第19話 ノイズ
すいません、昨日間違えた話を投稿していました。
午後、ミルティアから通信が来た。
《レイナさん、少しいいですか……》
《何》
《ダンジョン運営のことなんですけど……最近、来訪者が少なくて……どうすれば増えるかなって……》
《罠の配置を見直せ。来訪者が途中で撤退するなら、序盤の難易度が高すぎる。最初の1層は突破できる設計にした方が次も来る》
《なるほど……レイナさんって、本当に分析が得意ですよね》
《得意じゃない。必要だからやってる》
《そうなんですけど……なんか、精霊の遊庭のルナリアさんって知ってますか? モンスターを一体も失わないように運営してるみたいで、結果出してて……優しい運営でも上がれるなら、私にも希望があるかなって思って》
レイナは少し止まった。
《モンスターを失わないように運営してる?》
《はい……なんか、それで367位なんですよね。びっくりして》
《情が入ると判断が鈍る。それが私の結論だ》
《……数字は事実だが》
《そうなんですけど……でも気になっちゃって。レイナさんはどう思いますか? 精霊の遊庭のこと》
レイナはしばらく画面を見た。
《今は保留》
《え?》
《結論を出すには材料が足りない。気になるなら調べろ》
《私はレイナさんみたいに分析できないので……レイナさんが調べてみてほしいです》
《今の私には必要性がない》
《そうですよね……ごめんなさい》
少し間があった。
《また相談してもいいですか……レイナさんだけが頼りなので》
返す言葉が思いつかなかった。通信を閉じた。
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夜、前回のダンフェスの記録を引っ張り出した。
特別な理由ではない。材料が足りないなら集める。それだけだ。
精霊の遊庭。367位。2000期。
公開されている情報はランキングの推移だけだ。最初のダンフェスで430位。次が386位。そして最後が367位。
最初から次の伸びが急だ。そのあとも安定して上がっている。
でも、気になるのはその数字ではなく、推移だった。
情が入れば判断は鈍る。それがレイナの結論だった。
だが、この推移はその結論と一致しない。
レイナは記録を閉じた。管理画面に戻った。今日の補修スケジュールがある。それをやる。
その違和感だけが、頭の片隅に小さなノイズとして残った。




