第79話 カバーライブ翌日!
「おはようございます。」
「お、結依ちゃんおはよ〜」
「何見てるんですか?」
「昨日のカバーライブの記事だよ〜。社長も「すごい利益が出た」って喜んでたからね。」
「そんなにですか?」
「チケット代高く設定してたでしょ?それが完売。グッズも完売。大阪ミューズのハコ代とか払っても十分お釣りがくる位利益が出たんだって。」
「そうなんですか…」
「エスコンも完売したよ。」
「え、本当ですか?」
「頑張ってね。」
そう言って持田さんは去っていった。とりあえずエスコンのセットリストを考えるか、と椅子に座ると、杏がやってきた。
「杏。今日オフでしょ?どうしたの?」
「朝起きたら結依いなかったから。ここかなって。」
「そうなんだ。私エスコンのセットリスト考えるけど、隣来る?」
「行く!」
杏が隣に座る。一曲目を何にしようか考えていると、杏が言った。
「あれがいい!冬雨に抱かれ〜ってやつ!」
「懐春だね。1曲目に持ってきても面白いかも。懐春…と。2曲目はSustain the untruthかな。空谷の跫音もいいかな。3曲目に入れよう。」
「レア曲枠は?」
「-I'll-かな。バーカ!じゃない方。」
「懐かしー!」
セットリストをある程度決め、杏と一緒にお茶をしていると、志乃ちゃんが入ってきた。
「おはようございます!」
「志乃ちゃんおはよ。」
「…おはよう」
「結依さんこないだはすいませんでした。」
「しょうがないよ。大丈夫。エスコン完売したって。」
「入るよー!あ、志乃ちゃんおはよ。」
「おはようございます!」
「2人に謝らないといけないことがあるんだ。」
神妙な面持ちで、持田さんが話し始める。
「いや、あのー、こちらの間違いなんだけど、エスコンフィールドHOKKAIDOって伝えたじゃん?あれ、ごめん、大和ハウスプレミストドームの間違いだったんだ。」
「え、ファンの方々には伝えたんですか?」
「今訂正のメールを全員に送信してる。」
「おっきい間違いですね…」
「ちなみに約5万人だって、収容人数」
「いやいやいや埋まらないでしょ!」
「今2次抽選してるけど、大丈夫そうだよ。全員当選にする予定だから。上限人数に達したら。」
5万人とか…wonderでも3万人が最大だというのに…。
次の日。大学も休みで、仕事もオフだったので杏と家でまったりしていた、ところにLINEが来た。
「プレミストドーム埋まったよ!」
「え。プレミストドーム埋まったって。」
「ほんとに?wonderの最高キャパ超えたね。」
「5万人とか…まぁ何とかなるかな。杏、お昼外で食べない?美味しいパスタの食べ放題のお店があるんだ。」
「行こう行こう!」
着替えて外に出る。爽やかな風が吹いていた。
「気持ちいいね。」
「そうだね。あ、着いた。」
「早っ」
「家の近くだからね。」
「知らなかった…」
1時間後。何皿食べただろう。お腹いっぱいだ。
「いやー、食べたね。」
「食べたね。ちょっと散歩しよっか。」
「うん!」
川のほとりを2人で歩く。川は澄んでいてとても綺麗だった。
「結依、喉の調子はどう?」
「これまでに無いくらいいよ。毎日はちみつ食べてるからかな。」
「ならいいんだけど…」
「心配してくれてありがとね。」
頭を撫でる。杏の顔が真っ赤に染まった。
「帰ろっか。」
「うん…」
セットリスト考えなきゃなぁ。そんな事を思いながら杏と手を繋いで川のほとりを歩いて行った。




