まずは、全員休ませます
「今日と明日は休日にします。その間、仕事は禁止です」
「それじゃあ『True Dream Fantasy』のアップデートが……」
「そのアップデートが原因で、ユーザーが離れていることに気づいてないんですか?」
「「「「え??」」」」
気づいてなかったのかぁ……。
「今のゲームは、ステージを進めるために専用の課金キャラが必須です。しかも新キャラを増やすたび、必要なキャラは当たりにくくなる。これじゃ新規さんは続けられません」
会議室が静まり返った。
「私、ここまで進めるのにガチャだけで1000万円以上使ったんだけど」
「え? あの課金って顧問だったんですか?」
「そうだよ」
社員たちは顔を見合わせた。
「……おっしゃる通りです」
「気づいていませんでした」
社員たちから、そんな声が出始める。
私がこのゲームに精通していることを知らなかったようだ。
これで私も、このゲームを本気で好きな仲間だと認めてもらえたかな?
「テコ入れするなら、アップデートで新キャラを増やすより、
無課金でも進められるように見直すべきでしょ」
「今さらゲームバランスを変えるんですか?」
う~ん、うまく伝わらないか……。
「ボス戦を作り直せと言ってるんじゃないよ」
「じゃあ?」
「必要なキャラを条件達成で配るとか、確定入手パックを売るとか。新規さんが詰まらない仕組みに変えてほしい」
「それなら実現できそうです」
「まずは、そういう方向でゲームを立て直して。その後で新アプリを作ってほしい」
「そんな無茶な!」
「『True Dream Fantasy』は、キャラもシナリオも最高なんだから、このゲームだけで終わらせるのはもったいないと思わない?」
「……確かに、その通りです」
「配信するアプリストアって新作が前に出てくるよね」
「はい」
「ホーム画面や目覚ましみたいな小さなアプリでもいい。定期的に出せば目に留まる。そのアプリが『True Dream Fantasy』と連動していたら、そっちも始めてみようと思うでしょ?」
「なるほど……」
「ということをしていって欲しい。
あと、今後、新エリア、新シナリオを入れる時は、
特定のキャラがいなくてもクリアできるものにしてね」
「「「はい」」」
「おっと、話はここまで。
今後の目標というか方向性は共有できたと思うので、
まずは、今日と明日は休日にして!」
「「「承知しました」」」
説得は終わった。
……と思った。
案の定、目の前でPCの電源を入れてる人が……。
「ダメですよ」
「うわぁ……。でも、さっきの話聞いて制作意欲が……」
「今日と明日は、ガマンしてください」
「はぁい」
あ、また……。
「今日と明日は、ガマンしてください」
結局、このあと見回りを続ける羽目になった。
習慣って怖い。ほぼ全員が、仕事しようとしてた。
たぶん、明日も見回りかな……。
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・・ 次回 8/14 21:30 公開 ・・
本日は2話公開
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