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wonder! とある2人の恋愛事情  作者: かなたん


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80/87

第80話 全国カバーライブ「wonderful world vol.」⑤

「涼しー!」


 ここは北海道。エスコンフィールドを大和ハウスプレミストドームと間違えたが、とりあえずチケットは完売したらしい。寒いくらいだ。激しい曲中心にして良かった、


「ホテルの部屋は結依ちゃんと杏ちゃん、莉緒ちゃんと皐月ちゃん、明日香ちゃんの組み合わせだからねー。夕食と明日の朝・昼・夕食はバイキングだから楽しんでね。」

「はーい!」

「久しぶりに結依と一緒!」

「そうだね、バイキング楽しみだね。」

「うん!」


 部屋は広く、景色もすごく良かった。杏がベッドにダイブする。


「すっごいふかふか!気持ちいいねぇ。」

「うちもそろそろお布団かえなきゃだね。」

「そうだねぇ」


 杏がはしゃいでいる間にセットリストを見直す。まだ杏はベッドの上で飛び跳ねていた。


「落ちるよ?」

「大丈夫…きゃっ」

「あーあーだから言ったのに。大丈夫?」

「痛たたた…背中打った…」 

「立てる?」

「うん…きゃっ」


 2人の足が滑り、私はベッドに結依を押し倒していた。


「ちょ、ちょっと」

「たまには私が上でもいいよね?」

「え、えぇ!?」

 ───────暗転────


「さ、シャワー浴びてご飯行こっか。」

「うん…」

 30分後、杏がお風呂から出てきた。全裸で。


「家じゃないんだからさ。服着てきなよ。」

「ダイブ!」

「持田さん来たらどうするの。」

「大丈夫だって。」


 部屋のドアがノックされた。声は持田さんだ。


「結依ちゃん入って大丈夫?」

「ちょっと待ってください!布団入って!」

「う、うん」

「はい、どうぞ」

「明日のセットリストなんだけどさ、あれ、杏ちゃん寝てるの?」

「なんか眠かったらしくて。で、セットリストがどうしたんですか?」

「空谷の跫音じゃなくて、脈からAshにしない?」

「構わないですよ。私もなんで空谷の跫音入れたのか分からないんですよね。」

「じゃあそれで伝えておくね。」

「よろしくお願いします。」

「お邪魔しました。」


 パタン、と扉が閉まった。私は杏に服を着るよう促した。


「ほら!早く着替えて!」

「はーい…」

「服着た?わ、かっこいいじゃん!」

「えへへ、最近ボーイッシュスタイルにハマってるんだ。」

「じゃあ行こうか。夜はバイキングだからお昼は軽くしようね。」

「うん!」


 そしてジンギスカン食べ放題に来ている私たち。


「やっぱり北海道はジンギスカンだよね!」

「初めて食べたけど美味しいね。タレが美味しい。」

「なんか有名なメーカーらしいよ。」

「へぇ。タレに詳しくないから知らなかった。」


 ジンギスカンを食べ、札幌の観光名所をグルグ回ったあと、ホテルへと戻ってベッドに倒れ込んだ。


「た、食べ過ぎた」

「夕ご飯入らないね…」

「バイキング…海鮮…」

「明日も出るよ…きっと2泊3日だし。今日はいいんじゃ無いかな。」

「そうね…」


 翌朝。すやすや眠る杏を横目にし、部屋を出て持田さんと合流する。今日のライブの打ち合わせをするからだ。


「昨夜は楽しめた?」

「ジンギスカン食べ過ぎて夕飯食べられませんでした…」

「はは、結依ちゃんらしくないね。」

「杏にも言われましたよ、それ。」 」

「今日の体調は完璧かな?」

「10時間寝たから元気ですよ。」

「良かった。プレミスト着いたら発声練習ね。あと、リハーサル。よろしくね。」

「はい。」


 大和ハウスプレミストドーム。楽屋発声練習をした後、リハーサルに入る。


「じゃあ1曲目からお願いします。」


 声の調子もいいし、歌も伸び伸びと歌えるくらい開いている。今日は大丈夫そうだな。

 志乃ちゃんが入ってきた。


「おはようございます。よろしくお願いします。結依さんおはようございます。」

「おはよ。体調は万全?」

「はい!」

「お互いに頑張ろうね。」

「はい!勉強させていただきます!」

「そんなに畏まらなくていいよ。大丈夫。緊張しちゃだめだよ」

「はい」


 ボーカルブースヘ向かう。さぁ、ショータイムの始まりだ。

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