第18話 戦力増強
翌朝、管理画面を開いてまずブレイブを確認した。
昨日の傷は塞がっている。回復薬が効いたらしい。ステータスも問題ない。
「……良かった」
もう一度ブレイブのページを開いた。
《ブレイブ》
《種族:クレイゴーレム》
《フレーバーテキスト:なし》
しばらく考えて、入力した。
——不屈。
承認する。
「……そっちの方がしっくりくる」
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今日やることは決まっていた。
昨日の18%が頭から離れなかった。あんな状況にまたなったら、次は負ける。同じ轍は踏まない。
管理画面でモンスター一覧を確認する。
ゴブリン:4体。ピクシー:7体。クレイゴーレム:2体。コウモリ:3体。ホーンラビット:4体。ジャイアントラット:5体。アルス:1体。合計26体。
「……全然足りない」
追加召喚を始める。
ゴブリンを6体。消費DP:30。
ピクシーを7体。消費DP:21。
コウモリを4体。消費DP:8。
クレイゴーレムを3体。消費DP:24。
ジャイアントラットを3体。消費DP:15。
ホーンラビットを2体。消費DP:10。
DP残高:450。
召喚エリアに次々と光が集まった。洞窟が一気に賑やかになる。
「……これだけいれば、少しはましになる」
次に進化できる個体を確認する。
「コアさん、今進化できる個体は?」
「経験値が規定数に達している個体を確認します。……ゴブリン2体、コウモリ1体です」
「全部進化させる」
ゴブリン2体を進化させた。光が包んで、ホブゴブリンになった。体が一回り大きくなっている。
この2体はアルスの補佐に回す。アルスが全体を見て、この2体が前線の小隊を率いる。
アルスを呼んで、2体のホブゴブリンと向き合わせた。アルスが短く唸った。2体が頭を下げた。
「……自分でやるんだ」
コウモリも進化させた。
「進化先はシャドウバットです。能力向上:影への潜伏・吸血効果強化・索敵範囲拡大」
翼が黒く染まって、体が一回り大きくなった。影に溶け込むような色になっている。
「ラット隊と組み合わせたら偵察がさらに強くなる」
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その日の午後、また侵入者が来た。
4名。しっかりした装備のパーティだ。
新しく進化したホブゴブリン2体が小隊を率いて前に出る。ゴブリンたちが側面を取る。ピクシーが増えた分、光弾の密度が上がっている。
でも4名は粘った。回復薬を準備していたらしく、ダメージを受けながらも前に来る。じわじわと押されていく。
ゴブリン小隊が後退し始めた。
そこにブレイブが出た。
通路の中程に進み出て、両腕を広げた。4名の前に立ちはだかる。侵入者の剣が当たる。岩肌に傷が走る。でも動かない。
「くそ、固い」
「押せ!」
侵入者が力を込める。でもブレイブは一歩も退かない。その間にゴブリン小隊が立て直した。側面からホーンラビットが突っ込んでいく。ピクシーの光弾が背後から降り注ぐ。
「撤退だ!」
4名が引き返した。
——侵入者が撤退しました。DP:+38。
ブレイブはその場に立ったままだった。今日は傷が浅い。昨日より戦力が増えた分、一点に集中させずに済んだからだ。
「……ありがとう、ブレイブ」
ブレイブは動かない。でも《不屈》という一文が、今日はとても合っていると思った。
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夜、アイテム欄を開いた。
倉庫の中に、あの宝石がまだ入っていた。アルスが渡してきた、丸い球体のやつだ。
手に取る。相変わらず、かすかに温かい。
「……これ、何なんだろう」
コアに聞いても分析不能だった。何かには使えそうな気がするが、何に使えばいいのかが分からない。
「……もう少し考えてから」
アイテム欄に戻した。
でも、なんとなく、その日ずっと頭の片隅に残っていた。
ダンフェスまで残り28日。
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