第22話 牛鬼VS創造魔法
野田達は誰もいない森に逃げた。
「とりあえず、ここまで隠れれば!」
「そうだね」
「じゃあ、2人はこれを持って隠れてろ」
ソロリックに箱を渡して戻ろうとした。
「待ってよ!モルトさんの言葉忘れたの?」
「そうですよ!今行っても……」
ソロリックとホルはミヤトの元に行こうとする野田を止めたけど。
「たしかにそうかもしれないが、ここでなにもしないのは、はっきり言って無理だよ」
「「野田さん「くん」!」」
野田は2人を森に残したままモルトの家に向かう。
だが、箱の中に入ってる物が、強くなにかに反応してるのは、2人が知る余地はなかった。
その頃
「貴様ら……魔人か!?」
ミヤトは剣を構えてアンリュウ達を睨み付ける。
「ねぇ、もしかして彼ってミヤト・バデュースですよね?妖怪一の剣士の」
「私の事を知っているとは。とりあえずありがとね」
「それはどうも。ハークスオン!」
「はいはい!!」
ハークスオンは背中に背負った心の鎧甲の左足を、布を解きアンリュウに投げて渡す。
「サンキュー!!」
そしてアンリュウは心の鎧甲の左足アーマーを受け取ると脚に装着した。
[なんだ……あのアーマーは?]
ミヤトはアンリュウの心の鎧甲を思わず睨むが無理もない。なぜなら彼女は心の鎧甲は知っているが、その形状はもちろん実物なんて知らなかったから。
そこでミヤトはとりあえずナイフをアーマーに向けて投げてみた。
「無駄だ」
「なっ!?」
しかしナイフは突然地面に落ちてしまった。
[まさか……]
モルトはいつのまにかリボルバータイプの銃を持っていて、2人に向けて弾丸を打つ。
だが、弾丸はアンリュウの近くで威力が消えたように、トボトボと落ちてしまった。まるでアーマーが2人を守るというか、弾丸からやる気が取られたかのように。
「思ったとおり、その左足にあるのは……心の鎧甲だな!!」
「なに!?」
モルトの言葉にミヤトは当然驚いた。
伝説のアーマー心の鎧甲が目の前にあるから。
「いかにもコイツが心の鎧甲・“怠惰”だ。装着者に害をもたらす者の攻撃の、やる気を吸い取り全て無効化し、逆に自分の攻撃を有効にしてくれる!!」
地面に落ちた弾丸を拾い上げて投げると、先ほどの威力が戻ったかのように、ミヤト目掛けて飛んでった。
が
「ふん」
ミヤトが剣を軽く振ると弾丸が真っ二つに切れて地面に落ちた。
「そう簡単には、いかないな?」
「当然でだろ!!」
神速に近い走りで斬りかかろうとしたが、いつのまにかアンリュウの左手にブロードソードを持って、ミヤトの剣を受け止めた。
「なるほど、創造魔法か?」
「正解!!」
答えるとさらに今度は右手から日本刀を作り出して振り下ろした。でもすぐにミヤトは華麗に回転切りで、アンリュウのブロードソードと日本刀を叩き割ったが、今度はM1873の回転式拳銃とAR-18のアサルトライフルを出して、そのまま距離を置いてミヤトに向けて撃ちだした。
「おっと!」
だけどこれも華麗な避けたり、さらには剣で弾丸を弾き斬って防いだ。しかしアンリュウの銃からは全く弾切れの様子はなかった。
それは当然だ。なぜなら2つの銃はアンリュウが魔法で作り出した物だから、弾でさえも無限に出しているようだから。
「かかかかかかかかかか!!次はこうだ!!」
「うわ!?」
だがM1873とAR-18を消して、今度は鎖鎌を作り剣を巻き付いた。
「どうだ?動けないだろ?」
「いや、そうでないが」
「え?」
ミヤトがふっと笑うと突然剣に巻き付いた鎖が、腐敗し崩れ落ちた。
「うそ!?」
「悪いが本当だ!」
そして猛牛のように角を突き立てて突進して体当たりしてきたので。今度は盾を作り出した。
「うっ!?」
あまりに強く体当たりしてきたので吹っ飛んでしまい、地面に叩きつけられてしまう。
「アンリュウ!無事!?」
「心配ない!そんじゃあ、これが取って置きだ!!」
起き上がったアンリュウは地面に強く手を叩き付けた。
すると地面と空中とアンリュウの周りから、大量の剣や槍に矛や斧に鉈を出すがそれだけでなく。銃・ライフル・マシンガン・ガトリングに、バズーカ砲・大筒・ミサイル・ナパームなどの、種類関係なくさまざまな武器・兵器を作り出してきた。それも100を超えるほどの質量であった。
「まさか!ここまで!!?」
「バカな!魔人が使う創造魔法は、頭に考えた生き物以外の物を具現化する。しかしそれは精々大きな物なら壁や家、それに剣と槍が2本か3本までだ」
「そう……銃とかの複雑な物や、それを大量に作り出すのに、物凄いの魔力を使う」
「自分で言うのもなんだけど、アタシは想像力が強くてよ。魔力は高いからな、こんなの簡単に出来るんだよ!」
すると剣と刀と槍は矢のように発射され、さらに銃火器もいっせいに撃ちだした。
避けたり切り落とし薙ぎ払ったりするが、無限に近い形で剣も弾も作られていくので、足や脇腹が弾丸に掠れたりして。
「くっ!がっ!?」
さらには肩を貫かれてしまい痛そうに血が流れてしまう。
「ふふふふふふふふふ。どうかな?あたしの魔法は?」
「いやはや……なんというか……次元が違う」
ミヤトはドス緑のオーラを纏った剣を振り斬撃が放たれた。危険を感知したアンリュウはその場を離れたが、草と木はもちろんその場に固定したままの、全ての剣と槍と銃火器が腐って消えてしまった。
「アンタ……その剣は一体……」
「……天叢雲剣って言えば分かるかな?」
「天叢雲剣!相手の血肉や、さらに武器までもこの世の物質を……腐敗させる魔剣の!?」
「遥か遠く昔までは、草薙の剣と呼ばれる聖剣だと言われたけど、邪悪な魔剣でもあるってわけね……」
アンリュウは彼女の反撃に少し冷や汗をかきながら、服の一部が腐っているのを確認する。
「……アンタも相当な切り札を持っているな」
「……まぁな」
2人の間に黒いオーラに包まれかけていた。
[やばいな……とりあえず、武者組かアンデグードを呼ぶしか……]
「どこへ行く気?」
ハークスオンの左腕から皮膚と骨で出来た大きな鎌が出て、さらに右手を大ムカデの時みたいに爪を刃のように伸ばして、モルトを行かせないようにする。
「逃げ出すものですか」
そんな中、モルトの家の近くに戻ってきた野田は、林に隠れながら一部始終を見ていた。
[やっぱり、アンリュウとハークスオンは妖怪じゃないと思ったが、しかも伝説の心の鎧甲を持っていたなんて……真剣に探していた理由も、それにあるのか?]
「ん?誰だ!?」
しかしアンリュウに気づかれミサイルで林を吹き飛んで、地面に叩きつけられてしまった。
「テメェは!?」
「お前!なんで!」
「悪い……だけ、ご!!?」
「なっ!!?」
それはいきなりの事で、銃声と共に野田の肩が撃れた。
アンリュウの手に創造魔法で作ったグロック17を持って、銃口から煙が出ていた。
「見られたからには、アンタも死ぬしかないな」
「いや……びっくりしたよ。お前らが魔人なんて」
「だから何?とにかく死にな」
肩を押さえる野田の額を狙い、引き金を引こうとした瞬間。
「ん?」
「え?なんだ!」
突然どこからか飛んで来た光が野田に当たった。
アンリュウの心の鎧甲・“怠惰”と創造魔法。ミヤトの魔剣・天叢雲剣はどうでしたか?
そして次回野田が覚醒します。




