表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/40

第2章 第2話 ミッション


朝、管理画面を開いてまずモンスターの状態を確認した。


ホブゴブリンの小隊長2体が1層目を巡回している。進化してからしばらく経つ。戦力としては十分に機能している。でも——


「おはよう」


2体はこちらを向いた。でも何も言わなかった。低く唸って、また巡回に戻った。


アルスだけだ。言葉を話すのは。


改めて確認すると、やっぱりそうだった。同じホブゴブリンなのに、アルスだけが違う。進化の仕方も、動き方も、目の奥にあるものも。


「……本当に何者なんだろうね、アルスは」


アルスは巡回中だった。ゴブリン小隊を率いて通路を歩いている。その背中に向けてつぶやいた。


アルスは振り返らなかった。でも耳が少しだけ動いた。


---


管理画面に新しい通知が来ていた。


《ミッションを受信しました》

《ダンジョン対戦を1回行え》

《報酬:SP15・DP500》


「……来た」


昨日DコアLv3を解禁してから、ずっと来るだろうと思っていた。新人ダンジョンマスターへの対戦ミッション。ダンフェス後の活性化期間中に出るやつだ。


SP15とDP500。


今のSP残高は5だ。クリアすれば20になる。DコアLv4が視野に入る。DP500も素直にありがたい。


でも今すぐじゃない。


「コアさん、対戦って相手のダンジョン構成って事前に分かる?」


「挑戦状を送るまで詳細は分かりません。ただしランキングとダンジョンランクは閲覧可能です」


「……ランクだけか」


情報が少ない。相手のモンスター構成も、罠の有無も、層数も分からない。ランクだけで判断しないといけない。


自分より下のランクを選べばいい。でも下だからといって弱いとは限らない。1章でそれは身に染みた。


「もう少し戦力を整えてから動く」


管理画面のメモ欄に書き込んだ。


---


別の通知も来ていた。


《コアネット:フォロー数が増加しました》

《現在フォロー数:12》


「……12人」


ダンフェス前はほぼゼロだった。ダンフェスで顔が出て、少し増えた。でもまだ12人だ。


「コアさん、フォロー数って何かミッションに関係する?」


「……一部のミッションはフォロー数を条件としています」


「どんなミッション?」


「……現時点では非公開です」


「そっか」


頭の片隅に置いておく。フォロー数が増えると何かが解禁される。それだけ分かれば十分だ。


---


今日のメインはこれだった。


管理画面の召喚リストを開く。


Fランクになってから、リストに新しい種族が追加されていた。ウルフ。ホーンボア。インプ。プチエンジェル。アンデット系。


一つずつ確認していく。


ホーンボア。猪系。突進力が高い。でも取り回しが難しそうだ。今は後回し。


インプ。悪魔系。魔法攻撃ができる。でもピクシーとエリンがいる。今は後回し。


プチエンジェル。天使系。見た目は可愛い。でも精霊系と役割が被る。後回し。


アンデット系。スケルトン、ゾンビ、ゴースト。雰囲気の幅は広がる。でも今のダンジョンの方向性とは少し違う気がする。後回し。


最後にウルフ。


狼系。すばしっこい。群れで動く。前衛として使える。ゴブリン隊とは違う動き方ができそうだ。


「ウルフ、5頭買おう」


消費DP:15×5体=75DP。


承認する。


召喚エリアに光が集まった。5頭のウルフが現れた。体高はゴブリンより少し低い。でも筋肉の質が違う。素早そうだ。


ゴブリンたちがざわめいた。ウルフたちはそれを無視して、互いに鼻を突き合わせている。


その中で、1頭だけ毛並みが真っ白なウルフがいた。もう1頭は逆に、他より明らかに黒い。


「……コアさん、あの白いのと黒いの、なんか特別?」


「……他のウルフと同じです」


「そっか」


でも目が離せなかった。白いウルフは群れの中でも少し落ち着いていて、黒いウルフはやけに鋭い目をしている。


アルスが近づいた。ウルフたちがアルスを見た。一頭が低く唸った。アルスはそれを見て、短く唸り返した。ウルフたちがおとなしくなった。


「……また自分でやってる」


ルナリアはため息をついた。呆れてはいない。もうそういうものだと思っている。


管理画面を閉じた。


洞窟の奥で、ウルフたちが低く鳴き交わしていた。


黒い毛並みのウルフが先頭を歩いていた。白い毛並みのウルフは、少し後ろからついて歩いていた。

お読み頂きありがとうございます。

続きが気になる方は【評価】や【ブックマークに追加】を是非とも宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ