務員だったという事実には。
「じゃあ、ロボットの事件を揉み消したのって」
「ああ、暗闇だよ。でも俺知らなかったんだ……いつのまにか消されたなんて」
「当然だ。倉山、お前はまだ新米だから事後処理はさせないからな」
どうやら倉山は未だに新入りとして扱われていた。
「しかし本当に悪いな。わざわざ暗闇が動いてくれるなんて」
「いえいえ、本来なら武者組と騎士隊が良いのですが、国際問題が起きる可能性がありますからね」
「てか!ホルが大変だったんだ!!」
大事な事に気づいたので、すぐにホルを冷凍庫に入れた。
「しかし、ほんとに驚いたな。お前がここ……お!!」
ミヤトが心の鎧甲を話そうとした瞬間、野田はすぐさま口を塞いだ。
「勘弁してくれ!もしここでそんな事を言ったら、ややこしくなるだろ?」
「たしかに……そうだったな」
2人は小声でひそひそ話をする。
「ん?どうしたの?」
「いや、こっちの話だ」
暗闇の1人が尋ねたので適当に誤魔化す。
それからミヤトと倉山達暗闇とアンデグードが、色々と後始末をしてくれた。
だがしばらくしてミヤト達がいなくなった後、モルトが野田とソロリックと回復したホルに、大事な事を話す事になった。
「これから話すのは、他言無用で頼む」
「別にいいけど、ミヤトはいいかの?」
「大丈夫だ。秘密にしてくれって頼んでおいた」
モルトはタバコを吸いながら、なぜ心の鎧甲を持っているか話した。
「じつは……最近人間国が心の鎧甲を集めようとしてる情報を、麻井……つまり妖魔将軍から聞いた」
「「えぇぇ!!」」
当然野田とソロリックは驚いたが、ホルは麻井が言った言葉に確信を持った。
[やっぱり……麻井さんが言った事は本当だったんだ!]
それから話が進んだ。
「だから俺は、元あった場所から願望を掘り出し回収して、とりあえず俺んちに隠したってわけだ」
それが祠破壊事件の正体であった。
「じゃああのロボットは、人間達が?」
「いや、恐らくその情報をどこかで聞いたんだろう。そして
「でもなんで、心の鎧甲が俺に装着されて、ソロリックのペンダントに入ったんだ?」
「ええ、こんな感じに」
するとソロリックはペンダントを掲げて、力を集中すると胸の溝にはめ込まれた宝石が、光を放って飛び出してそれが願望になると野田に装着された。
「恐らく彼女のペンダントは、心の鎧甲を保管が出来。さらに君の意思で取り出すのが可能らしいな。だがどんな条件で装着者が決まるかはさすがに分からん」
モルトは残念そうになり、すぐに願望をペンダントの中に戻した。
「だが今日から心の鎧甲は、君達2人が持って使ってくれ」
モルトは2人にとんでもない物を託そうとしていた。
「でも……私達なんかに……」
「いや、きっと君たちなら使えるかもしれん。自分達を信じてみろ」
そしてソロリックは考えて決意した。
「私……がんばってみようと思います!!」
「もちろん、この俺もな!」
「僕だって!!」
「じゃあ3人共、頼んだぞ」
「「「はい!!」」」
それから家に帰ろうとして
「なぁ、しばらく俺んちに住まないか?」
「え?でも」
「心配要らないぜ。母さんや姉ちゃん達も分かってくれるし、一緒にいた方が安全だと思うぜ」
またソロリックは考える。
そして決めた。
「分かりました!住ませてください!!」
「よし!」
こうして晴れてソロリックは、野田の家に居候する事になった。
そしてマジカルパルスに戻ったアンリュウとハークスオン。
目の前にはルシファー達が出迎えていた。
「お帰り!どうだった?」
さっそく潜入調査について尋ねた。
「あったけど……」
「失敗したんだな?」
「「うん……」」
2人は申し訳なさそうに頷いた。
「心配するな。ロムトンや上層部には秘密にしておくよ」
「つーーーか。初めからそうするつもりだったし」
ルシファー達はアンリュウとハークスオンを励まし。
「そんじゃあ、2人が戻ってきたから」
「ご馳走してやるよ」
そのまま6人は飲みに行った。
あれから3日後。
暗闇の基地である大きな屋敷があった。
ちなみにそこから六方連の総合本部と繋がっていて、さらにこの基地は普段歴史館としていた。
「リーダーどうも」
「うむ」
ミヤトは隊員にあいさつしてると
「リーダー、新入りが2人来たみたいですよ」
「新入り?」
そこには暗闇の制服姿の野田とダイゴがいた。
「貴様!なんでここに!?」
「なにって、入ったんだよ。暗闇に」
野田はのん気に言う。
「はぁ!!」
「俺は止めとけって言ったんだけど、聞かないからな」
倉山が申し訳なさそうになる。
「だって、これからヤバイんだろ?俺、結構強いから大丈夫だよな?」
「しかし……コイツはなんだ!?」
ダイゴに指差しながら怒鳴る。
「いや、野田に勧められてよ。バイトを辞めて入ったんだ」
「落ち着いてよリーダー。ダイゴも強いから」
倉山はなんとかフォローする。
「それから、ソロリックは家に住む事になった」
「え?」
「だってそうした方が、ソロリックも安全だと思ったから」
野田とミヤトは小声で話すので
「おい、なんで新入りのあいつがミヤトさんと会話してんだ?」
周りのメンバーは不審に思う。
それでしばらくすると、ミヤトはため息を吐きながら、野田とダイゴに向かって言う。
「入ったからには、命を捨てる覚悟を持っていろ!!」
「「うっす!」」
こうして野田とダイゴは暗闇に入る事になった。
倉山とミヤトの裏の顔。妖怪政府直属の傭兵集団・暗闇です。野田とダイゴの新しい職場と、ソロリックにも新しい暮らしが出来た。




