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第21話 保留


 午後、侵入者を処理した後、レイナは管理画面の前で手を止めた。


 召喚スケジュールを確認する。次の配置を考える。


 でも、今日は一人だった。


 他の管理者は、この判断を一人でしているのか。それとも、誰かに意見を聞くのか。


 レイナは自分のダンジョンコアに聞いた。


《今の配置、どう思う》


「わかりません。他に指示はありますか」


 それだけだった。


---


 レイナはコアネットを開いた。ミルティアに発信した。


《レイナさん? 珍しいですね、レイナさんから》


《聞きたいことがある》


《なんですか》


《他のダンジョンマスターは、判断を誰かに相談しているのか》


 少し間があった。


《……レイナさんは違うんですか》


《私は一人で判断している》


《そうなんですね……私は、たまにモンスターに話しかけます。喋れないんですけど、なんか反応してくれるので》


《喋れないモンスターが、反応を返すのか》


《……なんとなくですけど、分かる時があります。尻尾を振ったり、鳴いたり》


 レイナはしばらく黙っていた。


《そういう人、他にもいるんです》


《誰だ》


《精霊の遊庭のルナリアさんです》


《会話》


《はい……名前を呼んだり、体調を気にかけたり》


《一人で決めるのって、大変じゃないですか》


《慣れている》


《そうなんですね……何かあったら、いつでも言ってくださいね。私でよければ》


 通信が終わった。


---


 夜、レイナは記録を整理した。


 精霊の遊庭。367位。モンスターを失わない運営。データにない判断をしている。


 理由が分からない。


 あの運営なら、今日の配置をどう考える。


 レイナは管理画面のコアネット欄に、その名前を表示させた。


 指がその名前の上で、少しの間止まった。


 送らなかった。


 保留。


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